平成26年7月31日
金融庁

「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(期間:平成26年4月1日~同年6月30日)

【今期の分野別受付件数等】

  • 金融サービス利用者相談室に寄せられた相談等の受付件数は10,121件と、前期(平成26年1月1日から同年3月31日までの間:以下同じ)9,878件と比べて、ほぼ同水準となっています(含む事前相談)(2.)。

    分野別に見ると、次のとおり。

    • 預金・融資等に関する相談等3,109件(前期比▲ 307件)(3.(1))

    • 保険商品等に関する相談等2,977件(前期比+ 235件)(3.(2))

    • 投資商品等に関する相談等2,744件(前期比+ 118件)(3.(3))

    • 貸金等に関する相談等838件(前期比+ 100件)(3.(4))

  • 上記のうち事前相談(受付期間5月23日から6月30日までの間)で相談室に寄せられた事前相談(予防的なガイド)の受付件数は、上記10,121件のうち381件となっています。

  • 東日本大震災関係の相談等の受付件数は、36件(前期比+10件)となっています。

1. はじめに

  • (1)金融庁では、金融サービス利用者の利便性の向上を図るとともに、寄せられた情報を金融行政に有効活用するため、金融サービス等に関する利用者からの電話・ウェブサイト・ファックス等を通じた質問・相談・意見等に一元的に対応する金融サービス利用者相談室(以下、「相談室」という。)を開設しています。

  • (2)利用者からの相談等については、専門の相談員が電話で対応しています。金融サービス相談員からは、問題点を整理するためのアドバイスを行ったり、業界団体が開設している紛争解決機関等を紹介しています。なお、寄せられた相談等の内容や処理状況等については、金融庁内の関係部局に回付し、検査・監督等の参考として活用しています。

  • (3)従来、「金融機関との間の個別トラブルに関する相談等や金融行政に関する意見・要望等」への対応を主として行ってきましたが、金融サービス利用に伴うトラブルの発生の未然防止などに向けた事前相談の提供の充実を図るため、平成26年5月23日から、「事前相談(予防的なガイド)」窓口を開設いたしました。

  • (4)相談室に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成26年4月1日から同年6月30日までの間(以下、「今期」という。)における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。

2. 受付状況

今期は、10,121件の相談等(詳細については、別紙1(PDF:262KB)をご参照ください。)が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均163件となっており、前期の実績(170件)に比べて、やや減少しています。

事前相談の受付件数は、上記10,121件のうち381件となっています。

相談等の内訳は、以下のとおりです。

  • (1)相談等の類型

    質問・相談として寄せられたものが7,986件(79%)、意見・要望として寄せられたものが1,480件(15%)、情報提供として寄せられたものが535件(5%)、その他が120件(1%)となっています。

  • (2)相談等の方法

    電話による相談等が8,322件(82%)、ウェブサイトによる相談等が569件(6%)、手紙による相談等が396件(4%)、ファックスによる相談等が345件(3%)、その他が489件(5%)となっています。

  • (3)相談等の分野

    預金・融資等に関するものが3,109件(31%)、保険商品等に関するものが2,977件(29%)、投資商品等に関するものが2,744件(27%)、貸金等に関するものが838件(8%)、金融行政一般・その他が453件(5%)となっています。

3. 分野別の特徴

  • (1)預金・融資等に関する相談等の受付件数は、行政に対する要望等が減少したことから、前期に比べて、やや減少(3,416件→3,109件)しています。事前相談の受付件数は、上記3,109件のうち15件となっています。

    要因別では、個別取引・契約の結果に関するものが981件(32%)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが825件(27%)、一般的な照会・質問に関するものが583件(19%)等となっています。

    業態別では、銀行に関するものが1,758件(57%)、信用金庫・信用組合等の協同組織金融機関に関するものが597件(19%)、その他が754件(24%)となっています。

    業務別では、融資業務に関するものが1,159件(37%)、預金業務に関するものが952件(31%)、その他が998件(32%)となっています。

    なお、銀行協会等の業界団体を紹介した相談等は443件ありました。

  • (2)保険商品等に関する相談等の受付件数は、個別取引・契約の結果に関する相談等が増加したことから、前期に比べて、やや増加(2,742件→2,977件)しています。事前相談の受付件数は、上記2,977件のうち1件となっています。

    要因別では、個別取引・契約の結果に関するものが1,416件(48%)(うち保険金の支払に関するもの1185件)、金融機関の態勢・各種事務手続に関するものが436件(15%)(うち保険金請求時等における保険会社の対応に関するもの276件)等となっています。

    業態別では、損害保険会社に関するものが1,588件(53%)、生命保険会社に関するものが651件(22%)となっています。

    なお、保険協会等の業界団体を紹介した相談等は703件ありました。

  • (3)投資商品等に関する相談等の受付件数は、前期の実績とほぼ同水準(2,626件→2,744件)となっています。事前相談の受付件数は、上記2,744件のうち331件となっています。

    要因別では、一般的な照会・質問に関するものが1,399件(51%)、個別取引・契約の結果に関するものが786件(29%)等となっています。

    業態別では、個別法人・団体に関するものが918件(33%)、証券会社(第一種業)に関するものが564件(21%)、登録詐称・無登録業者に関するものが53件(2%)、その他が1,209件(44%)となっています。

    商品別では、上場株式に関するものが507件(18%)、ファンドに関するものが284件(10%)、未公開株に関するものが264件(10%)、社債に関するものが244件(9%)、投資信託に関するものが157件(6%)等となっています。

    なお、証券業協会等の業界団体を紹介した相談等は89件ありました。

    また、詐欺的な投資勧誘に関するものが955件あり、そのうち373件が何らかの被害があったものとなっております。

    年齢がわかるもの(645件)のうち、70代が253件(39%)、60代が140件(22%)、80代以上が122件(19%)、と高齢者についての相談が大部分を占めております。(「詐欺的な投資勧誘に関する情報の受付状況」は、別紙1(別表)(PDF:64KB)をご参照ください。)

  • (4)貸金等に関する相談等の受付件数は、一般的な照会・質問等が増加したことから、前期に比べて、やや増加(738件→838件)となっています。事前相談の受付件数は、上記838件のうち33件となっています。

    838件のうち、一般的な照会・質問に関するものが413件(49%)、個別取引・契約の結果に関するものが111件(13%)等となっています。

    なお、貸金業協会等の業界団体を紹介した相談等は48件ありました。

  • (5)金融行政一般・その他に対する意見・要望等の受付件数453件のうち、一般的な照会・質問に関するものが62件(14%)、行政に対する要望等に関するものが26件(6%)等となっています。事前相談の受付件数は、上記453件のうち1件となっています。

  • (6)預金口座の不正利用に関する情報提供は71件寄せられています(金融庁及び全国の財務局等より金融機関及び警察当局への情報提供については、「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」をご参照ください)。

  • (7)貸し渋り・貸し剥がしに関する情報提供は、8件寄せられています。(「貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付・活用状況について」は、別紙2(PDF:192KB)をご参照ください。)

  • (8)金融円滑化ホットラインに寄せられた金融の円滑化に関する情報提供は6件となっています。(「金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付・活用状況について」は、別紙3(PDF:200KB)をご参照ください。)

  • (9)(7)の貸し渋り・貸し剥がしに関する情報及び(8)の金融円滑化ホットラインに寄せられた情報の受付件数の推移(再掲)については、別紙4(PDF:93KB)をご参照ください。

4.利用者から寄せられた相談等の活用状況

利用者の皆様から寄せられた相談等は、利用者全体の保護や利便性向上の観点から検査・監督上の参考として活用しています。

今期に受け付けた情報提供のうち、以下のものなどについて、金融機関等に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。

  • (1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

  • (2)預金取扱金融機関における不適切な顧客対応に関するもの

  • (3)預金取扱金融機関の融資業務における担保の取扱いに関するもの

  • (4)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしや貸出条件変更に関するもの

  • (5)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの

  • (6)保険会社の保険金等の支払いに関するもの

  • (7)保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、手続に関する不適切な案内・対応、不告知の教唆、無断契約、名義借り、保険料の立替等)に関するもの

  • (8)貸金業者による法令違反のおそれのある行為に関するもの

  • (9)貸金業者による顧客への不適切な説明に関するもの

  • (10)システム障害に関するもの

  • (11)無登録営業に関するもの

  • (12)金融商品取引業者の不適正な行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない等、無断売買、高齢者に対する不適正な勧誘)に関するもの

  • (13)金融商品取引業者によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢に関するもの

  • (14)いわゆる集団投資スキームを利用した法令違反のおそれのある行為に関するもの

また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ50口座の情報提供を行っています。

前期における情報の活用状況は以下のとおりです。

  • 監督において行った金融機関等に対するヒアリング等に際して、188の金融機関等については相談室に寄せられた情報を参考としています。

  • 金融庁が着手した金融機関等の検査等に際して、26の金融機関等については相談室に寄せられた情報を参考としています。

5.利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等

寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として公表しています。

今回、新たに追加する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」は、以下のとおりです。

投資商品等に関する相談事例及びアドバイス等

「未公開株式の取引に関する相談等」

【相談事例等(不適正な行為)】

  • 業者から、「過去に購入した未公開株を買い取って被害を回復してあげます。そのためには、新たに口座開設する必要があるため、コンビニのネットプリントサービスを利用して口座開設申込書を入手し、それに必要事項を記載の上FAXしてほしい。」との電話がありましたが、信用できるのでしょうか。

【アドバイス等】

  • 未公開株の買取業者・助言業者等を名乗る業者から、買取等の勧誘を受けた場合には、詐欺的な商法であると考え、一切関わりにならないようにして下さい。
  • 口座開設をした場合には、その後、業者からキャッシュカードなどを送付するように誘導されてその口座が犯罪等に利用される可能性があります。

今回、新たに追加するものを加えた以下の項目について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として公表していますので、こちらもご参照ください。


その他、金融庁のウェブサイト(「利用者の方へ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課金融サービス利用者相談室
(別紙2)
総務企画局政策課
検査局総務課
監督局総務課
(別紙3)
検査局総務課
監督局総務課
(別紙4)
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