金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」(第5回)議事録

1.日時:

平成24年10月19日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 共用第1特別会議室

○洲崎座長

ただいまより、保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ第5回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところ、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、後藤委員がご欠席となっております。

それでは、議事に移らせていただきます。本日は、前回のワーキング・グループの議題のうち、議論を行えなかった「募集・販売時規制の適用範囲」についてご議論をいただいた後、「利用者目線に立って必要な情報を提供する保険募集のあり方」について議論をしていきたいと思います。そのため、前回の事務局資料につきましても、席上にお配りしております。

それでは、前回議論を行えなかった「募集・販売時規制の適用範囲」についてご議論をいただく前に、少し皆様のご記憶を呼び起こしていただくためということもございまして、「募集・販売時規制の適用範囲」に関する前回資料について、もう一度事務局から簡単に説明をお願いします。

○伊野保険企画室長

それでは、資料右肩に資料4と打ってあります資料をごらんいただければと思います。第4回の資料2ということになります。11ページをお開きいただければと存じます。保険募集規制でございますが、法令上、保険募集は保険契約の締結の代理または媒介とされております。この保険募集に該当する場合は、募集人登録、募集に関する禁止行為、行政による検査、監督といった規制に服することになる一方、保険募集に該当しない場合は、こうした規制は適用されません。

法令上、募集の範囲につきましては、具体的な規定は設けられておりませんが、監督指針において、下にありますような保険契約の締結の勧誘、保険契約の締結の勧誘を目的とした保険商品の内容説明、保険契約の申込みの受領といったことが定められておりまして、このいずれかの業務を行う者については、登録が必要であるとされております。

登録の要否につきましては、次にありますような商品内容チラシの単なる配布ですとか、事務的な連絡の受付、事務手続等についての説明、説明会における一般的な保険商品の仕組み、活用法等についての説明といった行為のみを行う者は、基本的には登録は不要とされております。

12ページでございますが、業務のアウトソーシングに関してでございます。保険会社本体や保険代理店が、一般的な業務をアウトソーシングするケースが増加してきております。法令上は保険募集の再委託は原則禁止されている一方、保険募集に該当しない業務はアウトソーシングの制限はございません。保険会社がアウトソーシングを行う場合には、その業務の適切な運営を確保するための態勢整備が求められ、行政によるアウトソーシング先への報告徴求や立入検査の措置も講じられております。

保険会社以外の保険募集人が、保険募集に該当しない業務をアウトソーシングした場合につきましては、こうした規制は設けられていないという違いがございます。

少し飛びまして、15ページをごらんください。こうした保険募集の範囲、アウトソーシングに係る論点でございますが、近年、下にありますような保険比較サイト、コンサルティング、見込み客を保険募集人に紹介する行為といった行為があらわれてきております。こうした行為について、保険募集の規制を及ぼす必要があるかどうか、また、これらの行為のほかに考慮すべき顧客へのアプローチ手段はあるのかどうかといったことが、1つの論点になろうかと考えております。

例えば保険比較サイトですと、単に保険会社・保険募集人の提供する情報をそのまま転載するに留まる場合と、サイト運営者が自らの意思を表明、特定の商品の推奨といったことをする場合で違いはあるのかどうか。

コンサルティングでありますと、単なるコンサルティングにとどまる場合と、その後、特定の保険会社等に誘導する場合で違いがあるのかどうか。

見込み客を紹介する行為でありますと、単に保険会社・保険募集人に紹介する場合と、紹介を行う方が自分の意思を表明する場合で違いはあるのかどうかといったようなことが論点になろうかと考えております。

こうしたことを踏まえまして、保険募集に該当するか否かを、どういったメルクマールで判断すればいいのかということで、例えば、今述べましたような例のように、自らの意思の表明の有無、保険会社・保険募集人への誘導の有無といったことで違いを考えるのかどうか。また、上記のような行為を行うに際して、保険会社・保険募集人から手数料を得ているかどうかで違いを考えるのかどうか。手数料を得ていなくても、上記のような行為を行う者が資本関係や契約等により保険会社・保険募集人と密接な関係のある者である場合に違いはあるのかどうかといったようなことが考えられるかと思います。

16ページでございます。アウトソーシングに際して求められる措置についてでございますが、保険募集人について、保険募集に該当しない行為については自由にアウトソーシングを行うことが可能ですが、その際の募集人のアウトソーシング先に対する管理責任についてどう考えるのか。また、行政によるアウトソーシング先への報告徴求や立入検査といった権限について措置することについてどう考えるのか。また、保険募集に該当するか否かのメルクマールを考えるに際して、アウトソーシングに関連して特に留意すべき点はあるかといったことが論点として考えられるのではないかと考えております。

以上でございます。

○洲崎座長

ありがとうございました。

それでは、今ご説明いただいた前回資料2の10ページ以下、保険募集の範囲・その他の業務のアウトソーシングに係る規制について、ご質問、ご意見をお願いできればと思います。

水口委員。

○水口委員

保険募集の該当性についてなのですけれども、比較サイトなどを含めた保険商品の選択肢の選択方法の多様化というのは、利用者の利便に資する一面があると思いますが、その一方で、消費者の保護の観点から、こうした行為が保険募集に該当する場合には、その実態に即した適切な体制を整備することが必要ではないかと考えております。

こうした行為に関して、保険募集への該当性を判断するに際しては、さまざまな切り口が想定されますが、特定保険契約の締結に結びつけることへの明らかなインセンティブとなり得る成約比例報酬を保険会社などから受領しているということに主に焦点を当てて、総合的に判断して、該当性について判断するのが適切ではないかと思います。

また、つけ加えになりますけれども、これらの行為が関与して保険契約締結に結びつく際の、保険会社または実際に契約の締結にかかわる者の関与を含め、重要事項などの十分説明が行われることが担保されるような体制のあり方についても、留意する余地があるのではないかと考えております。

以上です。

○洲崎座長

神戸委員。

○神戸委員

前回の分の、乗合代理店と仲立人さんのところにも関わる話になってしまうのですが、実際に保険商品を顧客に対して説明して販売していくという一連の流れの中には、2つの大きな異なるステップがあると考えております。1つ目がニーズ喚起の部分に当たるプロセスで、その後、実際の商品説明という順番で進んでいくのが一般的なのかなと思います。

以前もお話ししましたが、金融商品というのは実物商品と違いまして形がなく、目に見えないものですので、視覚、触覚による情報というのがない。だからこそ人間が一番選びにくい商品の代表だと思うのですが、結果としてブランドで選ばれている方が多いのではないかと思っています。あと、自分では良し悪しがよくわからないので、他人の評価を当てにしたいという人も多いでしょう。購入時点では良し悪しの判断がしにくく、しばらくたった後で、ほんとうに良かったのか必要だったのかがわかる商品です。保険に入ってよかったなというのは、おそらく亡くなったときとか、病気になったときでしょうから、加入時点では選びにくいということになるのだと思います。そうなると、ニーズ喚起のプロセスでお客さん側にバイアスとか誤認が生じてしまっていますと、後々の商品選択にたいへん大きな影響が出ると思います。

前回でご説明があったトラブルが起こっているケースの中で、例えば金融機関で買ったのにというケースについては、その部分が大変大きいのではないか。銀行が取扱う商品だからという、銀行のブランドイメージと先入観によるバイアスがかかった中で、後々の誤認が生じてしまっているというようなケースは多いと思います。乗合代理店さんの販売プロセスの中では、その部分に当たるのが、いわゆる中立公平という表現なのではないかと思います。

いろいろな保険会社からの距離が等距離という形で中立という言葉が使われていると思うのですが、販売行為がスタートする時点で中立公平というのをお客さんがどういうふうに受け取っているかといいますと、実際弊社で対応しているお客さんの話を伺っていると、お客さんと保険会社の間で中立公平なのだろうと、思っている方もおられます。

それに加えて、各保険会社から中立なのだと明示して販売する場合でも、中立公平なのだという先入観を持った上で話を聞くと、ベストアドバイスをしてくれているという、そういう認識をしてしまうというのが実際ではないかと思います。

今日はちょっと乗合代理店さんの協会の方はお見えになっていないのですが、ベストアドバイス義務を裏づけとして中立公平だということを標榜するのは問題ないと思うのですが、その義務がない中で、中立公平と標榜してしまうのは少々まずいと思います。現実問題として、例えばコミッション以外に乗合代理店ですと、いわゆるインセンティブとかボーナスという形で、別に手数料が入ってまいります。もしも手数料を開示する義務があったとしても、その保険に対するコミッションが実際幾らになったかというのは出しにくいという事情もあります。保険会社によっても、あるいは代理店によってもこのインセンティブ部分はかなり違いますので、支払われる手数料のトータル金額が保険代理店によって異なってきてしまうという状況です。おそらく保険会社さんの事業費に占めるコミッションの比率が幾らになっているかわからない中では、実質的な手数料を開示しにくいのではないかということもあるので、中立公平という言葉が持つ力で、ニーズ喚起段階においてバイアスや誤認が生じてしまうと、修正が困難ではないかと思うわけです。後々、顧客が意思決定をする上で与える影響が決して小さくないということがありますので、今回の議論でも、例えばインターネットによる紹介や評価というものも同様の観点から判断する必要があると思います。販売に応じて対価を得ている中でバイアスや誤認を与えかねないものに関しては、何らかの規制がやはり必要になると思います。

その後の商品説明から実際に販売に至るまでの間は、ここは事業者によるさまざまな創意工夫が行われております。実際それらの創意工夫はあった方がよいと思いますので、少なくとも商品内容を正しく伝える、必知事項はこれとこれだよ、特に大きいのは保険金の支払いの要件だと思いますが、そららをきちんと伝える方法さえ決めておけば、あとの進め方についてはあまり規制にはそぐわないのかなと感じています。こういう手順で、こういうふうに説明しないとだめよという規則は商品説明以降はちょっと難しいのかなと思います。

以上が私の意見ですが、実際、仲立人さんの協会にお聞きしたいことがあります。今回代理店の兼営を求めておられるわけですが、前回の議事の中で乗合代理店の協会の方に、なんで仲立人にならなかったのかというような質問が出たと思うのですが、仲立人であるメリットについてのことです。

○洲崎座長

ちょっとよろしいですか。

仲立人にしろ、代理店にしろ、それらはいずれにしろ登録を受けて保険募集をする者の話で、既に保険業法によって規律されているものが、今後どうなるかという話だと思いますが、今日の「保険募集の範囲・その他の業務のアウトソーシングに係る規制」というのは、現時点ではそうではない人について今後どういう規制をかけるべきかという話ですので、そちらについて焦点を絞ってお話をいただければありがたいです。

○神戸委員

はい、わかりました。では、先ほどの紹介等、あるいはインターネットなどによる顧客指導に関しましては、販売プロセスの最初のニーズ喚起という部分に、どの程度まで関わっているのか、顧客の判断にバイアスを与えていないかというところを見て判断する必要があり、販売に応じて対価を得ている場合には実際には商品の販売プロセスの一翼を担ってしまっていると考えられ、何らかの規制が必要なケースもあるのではないかと考えます。

以上です。

○洲崎座長

阿部委員。

○阿部委員

保険募集の概念を、今の法令上の規定をそのままにした上で、第4回の資料2の15ページにあるような類型について網をかぶせていくというのは、かなり無理があると思いますので、場合によっては保険募集の前の段階の、保険商品の情報提供とか説明等に対する新たな既成概念を設けてはどうかと思います。

当然保険募集よりは緩やかな規制になると思いますが、募集の前段階の一定の類型を考えて、新たな枠組みをつくったほうが、今後、これら以外にもいろいろなアウトソーシングの手法が生まれ、またそれに伴ってさまざまな支障が出てくることに対する対応が可能だと思います。

保険募集の網を広げるということでは、どうしても境目やグレーゾーンにおいて、潜脱行為が出てきますので、保険募集の前段階で何らかの形の行為規制を考えて、緩やかな規制を考えてはどうでしょうか。

○洲崎座長

錦野委員。

○錦野委員

保険募集概念というのは、理論上は明確なほうが私はいいと思うのですけれども、やはり保険代理店、保険募集人の監督を行っていくに当たって、どうしても不明確にならざるを得ない部分があると思うのです。それで今は事務局の資料の11ページにあるような総合判断的な判断がなされているのだと思います。

私もこれについていろいろ考えたりしたこともあるのですけれども、やはりポイントは保険商品の内容の説明をしているかどうか、それが1つの大きなポイントではないかと。結局そういう保険商品の内容を説明するというのは、一定の能力がある人ではないと、非常に危険性がある、間違って説明をしてしまう、大まかに言えば、そういうリスクがありますので、そこがやはり募集人に登録を必要とする大きな要因ではないか。

もう一つは、やはり保険会社への紹介というか、誘導というか、そういうものがあるかどうか。保険商品の内容の説明をしても、例えば雑誌で保険商品の内容を説明していて、何ら保険会社に対して誘導を行わないというのは、保険募集ではないことは多分明白だと思います。

その2つの大きな要素を考えれば、ほとんどの事案というのは解決できると私は考えております。例えば、資料5なのですけれども、保険課が出されている資料5の3ページ、4ページ、5ページにかけて具体的な事例があるのですけれども、こういうものが多分実務上なかなか判断が難しいというものだと思うのですが、具体的な事例(1)というのは、これは商品内容の説明をしているかどうかで、けりがつく問題ではないかなと思います。コンビニのほうが商品内容の説明をしていないのであれば、保険募集ではないし、しているのであれば保険募集に当たりますという事例ではないかと思います。

ところが、具体的な事例(2)というのが非常に難しくて、おそらくこれは、いわゆるインターネットのアフィリエイトとして行われていることだと思うのですけれども、その中では商品内容の説明をしているわけです。しかも、一定の保険代理店ですとか、保険会社への誘導というのも行っているという、これが非常に難しくて、保険商品の内容の説明をしていないとも言えないし、保険会社への誘導をしていないとも言えないし、かといって一方では週刊誌などで保険の特集みたいなのをしているのに、保険会社が広告を載せている、そういうものもあると思います。あれを保険募集と言うかというと、私は言わないと思うのです。仮にそれで広告の手数料が成約数とかにリンクしていたとしても、そんなのあるのかないのかわかりませんけど、仮にしていたとしても保険募集とは言わないような気がするのです。

ですから、それとの切り分けというのは非常に難しくて、私が申し上げたような保険商品の内容の説明をしているかどうか、あるいは一定の保険会社への誘導があるかどうかというのは、なかなか判断がつきにくい。

こういうものについては、どうしても今の中で判断していくとすれば、わかりにくいのですけれども、説明の程度とか、あるいは手数料の体系とかで判断していかざるを得ないのかなと思います。

あと、紹介者に対する規制というのは、規制の必要性の観点から考えればいいことではないか、結論を出せばいいことかなと思っておりますが、私が1つ懸念をしておりますのは、やはり現状、保険業法300条1項6号で、誤解させるおそれのある比較情報の提供というのが禁止されていることもあって、保険業法の監督下にある保険会社ですとか、保険代理店からの比較情報の提供が非常に促進されていないという現状がある中で、監督対象以外の人からの比較情報に顧客が頼らざるを得ない状況があるのではないのかと。

それを、例えば紹介者ということで規制のもとにおいて、300条1項6号のような規制、誤解させるおそれのない比較情報の提供というのを求めるようにしますと、より一層、顧客のもとに入る比較情報の提供というのが少なくなるのではないかということを少し心配しております。

以上でございます。

○洲崎座長

加藤委員。

○加藤委員

錦野先生のご意見に私も近いのですが、お話を聞いていますと、募集という概念に、消費者がどの商品を選ぶかに影響を与える一切の行為が入ってしまいます。募集の概念を拡張していきますと、雑誌による商品の紹介。もしくは、友人に対し、私はこの保険に入っていて、これがいいと思うよという個人的アドバイス。募集ではないと常識的には考えられるものの、購買行動に影響を与えるという意味では募集に関連する行為にまで、保険業法における募集という規制の網をかけるというのは、行き過ぎではないかと思います。

実際、消費者が怒っている事案というのは、商品概要、契約概要の説明がきちんとできていなかった、もしくは注意喚起情報の説明がきちんとできていなかったということだと思います。募集というのは、この契約概要並びに注意喚起情報をきちんと説明をするというところを概念の中核と捉えるべきであって、一切何でも、どの商品を選ぶかに影響する全てのことに対して網をかけるというのは、行き過ぎではないかと思います。

尚、誤解を与えるような情報を提供してもいいのかという議論は別途ありますので、そこは、例えば阿部委員がおっしゃったように、契約募集もしくは登録をするという規制の範囲ではなく、契約募集とは違う規制の枠組みで考えたほうがよろしいのではないのかと思います。

以上です。

○洲崎座長

丹野委員。

○丹野委員

今回のこの募集の範囲の問題は、いわゆる消費者トラブルのほうから眺めると、道筋をつけると皆様先ほどからおっしゃっている、道筋をつけるとか誘導するというレベルでは非常に問題なのかと思いますけれども、商品の内容を説明するとか、そういう商品の内容を説明して契約締結の行為を行うという本筋の募集の話と、多少レベル感が違うのかなという気がしております。

ですから、先ほどの錦野先生のお話やら、ほかの委員の先生のお話やらありましたけれども、募集という締結までに至るまでの商品内容を説明するところから始まって、顧客のニーズを適切に把握するという意味の募集の範囲には、やっぱりそれははめるのは無理なのではないのかなと。

ただし、とは言いながら、保険というものの持っている性質上、先ほど神戸委員がおっしゃいましたけれども、どういうものに入ったらいいか全くわからないでいる消費者の立場から言うと、ある意味、道筋をつけられるときに最初に間違ってしまうと、不適切な商品を選択する可能性があるという意味では、道筋のところの誘導ですか、そういうところの部分については、目に余るような行為が結局行われているから、今ここで審議がされているのだと思うので、そこの部分に対しては何らかの手を打つのがよろしいのかなと意見を持っております。

○洲崎座長

いろいろご意見をいただきましたけれども、ご意見を聞けば聞くほど、難しいなという感想を持たざるを得ません。

阿部委員。

○阿部委員

やや曖昧な言い方をしたので、もう少しはっきり申し上げますと、要は、15ページにあるような行為の中で、深刻な問題が生じているものがあるので、何らかの形で規制をかけたいという意図があるということかと存じます。現状としては、保険業法や金商法にかからないので金融庁には対応手段がない。もちろん、消費者庁とか消セン等は対応されると思うのですが、もっと直接に金融庁の監督業種の網に、こういうものがかかってくるような仕組みをつくればいいのですから、そのために保険募集の概念を無理に拡張する必要はなく、新たに保険商品の説明提供等について、何らかの規制概念をつくって、それで保険業法等の中に位置づければいいだけの話だと思います。

だから、保険募集の概念を拡張したり、今の文言の解釈を無理に網を広げたりといった対応では、やはり何らかの抜け道ができてしまうのではないでしょうか。それならばむしろ保険募集の前段階の行為というものをはっきりと規定して、そこに金融庁の監督行政が及ぶような仕組みにすればいいのではないかと思います。

○洲崎座長

保険募集の前段階の行為を、例えば準保険募集と位置づけて何か規律をするとして、監督法においては、その業者を登録とか認可を受けさせた上で、行政的な規律を及ぼすというのが基本だと思うのですけれども、現在のように保険募集人がやっている保険募集よりも前の段階でそれを捉えるとしても、やはり登録とかをさせて、金融庁としては準保険募集という行為をやる者としてこういう人がいるということを把握した上で監督するという仕方しかないのかなと思いますが。

○阿部委員

当然業者登録は必要だと思いますが、その業者登録を前提に、何か不都合なことがあったときにチェックができる手段があればいいので、業者登録した上で保険募集と同様な厳しい行為準則等を設ける必要はないと考えます。

○洲崎座長

ご意見、よくわかりました。要するに、保険募集概念で捉える必要はないけれども、業者登録という保険監督法の規律は同じように及ぼすべきであるというご意見でございますね。どうもありがとうございます。

山下委員。

○山下委員

そういう方向も1つの考えられる方向だと思うのですが、そのときに、正しく情報提供すること自体を1つの規制するビジネスの対象として考えて、その情報の提供の仕方について何らか監督をするというのはなかなか難しいと思うのと、例えば情報を提供するについて何らかの能力を要求するかいうあたりに、なかなか難しい問題があるし、それから一番問題なのは、一見公平中立的な情報を提供しながら、裏でお金のやりとりがある、このあたりを情報提供する新しいビジネスを規制業種としてつくるとして、そのあたり、お金のやりとりは、保険の締結に関連してお金のやりとりは禁止して、情報提供料だけを取ることしか認めないというところまで進むのかという、かなりややこしい問題があるように思います。実際、裏でお金がやりとりされるというのは、結局保険会社あるいは保険募集人の業務との関連で、そういうことが出てくるわけだから、むしろそちらのほうから監督の仕方を考えるという方向性もあり得るようにも思われ、難しい問題が、どちらにしてもあるのかなという感想です。

○洲崎座長

家森委員。

○家森委員

また教えていただきたいのですけれども、現状、こういう比較サイトであるとか、コンサルティングという会社は規制をされていないというか、金融庁の網の目にかかっておらず、私にはわからないのですけれども、ここで大きな問題が現実に起こっていたとして、それにはどういうふうに対応されるのでしょうか。

また、どういう類いの問題を想定されているのでしょうか。例えばある比較サイトを見て、ほんとうは担保されていないようなリスクについて、担保されているように書いていたので、それで申し込んだが、事故が起こってから、比較サイトに書いていたけれどもと保険会社に言っても、保険会社が相手にしてくれないというような、そういうようなトラブルなのでしょうか。もう少し具体的に教えていただけますか。

○小原保険課長

例えば、正規の代理店が紹介代理店というものを用いて、紹介をしてもらったら紹介料をあげるというようなケースがあったとして、紹介代理店が代理店が説明する場に立ち会っているというようなケースが、例えばございます。

その場合に、私どもがどう考えるかというと、今の法制上、法令違反ということが言えるためには、その紹介代理店が実際に商品説明をその場でしているかどうかということが言えるかどうかというのは非常に重要なキーになってきますが、なかなかそれを検証するのは難しいということがございます。

実際に報酬体系がどうなっているのかというのは、代理店側から情報は取ることができますけれども、代理店の委託先である紹介代理店からは取ることができない。紹介代理店の中に、例えばトークスクリプトのようなビジネス用の教材のようなものがあれば、かなり有力な証跡にはなるのですけれども、そちらに対して報告徴求ですとか検査ですとかは、する権限が与えられていないということですので、仮にそういうようなケースがあったとして、法令違反ということで私どもがそれを指摘するなり、そういうことがなかなか難しいかなと思っております。

一方で、その代理店に対して、例えば保険会社に求められているような体制整備義務というのがはっきりと書いてないものですから、そういう無登録募集につながるような行為を防止するための体制整備義務違反だと指摘することも、なかなか難しいというような状況になることはありがちであると思います。

○洲崎座長

家森委員のご質問は、現実にそのような、つまり比較サイト等で間違った情報が提供されて、それを信じて、もちろん保険会社や保険募集人から、その後保険契約を締結するときに説明は受けるけれども、しかし最初のネット上の情報でこの保険に入ったらこのリスクはカバーしてもらえるという先入観ができあがり、そのまま契約を締結してしまったために、結局その人が本来カバーしてほしいリスクがカバーできていなかったという、そういう事例というのはたくさん出てきているのか、ということかと思います。

○小原保険課長

実際にそのような募集かどうか疑わしいような行為によって顧客に損失が出て、顧客から苦情が来たというものは、私自身は把握しておりませんし、おそらく非常に少ないのではないかと思います。

○洲崎座長

家森委員。

○家森委員

仮にそういう事例があったとして、その場合には、当然代理店はもう一度、このリスクはカバーしませんということを一から説明されているわけですよね。それを、例えばアフィリエイトでやってきたので、そういうところは全部飛ばして締結しましたといったら、それは代理店の落ち度になるので、代理店のところ、あるいは保険会社のところできちんと説明されていれば、問題はないような気がします。つまり、代理店のところで、やっぱり説明不足だという問題に尽きるということではないのかという点なのですけれども。

○小原保険課長

すみません、我々はそういう無登録募集なりを問題視するのは、まさにおっしゃるように正規の代理店なり募集人から正しい商品説明が行われて、それを顧客が理解することの妨げになるおそれがあるという観点から、それを問題視するというのが一番の理由だと思います。

○洲崎座長

保険会社や代理店は、なすべき説明をすれば、それで責任を問われることはないですが、しかし顧客側には現実に被害は生ずる可能性があるのです。募集人ではない人の説明を受けて、これが保険募集人の説明だと誤解する可能性はあるのです。

正規の保険募集人から、その後説明を受けたとしても、いやもうわかっているからいいよと、これ以上聞きたくはないというような形で、そこでの説明が顧客の頭の中に入らずに保険契約の締結に至ってしまうということはあるので、現実にそういう被害が出てきているというデータはないにしても、将来的にそういうことが起こる可能性はあるとは思います。

保険の場合は、そういう被害が出てくるのは先々になる、契約を締結した時点ではすぐにはわからないということも多いと思います。

水口委員。

○水口委員

皆さんのご意見をいろいろ伺って、1つのアプローチとして、募集人ということではなくて、準募集行為みたいな形で立場を明示し、登録、身分開示とかを求め、例えば、取次人といったカテゴリーを新しくつくったとすると、取次人が一定程度の商品説明を行う可能性は非常に高いと漠然と思っております。そうしたとき、先ほど申し上げたように、契約者が商品説明を含めた重要事項の説明をきちっと受けられるプロセスが担保されているのか、誰かが説明したはずだろうというポテンヒット的な状況も含め、消費者が保険商品を正しく理解しないままに契約締結に至ってしまうリスクが排除されるのかという懸念を持っております。こうした懸念に対応する何らかの措置が取られるべきではないかと言った問題意識でお話をさせていただいた次第でした。

○洲崎座長

丹野委員。

○丹野委員

先ほど保険課長からご説明いただいた無登録募集という話ですが、無登録募集だと、ある意味とても規律は簡単で、要は、募集人でない者が募集行為を行いましたという話だったら、それは保険業法違反でしょうという話になるのではないかなと実に単純に思っていまして。

そうではなくて、募集までは至らないのだけれども、例えばネットで保険のホームページがあって、そこにアクセスすると、いろいろな自分のデータなんか入れてしまって、保険に関心があるということがわかったら、その保険に関心のある人のリストという見込み客リストみたいなものを、例えば代理店に売られて、代理店がその人に対して積極的にアプローチして、そこはそこでちゃんと保険の募集をきちんとして入るというのが、普通。今ここで問題にされている、そこの募集の前段階の部分が問題視されているのかと思って、実は先ほど来発言をしていたのですが、明らかにきちんと商品の説明に類するようなことをしてということであれば、それは無登録募集という話になるのかなと思っていて。ここに出ているのは、そこまでには至らない、そこまでとは評価できないけれども、その前の段階で顧客を誘引する行為を行っている者をどうしようかなという話なのかなと思って議論に参加をしていたので、そこはもう1回教えていただきたいことだと思います。

一番問題になるのは、例えばさっき私がネットの話をしましたけれども、その見込み客を、例えば代理店に教えるみたいなサイトがあって、そこも結局社会の公益的なためにそのことをやっているわけではなくて、結局は代理店とひもがついていて、そこからお金をもらう。代理店は成約に至れば、結局保険会社からお金をもらう。とどのつまりは保険会社がずっとひもがついてきて、ここでお金を払ってしまうみたいなことになると、そういう行為が行われたところにお金を払ってしまうというのは、つまり保険契約者の、いわば資産を使うということになって、そこが全体から見て、何となくフェアでないように見えるということなのかなと思っているのですけれども、そうではないのですか。

○小原保険課長

ご趣旨を理解していないかもしれませんが、私が前回説明させていただいたのは、まさに無登録募集に該当するかどうかの判断が難しいということでございます。

○丹野委員

そこが難しいということ。はい。

○洲崎座長

商品説明はしているけれども、しかし保険契約が締結されることに向けた強い努力はしていない。説明はしているが、いわゆる媒介行為といわれる行為はないようなケースというのは、やっぱり難しい。保険募集と言えるかというのは、難しいかなと思うのです。

ただ、説明をするとともに保険会社のバナーを張りつけて誘導し、実際誘導された保険契約者が成約に至れば、それに対応する報酬を受け取るということをしている場合には、かなり媒介行為との境界線というものが曖昧になると思いますので、まさにそういうあたりを保険募集として捉えるべきなのかどうなのかというところが非常に難しいのではないかと思います。

それでは、米山委員と錦野委員、お二人が挙手されていますが、米山委員のほうが先に挙手されていましたので。

○米山委員

ありがとうございます。

今までのお話を聞いていて、確かに募集を販売の行為から定義するのはかなり難しくて、ここからは無登録募集であり、ここからは無登録ではないというのは、行為の内容から区別するのは難しいなと思いました。

ただし、ちょっと話が前後しますけれども、文言上の問題というのはやっぱりあって、公平中立とか、商品を誤認させるような文言上の問題は、募集かどうかを問わず、まずいのではないかと思います。

話は戻ります。先ほど山下先生から言われたように、お金の流れからある程度定義することは可能ではないかと思っています。多分、山下先生のおっしゃりたいことと、重なっているかもわかりませんけれども、代理店が自分の通常の手数料の範囲でアウトソーシングしてやる分には、何ら問題はないと思うのです。ところが、合理的な通常の手数料を超えた特別な手数料の提供を受けて、それを紹介料なり、その他の販売促進活動に費やすとしましたら、保険の商品構造からいきますと、プライシングにかかわってくることだと思います。また、そういったことによって募集のインセンティブとか、募集行為に深くかかわっていると、お金の流れから言えるのではないかと思います。今までどちらかというと行為の内容、これはとても重要ですけれども、行為の内容からどう定義するかということだったのですけれども、お金の流れから定義するということ、これを法律で定義するのは難しいかもしれませんが、この問題にアプローチするときに、1つのお金の流れからも考えていくとよろしいのではないかと思った次第です。

○洲崎座長

今言われた、代理店の通常の手数料の範囲内かどうかというのは、そこで言う手数料というのは。

○米山委員

理論的に言えば、付加保険料のうちの経費保険料部分です。

○洲崎座長

つまり、保険会社から代理店が受けている手数料ということですか。

○米山委員

保険会社がプライシングするときに。通常の経費として保険料を上乗せした部分です。

○洲崎座長

その一部を、紹介者に支払うということですか。例えば、自分は下請をいっぱい使う、自分は実質的に保険募集はしないという場合…。

○米山委員

そういうイメージをしています。

○洲崎座長

ただ、そうすると、その手数料の範囲内でやっているけれども、実際には紹介する代理店が実質的には募集するということもあり得るわけですね。

○米山委員

そういう場合もありましょうし、その一部をそちらに紹介という形で、紹介料として使うということもあると思うのですけれども。

○洲崎座長

紹介料として使われるカネが、保険会社から1個の契約についてやってくる本来の手数料の一部であったとしても……。

○米山委員

何ら問題はないと。

○洲崎座長

しかし、そうすると、それは紹介代理店が実は保険募集をしているということになり得ます。そうすると、それは無登録募集になってしまうのではないかなと。

○米山委員

それは内容のほうから見ると、そういう定義ができますし、お金の流れからも、両方からやっぱり見ていくべきではないかなと。

ただ、山下先生が言われたように、お金の流れは見えるわけではないので、ここでもって規制をかけるという話ではなくて、この問題を考えるときの理論的な前提として、そういうアプローチも必要かなと思った次第です。

○洲崎座長

錦野委員。

○錦野委員

今までの皆さんのお話を聞いていて、やはり保険募集という概念、どこに境界線があるかは非常に難しい、そこに悩みがあるというのはよく理解できまして、その難しい問題を、どちらかと言えばクリアするために、紹介行為に規制をかけようというお話もあったと思うのです。

一方で、例えば地域金融機関、地方銀行ですとか、あるいは主要行、保険会社もそうなのですけれども、その他の付随業務として顧客紹介業務、ビジネスマッチング業務を行うことが監督指針において認められています。それはやはり金融機関に求められているコンサルティング機能ですとか、あるいは金融機関の収益力の強化というものが目指されて、金融庁がおそらくそういうものを推進していこうと考えていらっしゃるのだと思います。

ですから、手数料をもらって、顧客に対していい会社を紹介するというのは、決して悪いことではなくて、むしろ顧客の利便性に合致するという面もあることは忘れてはならない。それを対価を得てやることというのも、別に否定されるべきことではないと思うのです。

ですから、例えば地域金融機関、地方銀行が顧客が何らかのニーズを持っている場合に、ある会社を紹介するのは許される。例えばある証券会社を紹介するのは許されるという場合に、保険についてニーズがある人に保険会社を紹介するのが、その義務の程度にもよるのですけれども、なかなかそれが難しいようなことになれば、何かそういう精神というか、趣旨に反するような気がしまして、ちょっと紹介行為全般に一定の規制をかけるというのには、むしろビジネスマッチング業務などが、少し保険の分野についてはブレーキがかかってしまう、そういうところに少し懸念を抱いております。

○洲崎座長

家森委員。

○家森委員

もうちょっと教えてください。例えば保険会社が直接アフィリエイトというところとの間で協定を結んでいたとすると、これはこの12ページの、保険会社から第三者なので、そのアフィリエイトの人を金融庁は直接監視監督できるということでしょうか。

もしそうだとしたら、今の問題の1つは、代理店の先をきちんと監督すればということで言うと、図の下のほうの代理店から第三者に行くところが、今は監督監視の目が届かないということで、同じアフィリエイトでも、そういう違いが現状あると理解してよろしいでしょうか。

○伊野保険企画室長

ご指摘のとおりでございます。

○洲崎座長

吉野会長から一言コメントがございます。

○吉野会長

少し大きなコメントなのですけれども、やっぱり一番いい金融商品、保険商品を紹介した、あるいは商品をつくった、そういう商品が一番売れるのが一番いいことなわけですけれども、それができないのが、1つは情報の非対称性というか、情報が伝えにくいということがあるので、何か今日のご議論を聞いていますと、代理店が頑張れば、何でも売れると、だからそこをいかに規制すればいいかという議論で、本来保険業がやらなくてはいけないのは、消費者に合った最もいい商品を開発して、それが誰でもわかって、その商品が売れるということが日本の保険業を強くするのだと思うのですけれども、そうではないところで何か一生懸命競争して、こちょこちょ手数料でやるというのは、本来の保険業の競争力にならないような気がしまして。

ですから、もう一つ考えなくてはいけないのは、やっぱりどういう形で情報の非対称性を減らして、保険業自身がいい商品をもっとつくって、消費者のニーズに合った商品をつくって、それがアジアや世界で売れる商品にならないといけないのですけれども、ですから、やっぱりそういうところの構造が少しないといけないかなと1つ思います。

それから2番目は、誰から手数料を取るかということなのですけれども、格付機関の問題が起こったときに、格付機関というのは格付けされる企業からお金を取っているのであって、投資家から取るのではなくて、ああいう問題が起こってきたわけですけれども、現在の保険商品も、保険を売るときの募集人の方は保険会社から手数料を取っていて、それを購入する利用者から取っているわけでないわけですから、やっぱり格付けと同じように、大きな構造的な問題を抱えていますので、おそらく保険募集とか代理店のところでいろいろ手数料の規制をやっていくとしても、同じ問題がずっと続く限り、これは永遠にしょっちゅういろいろなやり方が出てくれば法律を改正しなくてはならないとなるのではないかなという、ちょっと大きなコメントなのですが。

○洲崎座長

どうもありがとうございました。

それでは、時間のことがございますので、本日もともと予定しておりました議題のほうに移りたいと思います。

それでは、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。

○伊野保険企画室長

それでは、資料1-1をごらんいただければと存じます。保険募集に係る行為規制・募集文書に係る規制についてでございます。まず、保険募集に関する行為規制・募集文書の構成・趣旨といったものでございますが、現行、保険業法において、保険募集にかかる行為規制は、いわゆる禁止行為と保険会社の体制整備義務で構成されておりまして、他の金融関連法令にある情報提供や狭義の適合性原則等の積極的行為義務は規定されておりません。

禁止行為につきましては、下にございますが、保険契約者等の保護の観点から、保険募集の公正を確保するため、保険契約の締結や保険募集に関して、保険会社等や保険募集をする者が顧客等に対して一定の行為をすること、又はしないことが禁止されております。その中で、例えば、虚偽のことを告げ、又は保険契約の重要な事項を告げない行為が禁止されております。

その趣旨でございますが、保険商品は目に見えず、一般には内容の理解が容易ではないことから、顧客に対して正確かつ十分な説明が不可欠である。したがって、いわゆる不実告知と重要事実の不告知は、保険契約者等の保護の観点から極めて重要な禁止行為であるとされております。

顧客に説明するべき重要な事項に関しましては、監督指針におきまして、顧客が保険商品の内容を理解するために必要な情報、「契約概要」といっております、また保険会社等が顧客に対して注意喚起すべき情報、これは「注意喚起情報」といっておりますが、これに分類して、それぞれ記載するべき事項ですとか、記載情報、記載方法等が明確化されております。

ページをおめくりいただきまして、業務運営に関する措置でございます。保険会社は、重要な事項の顧客への説明、顧客に関する情報の適正な取扱い、業務を第三者に委託する場合における当該業務の的確な遂行、その他の保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならないとされております。

これを受けまして、施行規則及び監督指針において、以下のような顧客に対する重要事項の説明を確保するための体制整備義務。また顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的を踏まえた重要な事項の顧客への説明、その他健全かつ適切な業務運営を確保するための措置に関する社内規則を策定し、研修の実施等により当該社内規則等に基づいて業務が運営されるための体制を整備する義務、これは広義の適合性原則と考えております。

また、当該体制整備義務に基づく「意向確認書面」の導入といった措置を講じなければならないとされております。

3ページに、参考1として載せておりますが、他法との関係で、どういった義務規定、行為規制が保険業法であるのかということでございますが、真ん中にあります、先ほど申しました体制整備義務と禁止行為につきましては、銀行法、金商法ともに同じく業態並びで全て入っておるということでございますが、積極的な情報提供義務については、保険業法には規定されておりません。

狭義の適合性原則につきましては、金商法に規定があるという状況でございます。

次に、4ページからは、これまでの関連する議論について整理したものでございます。まず、保険の基本問題に関するワーキング・グループ、3年前におまとめいただいております中間論点整理でございます。時間の関係で説明は省かせていただきたいと思いますが、その中間論点整理では、情報提供義務、適合性の原則、募集文書、募集コスト開示といった関連するところについて、ここに載せておりますような内容のことが取りまとめいただいております。

5ページの真ん中から6ページにかけましては、これまで当ワーキング・グループでご議論いただいたものを簡単にまとめさせていただいております。内容は省略をさせていただきたいと存じます。

7ページに移らせていただきますが、以上のようなことを踏まえまして、簡単に論点を整理させていただいております。まず、保険募集に関する行為規制のあり方についてでございますが、現行の保険業法につきましては、先ほど申しましたように、募集に関するルールは体制整備義務及び禁止行為のみで規定されておりますが、他の金融関連法令と同様に、情報提供義務ですとか、適合性原則といったような義務を明示的に導入することについて、どのように考えるのか。

仮に、そのような義務を導入する場合には、どのような内容の義務を導入すべきか。また、その際に留意すべき点はあるのかといったことが論点になろうかと考えております。

下の米印1つ目でございますが、仮に、情報提供義務を積極的規制として導入する場合には、どのような者にどのような情報を提供する必要があるのかといったことが論点になろうかと考えております。

おめくりいただきまして、8ページでございますが、募集文書のあり方についてでございます。現在、監督指針で規定されている「契約概要」、「注意喚起情報」、「意向確認書面」、先ほど少し説明させていただきましたが、そういったものを法令で明示的に規定することについて、どのように考えるのか。

「契約概要」、「注意喚起書面」等の募集文書の内容・使用方法等について、顧客にとって分かりやすい説明を実現する観点から見直すべき点はあるのか。また、募集に当たって顧客に開示すべき事項に追加すべきものはあるのか。

「意向確認書面」の内容・使用方法につきましては、顧客のニーズに合致した保険販売を推進する観点から見直すべき点はあるのかどうか。前回、国民生活センターの方からご説明いただいたときには、どういうタイミングで使うのかといったようなことも、今後検討してほしいというご指摘がございました。

次に、募集文書の作成義務を法令化する場合には、金融商品取引法と同様に、顧客保護上問題ない場合、例えば保険金の額を増減するような一部変更のような場合には、明示的に当該義務の免除を認めることについてどう考えるのか。その他、募集文書について見直すべき点はあるのかといったようなことが論点になろうかと存じます。

9ページ、10ページでは、今出てまいりました「契約概要」、「注意喚起情報」、「意向確認書面」といったものが監督指針でどういったものを記載してくださいということにしているのかといったものについて、ご参考につけております。

すみません、ちょっと時間の関係で雑駁に説明してしまいましたが、私からは以上でございます。

○洲崎座長

それでは、続きまして、本議題に関しまして、オブザーバーの皆様よりご説明いただきたいと思います。

それでは、梅﨑様からお願いいたします。

○梅﨑オブザーバー

明治安田生命の梅﨑でございます。本日は、生命保険の募集文書について、というテーマを頂戴いたしましたので、弊社における実例を中心に、お配りしております資料に沿ってご説明申し上げます。

それでは、1枚めくっていただきまして、まず1ページでございます。生命保険の募集の全体像をこのページで俯瞰していただくために、第1回のワーキング・グループで私から報告いたしました際の資料と同じものを、再度こちらに掲載してあります。資料の下のほうに記されておりますけれども、生命保険には生活保障機能、ニーズの潜在性、再加入困難性、長期性などの特性がございます。これらの特性を踏まえて、現行の実務では資料の上段に記されているとおり、それぞれの募集プロセスに適した文書を用いて、お客様のニーズを十分に把握した上で、丁寧なコンサルティングセールスに取り組んでいるところでございます。

また、これから詳しく説明申し上げますが、資料の中ほどに記されています契約概要、注意喚起情報、意向確認書面につきましては、金融庁に設置された検討チームにおけるご議論を踏まえて、平成18年から19年にかけて導入されたものです。現在は、これらの文書を用いた保険募集ルールが整備され、その枠組みのもとで各社において体制整備が行われているという状況でございます。

それでは、次のページをお願いします。このページでは、募集プロセスの一連の流れの中で、どのような文書を、どのような目的で使用しているかということについて、弊社の例をもとに一覧にまとめたものでございます。ここでは特に弊社の営業職員による一般的な募集のケースを想定してご説明申し上げます。

まず各種アンケートを用いた情報収集というプロセスからスタートするわけですけれども、ニーズ喚起を行って、保険に関する情報を提供し、保険の設計書を用いた提案のプロセスに至るというのが通常の募集の流れになります。この提案のプロセスにつきましては、1回の提案だけでそのまま申し込み手続に至るということは少なく、お客様のご意向やニーズの確認を丁寧に繰り返しながら、複数回の面談を経て提案を重ねていくというケースが一般的でございます。

また、このようにお客様との面談を繰り返しながら、ある程度ご意向がはっきりしてから申し込み手続前というところの欄にあります重要事項の説明と意向確認のプロセスに移ることになります。

この申し込み手続前のプロセスにつきましては、まず特に重要なお知らせを用いて、お客様に対して注意喚起すべき事項をご提供いたしております。あわせて保険契約に関する意向確認書を用いて、お申し込みになる商品がお客様のニーズに合致していることを最終的にご確認いただくという手続をとっております。

その後、申込書にご記入いただいて、告知・診査、成立というプロセスに至りますが、その際に使用する文書は、資料掲載のとおりです。

本日は、この資料の網かけ部分になりますけれども、募集の核となる、提案時から申し込み手続前に至るプロセスについてご説明いたします。次のページをお願いいたします。まずニーズ喚起のプロセスについてご説明いたします。ニーズ喚起のプロセスにつきましては、お客様のニーズに合致した保険商品を提供するという観点から、非常に重要なプロセスでございます。そのため、各保険会社では創意工夫を凝らしてお客様のニーズを的確に捉えるためのさまざまな取り組みを行っております。

このページでは、その一例として弊社における「3ステップ活動」によるコンサルティングの取り組みについてご説明申し上げます。弊社の行いましたマーケティング調査の結果によりますと、お客様は社会保障制度を含めた総合的なアドバイスや、人生設計に関するニーズを加味した提案を強く要望されているということが明らかになりました。こうしたお客様の声を踏まえて、この「3ステップ活動」を導入いたしております。「3ステップ活動」とは、こちらに記載されているとおり、リスクに対する社会保障制度の説明を行うステップ1、必要保障額の説明を通じたお客様のニーズのご確認をするステップ2、それからご要望に沿った複数の設計プランのご提案をするステップ3という、3つのステップを経たコンサルティングのことでございます。現在この活動を募集の際の標準的な活動と位置づけております。弊社では、この活動を通じて、生命保険ご加入時の納得感や満足感の向上に取り組んでいるところでございます。

次のページをお願いいたします。次に、提案時のプロセスについてご説明いたします。前のページでご説明いたしましたステップ3の部分に当たりますけれども、複数の設計プランをご提案する際は、弊社では保険設計書を用いて説明をいたしております。その際に保険設計書の中に組み込まれております契約概要を、お客様にご説明するという実務になっております。この契約概要とは、お客様が保険商品を理解するために必要な情報として監督指針により作成・交付が義務づけられている文書でございます。

契約概要の記載事項につきましては、こちらの資料に記載のとおりでございます。商品の仕組み、主な支払事由、担保内容の制限など、保険商品を理解するために必要不可欠な情報が記載されております。

次のページをお願いいたします。次に申し込み手続前のプロセスの1つ目として、特に重要なお知らせ(注意喚起情報)についてご説明いたします。注意喚起情報は、お客様に対して注意喚起すべき情報として監督指針によって作成・交付が義務づけられている文書でございます。弊社ではこの注意喚起情報を特に重要なお知らせ(注意喚起情報)というタイトルの文書として作成・交付いたしております。

注意喚起情報に記載されている事項は、こちらの資料に記載のとおりでございますが、クーリング・オフ制度、告知義務、保障の責任開始など、ご契約の申し込み手続を行っていただく前に、特に注意していただくことが必要と考えられる事項を記載しております。

なお、資料の米印の1のところに記載しておりますが、弊社ではこの注意喚起情報を「ご契約のしおり定款・約款」の冊子と一体化しております。これは注意喚起情報にご契約のしおりの該当ページを記載することによって、参照性を向上させるということに加えまして、ご契約のしおりと重複する記載を削除することによって、注意喚起情報の分量を削減し、簡素化を図るという趣旨に基づいた対応でございます。

次のページをお願いいたします。次に、申し込み手続前のプロセスの2つ目といたしまして、意向確認についてご説明申し上げます。申し込み手続前のプロセスにつきましては、先ほどご説明いたしました注意喚起情報による重要事項の説明に加えて、お申し込みいただく保険商品がお客様のニーズに合致しているかどうかを、申込書にご記入いただく前に一たん立ちどまって、最終的に確認いただいております。そのために用いる書面として作成しておりますのが、保険契約に関する意向確認書でございます。

具体的には、資料に記載されている事項につきまして、お客様にご確認いただいておりますが、「はい」「いいえ」という形でチェック欄に記載いただき、最後にご署名をいただくという対応をとっております。

冒頭ご説明申し上げましたが、生命保険については、お客様のニーズが潜在的であるという特性があります。募集のプロセスにおいて、お客様とやりとりすることによって具体的なニーズが形成され、固まってくるということになります。そのような生命保険募集の特性に鑑み、この意向確認書は募集プロセスの最終段階で、お客様が申し込もうとしている商品がご自分の意向に沿ったものなのかどうか、改めてご確認をいただくための文書という位置づけでございます。

以上、募集プロセスに応じた一連の文書について、その概要をご説明申し上げました。

次のページをお願いいたします。ここからはわかりやすい募集文書の実現に向けた取り組みということについてご説明申し上げます。契約概要、注意喚起情報などの書面につきましては、業界の自主ガイドラインに基づいた業界共通の取り組みに加えて、各社はその創意工夫によって書面の見やすさや、わかりやすさの向上に努めているところでございます。

このページでは弊社の募集文書改善の取り組みについて、その一例を記載しております。また、わかりやすい約款の作成にも取り組んでおりまして、具体的には、専門用語を平易な言葉に言いかえたり、備考欄を充実することなどによって、本文の簡素化を図ったり、あるいは図表や箇条書きを活用することなどによって、約款の平明化に努めているところでございます。

このような個別の取り組みとともに、弊社ではお客様の声を経営に活かす取り組みとして、こちらの資料記載のような仕組みを構築し、継続的な業務の改善に取り組んでいるところでございます。

次のページをお願いします。次に、わかりやすい募集文書の実現に向けた業界の取り組みについてご説明申し上げます。生命保険協会では、各種自主ガイドラインにつきまして会員各社の取り組み状況を確認するアンケートを毎年実施いたしております。このアンケートの結果は、会員各社にフィードバックしておりますけれども、これにより好取り組み事例を各社で共有化することによって、各社のPDCAのサイクルを後押しするという仕組みを構築いたしております。

こちらの資料には、直近のアンケート結果に基づいて、各社で共有した募集文書に関する好取り組み事例を記載しております。これらの好取り組み事例につきましては、生保協会のホームページや、SR報告書においても公表いたしております。

それでは次のページをお願いいたします。最後になりますけれども、生保業界ではわかりやすい募集文書の実現に向けた取り組みとして、適切なタイミングで過不足のない情報を提供するとともに、募集文書等のわかりやすさを同時に追求する努力を行ってまいりました。今後も消費者の声をはじめ、外部からの貴重なご指摘、ご提言を真摯に受けとめながら、各社においてPDCAサイクルに基づく改善の取り組みを継続してまいりたいと思っております。

また、近年の高齢化の進展に伴い、生命保険会社には高齢者の特性に配慮した対応が、これまで以上に求められてくるものと認識しております。生保協会としては、今年度、高齢者の方々に対するサービスにつきましても、会員各社の創意工夫による好取り組み事例を業界内で共有化するとともに、課題を整理して各社の取り組みの後押しなどを行うことにしております。

資料に関するご説明は以上でございますけれども、最後に、今後の協会としての対応の方向性について、一言申し上げさせていただきます。先般の本ワーキング・グループでもご意見を賜りましたけれども、現在、実務において定着しております契約概要、それから注意喚起情報などの募集文書に関しては、情報量が増加傾向でございまして、簡素化やわかりやすさの観点から見直しを図る余地があるのではないかというご意見があることは十分承知いたしております。

そこで、生保業界といたしましては、本ワーキング・グループの議論の方向性を見据えつつ、委員の皆様の問題認識なども踏まえて、業界としての課題分析を、ワーキング・グループと並行して行ってまいりたいと思っております。

また、生命保険商品の特性を踏まえて、外部の有識者の方からご意見をお伺いしながら、簡素化やわかりやすさの観点から、各社の創意工夫を促すための取り組みについても、準備を今、開始いたしております。

以上をもちまして、私からの報告を終わりにします。ありがとうございました。

○洲崎座長

ありがとうございました。

それでは、続きまして村田様よろしくお願いいたします。

○村田オブザーバー

それでは、引き続きまして損害保険業界の説明をさせていただきます。資料の1ページには、第1回会合の資料を掲載しています。損害保険にはさまざまな商品があり、また企業の契約と個人の契約の違いもあります関係で、募集時の説明は一様ではありませんし、流れもさまざまです。本日は、お手元の資料に従いまして、この場面設定にありますように、代理店が個人のお客様に自動車保険などの典型的な保険商品を新規にご加入いただく場合という設定のもと、日本損害保険協会の募集コンプライアンスガイドに沿って説明をいたします。

2ページをご覧ください。初めてのお客様にお会いしましたら、常識的な挨拶に続いて、まずは代理店の権限について告げることになります。

3ページをご覧ください。続いて、ご説明する保険を紹介します。自動車保険や火災保険の場合は、通常はお客様にあらかじめ明確な保険ニーズがあり、これに対応してお勧めしますので、代理店が取り扱っている商品について、そのポイントを説明することから始めることになります。そうでない商品をお勧めする場合には、トーク例のようにリスクを思い浮かべていただいてから商品を紹介するステップに進むことになります。いずれの場合であっても、提示した保険がニーズに沿ったものであるということをご理解いただいて、次のステップに進みます。この最初のステップでは、パンフレットやチラシを使うことが有効ですので、特に典型的な商品では、そのような形で行われております。

4ページをご覧ください。続きまして、契約に先立って重要事項を説明します。契約概要と注意喚起情報があり、契約概要では補償の内容や保険料に関する重要な事項について説明をします。注意喚起情報では保険金をお支払いしない事由の主なもののほか、クーリングオフ、ADR制度、セーフティーネットなどについても説明をします。

これらを記載した書面をお渡しした上で、最低限、特に重要な事項が記載されているために必ず読んでくださいということと、注意喚起情報については、お客様のデメリットになり得る情報があるので、特に念入りにお読みいただきたいということを必ずお伝えします。

5ページをご覧ください。そうしますと、お客様の質問やご要望、理解レベルに応じた説明などに移ります。資料にありますように、この場合はどうか、というご質問があれば、それについてお答えしますし、時間がないのでまた後日という場合には、続きの説明は持ち越しになります。ここでは、新規のご加入という場面設定をしましたけれども、更改の契約の場合は、もう知っているからいい、ということになる場合もあろうかと思いますので、商品のやさしさ、難しさ、あるいは知識、理解のレベルに応じてケース・バイ・ケースの対応が生じます。

6ページをご覧ください。ここまでの説明を経て、お客様にご納得いただきましたら、申込書を作成します。自動車保険であれば、お客様の住所、氏名のほか、車についての情報や、車を運転される方の範囲、家族限定とか年齢、これは年齢条件の関係がありますので、生年月日を伺って記入します。昨今は、あらかじめ車の情報等をお尋ねしておいて、幾つかのパターンの契約条件をプレプリントした申込書をお客様のところへお持ちして、それで契約をいただくということも広く行われております。私どもの会社の場合ですと、こちらのパターンのほうがマジョリティーです。

また、代理店の事務所にお越しいただいた場合などパソコンを使える環境であったり、モバイルパソコンで申し込みができる会社の場合は、そういったものを用いてご契約手続をしていただくということもあります。

7ページをご覧ください。完成した申込書をお見せしながら、保険の対象や保険金額などの契約条件を確認していただきます。上限が幾らだとか、車両保険がついているかなどです。保険金が支払われるかどうかに関係する事項は特に重要です。自動車保険であれば、運転する方の範囲、先ほど申し上げた家族限定や年齢条件、あるいは車両保険が単独事故も補償するタイプか車対車の事故だけかとかいった点を、特に注意をして見ていただきます。火災保険であれば、お住まいの保険金額が幾らであるか、幾らとすることが妥当かとか、地震保険に入るかどうかといった点を、改めて確認いただくことになります。

8ページをご覧ください。告知に関する事項もお伝えします。現在、保険法のもとでは、申込書にお書きいただいたことが告知事項ですので、その確認をすることになります。9ページをご覧ください。こうした確認を経て、申込書にお客様の署名をいただくという手順になります。

10ページをご覧ください。最後に、申込書の写しをお客様に交付をしまして、保険料を現金でいただく場合は、お金をいただいて領収書をお渡しすることになります。

11ページをご覧ください。制度のあり方について、若干申し述べたいと思います。以上、個人のお客様に自動車保険等にご加入いただく場合を想定した説明をさせていただきましたが、これはあくまで1つの標準形であって、実際には新規契約と継続契約の別、対面と非対面の別などによって、お客様が必要とされる説明はさまざまです。

損保は通常1年契約ですが、新規の際と全く同じ説明に毎年おつき合いいただく必要があるかと言えば、それはおそらくないものと思いますし、商品が簡単なものであれば、説明は短いものになります。

本日は紹介しておりませんが、下の枠囲いの中に示しましたように、企業のお客様の場合は、業種や企業規模、商品の性質、それから専門性とか、そういったことで多様性の幅がさらに大きくなり、まさに千差万別になろうと思います。

最後の12ページでございます。私ども損害保険協会も、募集時の説明の実態やお客様の声を踏まえて、外部専門家のノウハウや意見を取り入れながら、わかりやすい募集文書、わかりやすい説明を実現するための検討を現在行っております。大幅に簡素化できないかという観点でも検討しております。

その関連で、もう一言申し上げます。9月27日の資料2に引用されていた、最新保険業法の解説の記述にもございますように、保険募集や説明に関する規制は、保険契約者が正しい理解に基づく適切な判断ができるよう、適正な説明等がなされるためにあるということです。お客様の正しい理解という目的のために、一律の内容を義務づけるという方法も考えられるかもしれないのですが、ただいま申し上げたように、募集時の説明は極めて多様ということもあり、こうしたことに鑑みれば、業界の自主的な取り組みの内容や、その結果を踏まえてご検討いただくことが、より目的に資するのではないかと考えております。一律の情報提供を法的に義務づけますと、どうしても肥大化してしまうという傾向が避けがたいと思います。一方で、ほんとうに必要な情報、あるいは、よく理解をしておられる方にも重ねてお伝えしなければならない情報は必ずしも多くないということも考え合わせますと、よりよく理解いただくための自主的な努力を促進するような制度のほうが望ましいと思っております。

以上でございます。ありがとうございました。

○洲崎座長

どうもありがとうございました。

ただいま事務局からは保険募集に関する行為規制の問題と、それから募集文書の問題、大きく2つの問題についてご説明をいただき、またその後、生命保険協会と日本損害保険協会からは、主として募集文書について、現在の実務についてご説明をいただきました。この後、ご質問、ご意見を賜りたいと思いますが、事務局の説明では一応資料の7ページと8ページで行為規制のあり方の問題と、募集文書のあり方の問題、2つに分けて説明しておられますので、両者関連する問題ではありますけれども、主として前者の行為規制のあり方について、ご質問、ご意見を賜ればと思います。

水口委員。

○水口委員

保険業法でも監督指針によって規定されている体制整備義務や禁止行為について、整理を行った上で、保険業法において他の金融関連法令と同様に情報提供義務を明示的に導入することについては、特段違和感はありません。

一方で、消費者保護の観点から問題のない範囲で、契約者への周知徹底も含めて、費用対効果などの観点から商品の特性を踏まえた一定の配慮がなされてきた結果、現在の保険業法、監督指針の形となっていると認識しております。

ですから、その認識が大きく変わらないのであれば、こうした配慮を継承することも考察に値するのではないかと思っております。例えば、団体保険の取り扱いは、こうした配慮の例かもしれないとは思っているのですけれども、これはどういった背景でこうした取り扱いになっているのか、資料に記載されていましたが特段ご説明がなかったものですから、ご説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

○伊野保険企画室長

団体保険につきましては、いろいろな形態の団体保険があろうかと思いますけれども、例えば、職場であれば職場が契約者として、被保険者は各個人個人が契約をするという関係になっておりますので、その場合、職場で職員が入るということですので、通常金融庁の例でいきますと、概要を書いた書類が配られて、さらに詳しく聞きたい人は保険会社の方から説明が受けられますので言ってくださいとなっていて、自分で書類を見ながら入るということかと思います。その場合に、実際は職場という中の世界で、職場の人がある程度責任を持って選んでいるところに、一々細かい対面での説明や、さらに詳しく書いてあるような文書がなければいけないのかというと、多分そうではないと思われますし、そういう場合にきっちりとした手続きが必要なのかというと、そうではないと思われます。

あと、よくあるケースですと、イベントが行われる際や、例えばスキー場とかで、そのスキー場が一般的な団体保険として、不特定多数の方が来てお使いになっているけれども、けがをされたら、そのイベントをしている人として何がしかの補償をするというようなケースがあります。そのときに、被保険者となる不特定多数の方に説明しなければいけないということになってしまうと、一々保険料も払っていなくて、自分がその保険に入っていることすら知らない方に、一々書面を渡すのかというと、そういうことにもなりませんので、そういった実務を考えると、実際そこまでやるのかということまで規制で求めるのはどうかということがありますので、そういったところについては、まさに水口委員がおっしゃった費用対効果から考えて、必要ないのではないかということで外しているという趣旨でございます。

○水口委員

ありがとうございました。

○洲崎座長

阿部委員。

○阿部委員

資料1-1の7ページについてですが、今、法律あるいは政令にないからといって、こういう趣旨の規定がないわけではなく、監督指針なり規則なりにあるわけです。それを法律あるいは政令に移すことによって、レベルが変わるのでしょうか。それから次に意見ですが、仮に、団体保険とか、特に損保の企業向けの保険等は非常に千差万別です。そういうものを法令で一律に規定することが意味があるのでしょうか。これはかなり疑問に思います。

○洲崎座長

よろしいですか。

○阿部委員

レベルが違うのでしょうか。

○伊野保険企画室長

実際どうなのかといわれますと、監督指針というのは性格的には法令レベルで決まっていることを、より具体的に書いているということではございますので、仮にそれを法令レベルに書いたから、実際の検査、監督の場面で何か大きな差が生じるのかといわれますと、多分そんなに差は、正直起きないのかなとは思います。

ただ一方で、行政がそこのところを監督指針で明確化するという形がいいのかどうかという根本的な議論があろうかと思います。本来しっかりと決められることについては、法令で透明性をもってしっかりと規定するほうがいいという一般的なご意見もあろうかと思いますので、そういったことを考えて、どう考えるのかということではないかと思います。

実際上、大きな差があるかと言われれば、実際の運用においては、それほど大きな差がないというのが実態ではないかと考えております。

○洲崎座長

加藤委員。

○加藤委員

事務局に提示いただいた資料の3ページ。保険業法、銀行法、金融商品取引法と並べ、積極的な情報提供義務において、保険業法のところだけバツというのは非常にわかりやすい。しかし、まずは質問ですが、銀行法というのは銀行が提供する全ての商品に対して積極的な情報提供義務がかかる、つまり業態としての規制なのでしょうか。それとも、この第12条の2の対象範囲は預金等という、銀行の中でも、ある一定の商品群に対してかかっている規制なのでしょうか。業態として積極的な情報提供義務という規制なのか、一定の商品群を対象にした規制なのか、ぜひ教えていただきたいというのが1点目です。

2点目は、質問というより意見ですが、保険においては、業態として積極的な情報提供義務を課すというのは難しい。なぜなら、団体保険、自動車保険、変額年金、もしくは一時払い終身ですとか、相当に性格の違うものがまじっています。商品や販売方法の違いを区別せず、一律に積極的な情報提供義務を課すのは非常に難しいのではないかと思います。後段は意見でございます。

○伊野保険企画室長

まさにご指摘がありました12条の2というところに規定がございます。ここにありますように、預金又は定期積金等の受入れに関し、預金者等の保護に資するためということで情報提供義務がございますので、銀行法について詳しくはございませんが、基本的にはお金を受け入れる場面で、お金を預かるという場面で説明をしっかりとしてくださいということだと考えております。金商法も基本的には投資をしてもらうときに、その商品等についてしっかり説明をするということですので、基本的にはお金を受け入れる、投資をするという、お金が動く場面での説明義務ということではないかと存じます。

○洲崎座長

ただいまの話ですが、銀行法12条の2は、銀行が契約の当事者になっている預金契約等について、つまり自分でつくっている製品を売る場合に、メーカーとして商品内容を説明する、多分そういう規定です。銀行が登録金融機関や、あるいは保険代理店として売る場合は、それぞれ金商法や保険業法に基づく義務は負うということだろうと思います。

保険業法については、まさに保険会社が保険契約の製造者、メーカーであるのだけれども、保険会社について、自分の商品についてちゃんと説明しなさいという規定がないと言えばないのです。逆に、重要な事項を説明せずに売ってはいけませんという300条の規定、つまりこういうことをせずに売ってはいけませんという、裏側から定めたようなルールはあるのですけれども、むしろそれを正面から、こういうことを説明をしなさいよという規定を置いてはどうか、そのようなルールを導入すべきかどうかを検討してくださいということだろうと思います。

○加藤委員

私の理解不足かもしれないですが、銀行業においては、自分が製造したもの全てに規制がかかっていると捉えたらいいのか。だとすると、それは業態への規制ということだと思います。ですが、例えば貸し付けですとか、自分が製造しているものでも、ある商品においては当該の規制がないのではないか。だとするとある一定の商品群に対してかかっている規制なのか、ということを理解させていただきたいと思います。

○伊野保険企画室長

基本的にはお金を受け入れるという場面での説明義務ということだと。

○洲崎座長

すみません、私がきちんと説明しておりませんでした。「預金又は定期積金等の受入れに関し」となっています。それに関し、内閣府令で定めるところにより、預金等に係る契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならないということでございます。

沖野委員。

○沖野委員

積極的な情報提供義務の点なのですけれども、3ページの図表を見ますと、一覧で大変わかりやすくなっております。ただ、座長がご指摘になりましたように、現在、積極的な情報提供義務が課されていないのかと言えば、形の上では禁止行為になっておりますけれども、契約内容の重要な事項を告げないことが禁止されているということは、告げろといっているということですので、これは積極的な情報提供義務の実質を持っているのだと思います。

ただ、効果がそれぞれどういうことになってくるのかという面の違いはあるかもしれません。このように実質においては、告げないことが禁止されるということは、きちんと告げなければいけないということではあるのですけれども、対象が契約条項の重要な事項ということになっております。ご指摘のあった銀行法の12条の2ですと、預金または定期積金等の受け入れに関してということではありますけれども、契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供という形になっておりますので、契約条項のうちの重要な事項だけではなくて、もう少し幅広くその契約の仕組みや、自分のニーズに合っているか等々の判断のために、まさに必要とされる事項、それがどこまでかというのは具体化していく必要があると思いますけれども、そのぐらいの範囲に広げ、かつ、反対から書くよりは、やはり情報提供の義務があるということを打ち出すという基本的な姿勢が重要だと思われますし、預金と比べましても、普通の預金と保険とだと、どちらが情報が必要かといえば、それは保険ではないかと思われますので、制度間のアンバランスということもあると思います。

もっとも、その内容をどうするか、保険ごとの具体的な注意事項が必要ではないか。例えば今挙がった団体保険などということですが、それはおそらく法律そのもののレベルというよりは、一段下のところで具体化をしていくという事項なのではないかと思います。

ですので、保険業法の中で、いわれるような形での導入は推し進める方向でやるべきではないかと思います。

以上です。

○洲崎座長

もう一つ補足をさせていただきますと、保険業法300条1項1号で、今、沖野委員がおっしゃいましたように、「保険契約者又は被保険者に対して、虚偽のことを告げ、又は保険契約の契約条項のうち重要な事項を告げない行為」、こういう行為をしてはならないと書いてあるのですけれども、これに反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金という、かなり思い刑罰がついてくるのです。

ですから、この「重要な事項を告げない行為」を、広く、緩やかに解するというのは、なかなか難しいという問題がございます。これはそもそもこの規定の前身が、募取法、保険募集の取締に関する法律という、まさに不正な保険募集を取り締まるという、戦後の混乱期のいろいろおかしなことがいっぱいあった時期に、まさに取り締まるためにつくられた法律でして、それを平成7年の保険業法改正のときに、保険募集の取締に関する法律で定められていたことを、そのまま保険業法で引き取ったんですけれども、この部分は旧態依然といいますか、戦後の混乱期にできた法律の骨組みがそのまま残ってしまっているということで、そのために現代の保険業のあり方からすると、多少古くなってしまっているところはあるのかなという気がいたします。

山下委員。

○山下委員

私も大分古い人間になりましたが、そういう歴史的なことがあったわけです。1995年の業法改正のときは、今、洲崎座長がおっしゃったように、この情報提供に関するあたりは、旧募取法をそのまま引き継いだというか、あまりそこは検討が行われなませんで、当時は保険仲立人の導入をどうするかで大騒ぎでした。また、あわせて95年改正に至る当時というのは、まだ広い意味での金融商品に関して情報提供を義務づけるという、そこら辺の発想があまり本格的には出てこない時代だったのだろうと思います。その後徐々にバブルの崩壊で、変額保険や証券などいろいろな事故があり、そのトラブルの解決の過程で、やはり情報提供の義務づけが必要という中で、100条の2の体制整備というやや間接的な方法を使って、いろいろな義務を導入してきたという経緯かと思います。

そういう経緯ですので、古い規制をそのまま応用しつつ、かつ、建て増しのような形で複雑な体系となってきて、監督指針で契約概要等を導入したときも、これは当時、積極的に情報提供する部分は300条に根拠づけざるを得ないということでしたが、ほんとうにそうなのですかという議論をしたのですが、ようやく今そこら辺を根本的に見直すタイミングがきたのかなというところではないかと思います。

○洲崎座長

錦野委員。

○錦野委員

私、事務局資料の8ページの、「契約概要」、「注意喚起情報」を法令で明示的に規定することについてというところは賛成でございます。内容は、今の実務で行われている、例えば団体保険については団体から行われる情報提供でもいいと思いますし、あるいは企業保険について、今は契約概要の交付は求めていないのですけれども、それを求めろというようなことをいうつもりもないのですが、やはり保険業法の美しさという点、今の山下先生のお話もそういう面もあるのかもしれませんけれども、そういう面からもきちんと法律で契約概要、注意喚起情報というものを規定すべきではないかと考えております。

例えば、金融商品取引法とかにも、契約締結前交付書面という37条の3に規定されておりまして、まねができる条文がほかにもたくさんありますし、そういうものを導入してはどうかと考えております。

あと、積極的な情報提供義務。今でも300条1項1号は、重要事項説明義務といわれているぐらいですから。ただ、やはり前向き感というのは積極的情報提供義務にするとあるのでしょうかね。それは私も賛成です。

それと、もう一つ。金融商品取引法制の中の、顧客の知識、経験、財産状況とか取引目的に照らした実質的な説明義務、顧客に理解されるために必要な方法、程度による説明を求める、そういう説明義務というのも、保険についても設けてはよいのではないかと考えております。

以上でございます。

○洲崎座長

丹野委員。

○丹野委員

私も、積極的な情報提供義務の、「積極的な」という形容詞句が要るのか要らないのかよくわからない。これがあると、ほかのとどう違うのかよくわからないんですけれども、とりあえず今でも300条で禁止行為と置かれているものを、スタンダードに、普通に直して、義務がありますよと振っても、そういうことがやっぱり顧客利益だと思いますので、そこは非常によろしいのではないのかなという気はいたします。

ただ、8ページに書かれているように、「契約概要」、「注意喚起情報」、「意向確認書面」を法令で明示的に規定することについて、どう考えるか。事実上これも監督指針で置かれているので、これが法令上に入ったことによって、中身についてどうのという話になるのかどうかよくわからないんです。ただ、情報提供義務、いわゆる説明義務と、それから適合性原則というのは、2つあわさって顧客に正しい理解と、それからニーズにあった保険を提供するということの行為を両方で支えるものだと思っているので、そのこと自体はよろしいのではないかと思うんですけれども、1つだけ心配があります。「契約概要」、「注意喚起情報」、「意向確認書面」を法律で明示的に規定するというところの、適合性原則ですから意向確認書面の話になるんだろうと思うんですけれども、こういう法令できちんと定められることによって、役割がはっきりするのはいいんだけれども、例えばそのことによって、何か顧客にとっては負担感が増すとか、そういうことがあっては困るなと。情報提供義務の話もそうですが、契約概要と注意喚起情報と今やっているものが、この間プレゼンのときに申し上げましたようにボリュームがあふれていて、非常に負担になっている、事実上形骸化していて、つくられる保険会社も大変だろうし、説明する募集人にとっては、実はそこはスルーされてしまう可能性が非常に高くて、理解する顧客にとっても非常に困難だというようなことを申し上げたんですが、そういう話を申し上げている立場からいうと、情報提供義務とここにこう書かれることによって、すごくボリュームが増えてしまっては、アブ蜂取らずというところがございまして、議論を分けてやらなければいけないとさっき座長がおっしゃったにもかかわらずですが、法的に定めることによって、ややもするとボリュームアップのほうに行くのであれば、それは違うのではないかと思っていまして、本来、顧客に理解できるレベルのボリューム、理解できるレベルの内容でなくてはいけない。つまり簡素にするべきだと言っているので、そこの部分との関係で、手厚い方向に向かわれると、それは議論は違うのではないかと思っております。

○洲崎座長

神戸委員。

○神戸委員

先ほど吉野教授がおっしゃったとおり、保険商品は情報の非対称性がとても大きな商品だと感じています。弊社はいろいろな、できる限り多くの保険会社さんの代理店でありたいと考えておりますが、それは一般の生活者と代理店では、入ってくる情報がかなり違うという現実があるからです。代理店になることによって、初めてよりよい商品をお客さんにご提供できるようなところが現実にあります。ですから、積極的に情報を提供するべき義務というのが、今まで逆に決められていなかったほうが不自然ということを感じますので、情報提供義務を明示していないのは、よろしくないと思います。できれば義務であることを明示して、できるだけ情報の非対称性をなくすということで、取り組んだほうがよいという意見です。

○洲崎座長

米山委員。

○米山委員

先ほどの丹野委員の意見と重なっているかもわかりませんけれども、積極的な情報提供義務の規定は確かに重要だと思うんですけれども、それとその内容を何にするかというのは、別に考えるべきだと思います。

といいますのは、保険契約にとって、一番大事な肝の部分というのは、複雑な商品内容をいかに効率的に消費者に伝えるかということなので、もし、法令化することによって、効率的になるというのだったら、それがいいと思います。一方で現状では、監督指針で原則のようなものが示されて、それに基づいて各社が先ほどのご報告のようにいろいろ工夫されてやっているわけです。その中で、特に問題がないのだったら、内容に関してなぜ契約概要とか、注意喚起情報とか、意向確認書面を法律に書き込む必然性があるか。これはちょっと私には疑問です。

繰り返しになるかもわかりませんけれども、法律にしたことによって、形式に走ったり、画一化したりという弊害があるのではないかと懸念します。もし法制化する場合には、複雑な商品内容をどのように効率的に伝えるかという本来の目的を明確にした上で制度設計していただくように、ぜひ、よろしくお願いいたします。

○洲崎座長

阿部委員。

○阿部委員

募集文書の法令化ということであれば、例えば今、監督指針で書いている内容をそのまま法律にするのであれば、非常に重たくなって、かえってわかりにくいものになりかねません。また、法律にしてしまうと迅速に改定することもできなくなります。もう一つ、やはり団体契約とか企業向けについては、かなりオーダーメードのところがあって、一律に法律で書かれても、そのとおりにはできない、ならないものがたくさん出てくるのではないかと思います。仮に法律にかかわるとしても、そういうものについてかなり広範な適用除外を置かなければいけないとすれば、結局法律に書く意味があまりわからないということになります。現状の監督指針で、中身の議論を批判されてもするということは当然だと思うんですけれども、形式的にそれを法律にすればしっかりできるのかというと、かえってがんじがらめになって扱いにくくなるだけではないかと思います。

○洲崎座長

既に募集文書のあり方のほうにも議論は移っておりますので、それも含めて、ご意見、ご質問をいただければと思います。家森委員。

○家森委員

今、米山先生がおっしゃったことに近いんですけれども、今日、業界の方々からご説明を聞いていると、問題の起こりそうにない商品説明をされているなとすぐわかるわけです。今日議論しているような法律を新たにつくっても、それは今の実務に、新たに何かを追加するのではなくて、多分、おそらく今までどおりやられていても、全部新しい法に沿っているのだろうと思うんです。それでは、今、問題が起こっているんだとすると、法律上の整備をすることはわかりましたけれども、米山先生がおっしゃるように実質上の課題として、何も解決できないのではないかという心配を多少持ちます。

今日のお話を聞いていて思うのですが、今問題が起こっているとすれば、上からはちゃんと指導しているけれども、実際には現場のインセンティブが欠けているのではと思うんです。現場の人たちがちゃんと説明をしないで、後でトラブルが起こったときに、ペナルティーというんですか、明確な業法違反はともかくとして、顧客との間にトラブルが起こると、多分いろいろ会社の中で対応されると思うんですけれども、現場が正しい情報を正確に伝えたいという枠組みをつくることが一番大事ではないのかなと思うんです。

ちなみに少しお尋ねしたいんですけれども、これは業法違反ではないような、でもお客さんから説明上のトラブルが出てきたときに、現場に対してどういう対応をされるのかという点を少し教えてください。それが生ぬるいと現場の人が手を抜くかもしれないと思うからです。

○洲崎座長

明確な保険業法違反とは会社としては考えていないけれども、しかし苦情等がお客さんから来たような場合、そのようなケースの対処方法ということでよろしいですか。

○家森委員

はい。

○洲崎座長

いかがでしょうか。はい。

○梅﨑オブザーバー

我々としては、例えばの例で申し上げますと、説明が不十分で、苦情に至って、お客様のご契約をなかったものにしなければいけないとか、そういうことになれば当然、該当の営業職員は処分の対象になりまして、譴責処分とか、そういった処分は当然行いますので、そういったものはやっております。ということで、質問の趣旨はそれでよろしゅうございますか。

○洲崎座長

それは会社としても説明が不十分であった、場合によっては300条1項1号の重要事項の説明がなかったと判断され得るような、そういう場合ということですかね。

○梅﨑オブザーバー

はい。

○家森委員

そのときは、結局、売り手としては売ったら手数料が入ってくるわけですから、どんどん売りたい。これは犯罪の経済学の話ですけれども、期待ペナルティーが小さいと、どんどんむちゃにやっていってしまう傾向がある。ペナルティーがきちんとされていれば、そういうことが抑制できるのではないかという観点でお尋ねをしたのです。

○村田オブザーバー

損保です。

○洲崎座長

はい、損害保険についてお願いします。

○村田オブザーバー

募集に関する苦情、トラブルは、応対がよくないといったものを別にしますとあまりなくて、基本的には、説明で問題になるのは、保険金が払える、払えないという点であり、事故が起きて初めて「聞いてなかった」という形でトラブルになります。決められた書面を、決められたルールどおり渡すことも大事ですけれども、いま申し上げた問題は、募集文書等を不断に改善していくことと、募集人の皆さんがトレーニングを積んでコミュニケーション能力を上げていくことによってしか解消できないと思っています。書面を渡せば法令上はOKであったとしても、そのお客様がどういうニーズを持って、何を感じていて、自動車なり火災なり、どんな顕在化したニーズを持っているのかを、コミュニケーションを通じて把握して、正しい条件を説明する、疑問に答えるということができていないと、事故があったときに、理解と違っていた、聞いてなかったという事態は防げないと思います。募集のときに明らかな業法違反、つまり情報提供を全くしていないというトラブルが顕在化することはほとんどなく、事故の局面で初めて聞いていなかったというトラブルになって顕在化してくる。それは、悪意で告げなかったとか、手数料欲しさで説明しなかったということが原因になっているのではなくて、やはり相手が持っているニーズ、リスクに関する情報をちゃんと聞きとって、必要なことを説明し、提供することができていなかった結果だろうと思います。つまり、説明の実質の問題であって、これを渡せばいいという形式の問題ではないと思っているということを、ご理解いただきたいと思います。

○洲崎座長

米山委員。

○米山委員

関連してご質問があるんですけれども、こういった契約内容等を法制化したほうがいい条件というのを考えてみました。その条件とは、企業に改善するモチベーションが全くない場合か、あるいはそのモチベーションがある会社とない会社が併存している場合と思われます。この二つの条件には、法制化する意味があるかもしれません。私は性善説なので、今までのお話を聞いて改善へのモチベーションはあると思っています。ちょっと抽象的な話ですけれども、皆様方の会社はそんなことはないと思うんですが、ある新規会社があって、情報提供義務について法令化されていないので、手抜きでやっちゃった場合には、その会社はどういう帰結になると予想されるでしょうか。

○村田オブザーバー

要件と効果、検証の方法、監督の方針、あるいは保険会社自身の行動を評価して法制化のメリデメを考えなければいけないと思います。過去の経験に基づいて想像力を働かせますと、どちらかというと害があるのではないかという感覚があります。なぜかと申しますと、もし現在監督指針に書かれているような子細な内容を法令の中に盛り込んでいくことにすると、これは変更しにくくなるということと、この内容がなじまない場面が多々あるので、多くの例外規定をつくることになるのでしょうが、実際上設計が難しいということ、そして難しい設計にすればするほど、違反にならないようさまざまな手だてを打たなければならなくなるのですが、募集プロセスにそういうものを持ち込んでしまうことはあまり望ましくないのではないかということを、今のご質問に対するお答えとさせていただきたいと思います。

制度設計を上手にやって、保険会社の、わかりやすさ向上の取組みを阻害しないような制度設計ができるのであれば、それはそれでよろしいんでしょうけれども、単純に今ある規律を法令に格上げすると、いろいろな弊害も発生してしまうと思います。

賛成論の方が比較的多かった中、大変恐縮ですけれども、ややネガティブに感じています。

○米山委員

今おっしゃったことはわかるんですけれども、もし、僕の質問が悪かったとしたらお詫び申し上げますが、情報提供義務への対応を一生懸命真面目にやったほうが商品の品質が上がるから、このほうが長期的にいいんだと考える会社の中に、そうではなくて、それをサボっちゃったほうがいいんだという会社があった場合に、そういう会社を防止するためにより強い規制が必要だという議論もあるのかもしれません。仮にそういう主張があったとしたらどうお考えですかという意図の質問だったわけです。

○村田オブザーバー

失礼しました。先ほど、過去の経験に基づいて想像される弊害という視点から申し上げましたが、違反しないために形を整えるという行動を取るインセンティブが高くなります。違反の事実がより重たくなるわけですから、違反しないために体裁を整えるという行動を、インセンティブというより、むしろやらざるを得ないと考える局面が多くなると思います。

法制化による弊害があるのではないかと申し上げたのはこのためですが、翻って、現状説明を怠っているかといいますと、仮に怠ると、事故が起きたときに苦情になるという現実があります。損保は基本的にすぐ補償が発動する自動車保険や火災保険を販売しており、例えば自動車保険でいいますと、事故は1年間に10%のお客様で発生します。それだけの確率で支払い場面が発生する以上、納得していなかった、聞いていなかったということは、募集時に問題にならなくても、そこで必ず問題になってしまうわけです。現実に、完璧に説明できているということを申し上げているのではありませんが、十分な説明を怠ってもいいと思ってしまうインセンティブはありません。

○米山委員

わかりました。

○洲崎座長

梅﨑様。

○梅﨑オブザーバー

そういった意味では生保も同じでございまして、基本的には、そういったトラブルになりますと契約は継続しませんので、それは特に長期の契約が前提であります生命保険の場合は、大変会社にとってデメリットになります。募集時のところのことはきちんとやらなくてはいけないという点は各生保会社同じだと思います。

○米山委員

すいません、変な質問で。

○洲崎座長

ありがとうございました。今日はなるべく早く終わりたいと思いますので、今挙手されている錦野委員と、それからその後、瀧下様にご意見を賜れればと思います。では、錦野委員、お願いします。

○錦野委員

今、さまざまなご意見があったのですけれども、1つは柔軟性ということなのですが、これは法律、法令に根拠を求めるということなので、今の保険業法の規制というのは、法律、施行令、施行規則、監督指針と4段階で定められますので、その段階によって、例えば当然法律に置くよりも施行規則に置くほうが柔軟性は高いですし、それよりも監督指針に置くほうが柔軟性が高いということは言えるかもしれませんので、法律に主たる規定を置いておいて、下部に委任するというか、そういうのを利用しながらうまい法制をつくれば、柔軟性に、少なくとも今の監督指針と主要な部分は同じ程度の柔軟性を確保することは、私は可能なのではないかと考えております。

ですから、そういう意味では全ての今の監督指針の規制を法律に書くというイメージではなく、やはり監督指針に書くべき、書かれるべきところもあるものと思います。例えば書面のわかりやすさのようなものは、今後の議論なんですけれども、監督指針に書かれるほうがよろしいのかと思います。

あと、法律に定める意味というのは、やはり誰の目からもこういう規制があるんだということがわかりやすいわけであります。例えば、今の私の目から見れば、今の日本の保険会社というのは、非常にコンプラ意識が高い保険会社ばかりのような気がするのですけれども、これからどういう保険会社が入ってくるかわかりませんし、あるいは保険代理店についても、これまでの議論の中では保険会社からの募集管理が今後危うくなるのではないかというお話もあるわけです。そういう中で、誰の目からもこれは義務なんだというのは、やはり法律に明確な規定、根拠となる規定があるほうがわかりやすいということは言えると思います。

以上でございます。

○洲崎座長

ありがとうございます。それでは、瀧下様。

○瀧下オブザーバー

よろしいですか。私、ADRの運営もやっているわけなんですが、情報提供というか、保険会社側の説明にかかわる苦情というのはないわけではないんですけれども、典型的に自分が欲しくない保険を買った例が1例ありましたが、これはウエブ通販で買って、ウエブの説明と申し込み画面とが整合していなかったということで、間違った保険に誘導されたと。このときは買いたい保険ではないんだから錯誤無効だということで、保険料を返せという裁定が出ているわけですけれども、ほかの事例では、先ほど村田さんがおっしゃったように、事故になったときに免責に当たって、そんなの聞いてないというお話なので、そうなりますと、免責を全部説明しなければいけないのか、約款に書いてあるではないかという話で、そこまで情報提供と言われると非常にしんどい。それと、通販等いろいろあるので、文書による提供となると通販というのは非常にやりにくくなるし、また、通販で買われたお客様も、こう言ったと言うんですけれども、通販系、全部の電話のログをとってありますので、我々は検証するんですけれども、大概お客様のおっしゃっていることが誤解、そういうふうには言っていませんということで、それほど情報提供義務にかかわる苦情というのはあまり承知してないと考えております。

○洲崎座長

わかりました。では、丹野委員。

○丹野委員

端的に申し上げます。情報提供義務に関する苦情が少ないと今おっしゃいましたけれども、もう少したくさん、苦情を扱っている側の人間からいうと、必ずしもそうは言えないのではないかと思っております。時間オーバーなのに手を挙げたのは、そのこととは別のことでございます。先ほどの生命保険協会さんと損害保険協会さんとそれぞれプレゼンをしていただいて、それぞれ今後についてというお話を伺ったんですが、生保協会さんのほうは口頭でおっしゃったので、メモをとったんですけれども、審議会の経緯を見据えつつとおっしゃったんだと思いますので、見据えつつでもよろしいのかもしれませんが、基本的に、募集の、特に契約概要、注意喚起情報あたりのボリュームの多さというのは、やはり、は皆さんお認めになってらっしゃる部分ではないのかなと思っていて、監督指針が目指しているものよりも、かなりボリュームアップしている部分があるのではないか。そこは今の内容でも約款にひもをつけて契約概要に落としてやるような形の工夫をいっぱいなさる余地がまだ十分あると思っていて、早く方向性を定めて、例えば契約概要、注意喚起情報は骨だけにするような、そういう一定のイメージをお持ちになって、積極的に取りかかっていただいて、ぜひこのワーキングである程度の答えをご用意いただければありがたいなと思っております。

○洲崎座長

はい、それでは、これに対するお答えということで、梅﨑様。

○梅﨑オブザーバー

すいません。時間オーバーしていながら。ご意見ほんとうにありがとうございます。先ほども申しましたけれども、業界としての取り組みは今スタートしているところでございまして、今、終わるまでにというお話もございましたけれども、残念ながらいつまでに何をすると、現時点でお約束するようなところまでまだ検討が進んでいませんので、そこのところはご理解いただければと思います。ただ、今のご要請を含めて、本日いただいたご意見等を踏まえて、簡素化とか、わかりやすさという観点から検討を進めさせていただきたいと思いますので、その点どうぞよろしくお願いいたします。

○洲崎座長

どうもありがとうございました。

○梅﨑オブザーバー

すいません。1点だけよろしいですか。なかなかタイミングがなくて言えなかったんですけれども、適合性原則のところでございます。皆さんご存じだと思いますが、一応念のため確認させていただきたいんですけれども、そもそも保険は投資性商品とは違うということで、意向確認書面を使って、お客様自身でニーズと合致した商品選択ができているかという確認をしていただく形になっていると理解しております。そこのところを、ご理解いただいて、投資商品と保険は違うんだということで、金商法にある適合性原則をそのまま保険業法に持ち込むことは多分ないとは思いますが、そのあたりの相違というのをきちんとご理解いただいた上でご検討いただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○洲崎座長

はい。金商法で言っている適合性原則とはやや違うものであるということは、おそらく皆さん、ご理解いただいているのではないかと思います。

本日ご議論いただいた項目については、皆様のご意見を踏まえまして、論点を整理した上で、次回以降引き続き議論をしていきたいと思います。

最後に、今後のスケジュールでございますが、今回の会合をもちまして、本ワーキング・グループで取り上げるべき論点については一通り議論をしたことになると思いますので、次回は、第3回のワーキング・グループにおいて議論を行いました「保険商品・サービスのあり方」に戻って、再び議論をしていきたいと思います。

それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させていただきました。どうもありがとうございました。

以上

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金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企画課保険企画室(内線3571)

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