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【特集】
●「多重債務問題解決のためのカウンセリングシンポジウム」の開催について
本年4月20日、多重債務者対策本部(本部長:山本金融担当大臣)において「多重債務問題改善プログラム」が決定されました。これを受けて金融庁は、地方自治体職員用の相談マニュアル「多重債務者相談マニュアル~「頼りになる」相談窓口を目指して~」を作成しました。また、6月16日(土)には、本マニュアルの内容や先進的な自治体の取組みを、自治体担当者を含め広く周知し、地方自治体における相談体制の充実を図るため、以下のような内容で「多重債務問題解決のためのカウンセリングシンポジウム」を開催しました(主催:金融庁、後援:内閣府、総務省、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会)。
日時 | : | 平成19年6月16日(土)13時30分~16時00分 |
場所 | : | 国連大学ウ・タントホール(東京・青山) |
参加者数 | : | 343名 |
≪プログラム≫
基調講演
「広げよう、多重債務者相談のネットワーク ~キーワードは「連携」そして「熱意」~」
高橋 伸子 氏(生活経済ジャーナリスト)
相談マニュアルの説明
金融庁総務企画局信用制度参事官 大森 泰人 氏
自治体における先進的な取組みの報告
「長野県の取組み」 長野県生活環境部生活文化課 青 木 淳 氏
「行って!話して!楽になる!市役所全体で多重債務者を積極的に支援します。」
岩手県盛岡市消費生活センター 吉田 直美 氏
パネルディスカッション
高橋 伸子 | 氏 | <コーディネーター> | |
宇都宮 健児 | 氏 | (弁護士) | |
西村 隆男 | 氏 | (横浜国立大学教育人間科学部教授) | |
青木 淳 | 氏 | ||
吉田 直美 | 氏 |
パネルディスカッションにおいては、参加者からいただいた質問の一部を取り上げ、パネラーの皆様に回答していただきました。主なやりとりは以下のとおりです。
(答) | 何回か話して行く中で、信頼関係を作っていくことで、借金の問題が明らかになる。また、個人情報の問題は、必ず本人の承諾をとることでクリアしている。 税の徴収担当職員等、他部署の職員は多重債務問題についてよく知らない場合が多いため、関係者による担当者会議の中で多重債務問題について説明する時間をもらうところから始めている。 |
(答) | どこの住民がどこの窓口に行っても相談が受けられることが目標。近隣市町村との連携や意思統一も重要となる。 特に小さな町村の住民は自分の役場には行きづらい、という話を聞くが、そのような場合には、基礎的自治体から離れた県の窓口に来ていただきたい。ただし、地理的に遠い場合も多いので、出前相談の実施や広域圏で相談を受け付ける体制の整備等を考えている。 |
(答) | 多重債務相談を消費生活センターで受けなければいけない、ということではないが、借金の相談は時間がかかるので、相談を効率よくやる等の工夫が必要。現場の相談員に全てを押しつけないよう、行政職員がきちんと考えていく必要がある。 行政が多重債務問題に関与することについては、上記のような会議の場で話をすれば理解してもらえる。また、首長に知ってもらうことも重要。 |
(金融庁) | 現在、多重債務者のパターン別に解説したDVDを金融庁において作成中であり、マニュアルとともに全国の都道府県、市町村に配布する予定。 |
また、参加者からのアンケートでは、「担当者・現場の具体例を含んだ実際の声を聞けてよかった」、「パネルディスカッションの形式で活発な意見が出たことがよかった」、「相談員だけでなく、行政の体制作り、関係団体の方にも参加してほしい」といったご意見が寄せられました。
●「多重債務者相談マニュアル~「頼りになる」相談窓口を目指して~」について
上記説明会で用いた「多重債務者相談マニュアル~「頼りになる」相談窓口を目指して~」について広く意見を聞くため、金融庁では本マニュアルをパブリックコメントに付しました。
6月11日(月)から6月26日(火)のパブリックコメント期間中に、たくさんのご意見をいただき、これを基に本マニュアルを完成させました。(主なご意見と回答はこちらをご覧下さい。)
また、上記シンポジウムにおいてもご要望をいただいたように、具体的な相談の進め方をより分かりやすく説明するため、ケーススタディ等を交えたDVD版も併せて作成しました。なお、本DVDには山本金融担当大臣も出演しております。
本マニュアル(冊子及びDVD)は、7月中に全国の都道府県及び市町村へ配布される予定です。