「預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律」(概要)

金融機関の破綻時においても決済を円滑かつ確実に完了することを可能とする措置を講ずることにより、決済機能の安定確保を図る。

具体的には、金融機関破綻時に全額保護される預金(決済用預金)の要件等を定め、それを保護する措置を講ずるとともに、仕掛かり中の決済の結了を可能とするため、預金保険法等の一部を改正することとする。

(注) ペイオフについては、決済機能の安定確保のための制度面での手当てを行い解禁の準備を整えるが、その実施は17年4月からとし、そのための所要の規定を整備。

1 預金保険法の目的

預金保険法の目的に「破綻金融機関に係る資金決済の確保」を加えることとする。

(注) 現行法は「預金者等の保護」を図ることが目的。

2 決済用預金

次の3要件を満たす預金については「決済用預金」とし、各金融機関は営業年度毎に当該預金に係る保険料を納め、破綻時には機構がその全額に相当する額の保険金を支払うこととする(決済用預金の全額保護)。

  • その契約又は取引慣行に基づき為替取引等に用いることができるものであること(通常必要な決済サービスを提供できること)。
  • その預金者がその払戻しをいつでも請求することができるものであること(要求払いであること)。
  • 利息が付されていないものであること。

(注) 各金融機関は、機構に対し決済用預金に当たる預金を届け出ることとなる(第37条に基づく資料提出)。

3 仕掛かり中の決済の履行確保

3-1 仕掛かり中の決済資金の保護

金融機関が破綻前に依頼を受けた振込など(仕掛かり中の決済)に係る債務等については、決済用預金に係る債務等とみなすこととする。

3-2 仕掛かり中の決済の結了のための資金の貸付け

機構は、仕掛かり中の決済の結了のため必要があると認めるときは、必要な資金を破綻金融機関に対して貸し付けることができることとする。

(注) 機構がこの貸付けを決定をした場合には、裁判所は管財人等の申立てにより決済の結了のための破綻金融機関による債務の履行を許可することができることとする。 更生特例法の一部改正

3-3 破産法等の特例

金融機関間の決済システムにおいて仕掛かり中の決済を結了することができるよう、倒産手続における相殺の禁止等の例外として、機構が上記3-2の貸付けをしたときは相殺等による清算ができることとする。

4 その他

金融機関においては、破綻した場合に決済用預金の円滑な払戻し等を確保するための措置を講じなければならないこととする。

5 施行期日等

施行日は平成15年4月1日。

施行後2年が経過するまでの間は、現在と同様、流動性預金(当座預金、普通預金等)を全額保護することとする。

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