金融機関における
マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策について




 マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融(以下、マネロン等)とは、犯罪や不当な取引で得た資金を、正当な取引で得たように見せかけたり、多数の金融機関(※)を転々とさせることで、資金の出所をわからなくしたりする行為や、テロの実行支援等を目的としてテロリスト等に資金を渡す行為、及び核兵器などの大量破壊兵器の拡散に関与する者へ資金を渡す行為を指します。
(※)金融機関とは、銀行、生命保険会社、損害保険会社、金融商品取引業者、貸金業者、資金移動業者、暗号資産交換業者などを指します。
 
 仮に、下記事例のように、金融サービスを悪用して、わが国が制裁対象とする国・組織・個人や犯罪者に資金が渡ることとなれば、更なる犯罪行為やテロ行為を助長するということになりかねません。犯罪組織やテロ組織が資金獲得の手口を日々巧妙化し、一般利用者に紛れて気づかれることなく取引を行おうとする中で、金融機関は、取引に不自然な点があれば、利用者に質問をしたり必要な情報の提供をお願いするなど、厳格な確認を求められることがあります。






 国際的に核・ミサイルやテロの脅威が増す中、犯罪者・テロリスト等につながる資金を断つことは、日本及び国際社会がともに取り組まなくてはならない課題であり、マネロン等対策の重要性はこれまでになく高まっています。
 
 こうした中、日本は、国際的にマネロン等対策の中心的な役割を担っているFATF(※)から、我が国の金融機関において実際に有効なマネロン等対策が行われているかなどについて国際的な審査を受け、2021年8月、この結果が公表されました。
 
 審査の結果、日本のマネロン等対策の成果を上げていることが認められましたが、日本の対策をさらに向上させるため、金融機関に対する監督・検査などに優先的に取り組むことが必要とされました。金融庁は、引き続き、犯罪組織やテロリスト等に日本の金融システムを悪用されないよう、官民一体となって取り組む必要があると考えています。






 このような状況を背景として、金融庁では、2018年2月に金融機関における実効的なマネロン等対策の基本的な考え方を明らかにした「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を策定・公表するとともに、2021年2月には、「マネロン対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)」を策定し、金融機関に求めるマネロン等対策の明確化を行いました。金融庁は、所管する金融機関に対し、2024年3月までにガイドラインで求めている対応について態勢の整備を完了するよう要請しています。
 
 こうしたマネロン等対策の一環として、皆様が金融機関を利用する際に、従来よりも詳しい説明を求められたり、取引目的の確認、資産及び収入の状況等について従来は求められなかった資料の提出や質問への回答を求められたりする場合があります。
 また、口座を開設するなどの取引時以外にも、金融機関から、取引内容等に応じて、過去に確認された利用者の情報(現在の住所や職業など。法人の場合は、事業内容や株主情報など)について、郵送書類や電話等で再度確認を求められる場合があります。
 
 こうした確認は、年々複雑化・高度化するマネロン等の手口に対抗できるよう、金融機関が行っているマネロン等対策の一環です。利用者の皆様におかれましては、マネー・ローンダリングや、テロ資金供与等の防止のために、また、皆様の預金や資産を守るために必要な取り組みであることにつき、ご理解・ご協力をお願いいたします。