アクセスFSA 第85号(2010年6月)


【トピックス】

「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」の公表について

国際的な財務活動又は事業活動を行う一定の上場企業の連結財務諸表について、平成22年3月31日以後終了する連結会計年度から、任意に国際会計基準(IFRS)を適用することができるようになっています。

このIFRSに関しては、一部に「誤解」を招く情報が流布されているのではないかとの指摘があるところです。こうしたことから、金融庁では、平成22年4月23日に、「誤解」と思われる事例を集めた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」を公表し、IFRSに対する理解が得られるよう説明することといたしました。

本資料においては、IFRSの適用に関連する11の「全般的事項」、IFRSの個別の会計基準に関連する6の「個別的事項」に係る「誤解」を記載しており、それぞれの項目ごとに、「誤解」と「実際」、そして、参考となる情報を記載しています。

「全般的事項」としては、例えば、「上場会社には、直ちにIFRSが適用されるので、大至急準備しなければならない。」という誤解に対して、実際は「2010年3月期から、一定の要件を満たす上場企業の連結財務諸表について、 IFRSを任意に適用できるようになったもの。」であるとして、十分な準備期間(少なくとも3年)を確保することになっています。

また、「非上場の会社(中小企業など)であっても、IFRSを適用しなければならなくなる。」という誤解に対して、実際は「非上場の会社はIFRSを適用する必要はない。」として、非上場会社へのIFRSの強制適用は、将来的にも想定されないことを明らかにしています。

「個別的事項」としては、例えば、「IFRSでは、年度の業績把握の指標として多く用いられている当期純利益が用いられなくなり、包括利益のみに変わる。」という誤解に対して、実際は「IFRSでも、当期純利益が表示され、業績把握のために重要なものであることに変わりはない。」として、我が国企業の多くが業績把握の重要な指標として使用している当期純利益が引き続き表示されることを明らかにしています。

なお、本資料は、会計の専門家でない方々にも理解していただけるよう、正確性よりも分かり易さに重点を置いて作成しています。また、異なる前提条件が存在する場合やIFRSの見直し等があった場合は、異なる考え方となる場合もあることに留意が必要です。

※ 詳しくは、金融庁のウェブサイトの「報道発表資料」から「『国際会計基準(IFRS)に関する誤解』の公表について」(平成22年4月23日)にアクセスしてください。


「あなたは大丈夫?キャンペーン -貸金業法が大きく変わります!-」の実施について

平成18年12月、多重債務問題の解決を図ることを目的として、「上限金利の引下げ」や「借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐ総量規制の導入」などを内容とする「改正貸金業法」が全会一致で成立しました。同法は、貸し手への適切な規制を通じて新たな多重債務者が生じるのを防ぐ一方で、急激な与信の引締め等が生じることのないよう、三年半の期間をかけて段階的に施行されてきましたが、今般、多重債務者の発生を防止するという法の趣旨を踏まえ、本年6月18日に完全施行を実施することが決定されました。

完全施行に当たっては、その円滑な実施の観点から、昨年11月に金融庁、消費者庁、法務省の副大臣、大臣政務官からなる「貸金業制度に関するプロジェクトチーム」が設置され、検討が進められてきました。この検討の結果、同法の施行に向け取り組むべき方策として、「借り手の目線に立った10の方策」が今年4月にとりまとめられたところです。

「10の方策」の中には、「多重債務者に対するカウンセリング・相談の更なる改善・強化」や、「改正貸金業法等の広報活動の充実」という観点から、「多重債務相談の実施や改正貸金業法の周知を目的とした「キャンペーン」を実施すること」が盛り込まれています。この方策の趣旨を踏まえ、今般、金融庁、消費者庁、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、日本司法支援センター(法テラス)、日本貸金業協会、日本クレジットカウンセリング協会の共催で、5月1日から6月30日の期間、「あなたは大丈夫?キャンペーン -貸金業法が大きく変わります!-」を実施することとなりました。

今回のキャンペーンの目的は、「改正貸金業法の広報活動」と「多重債務相談の実施」の2つです。

改正貸金業法の広報としては、ポスター・リーフレットの作成、配布や、新聞広告、インターネット広告などの他、各都道府県等においても、各共催団体等と適宜連携しつつ、地域の広報誌等を利用し、同法の内容について、できる限り広報活動を行っていただくこととなっております。

また、あわせて、改正貸金業法に関するQ&A集の多重債務相談窓口への配布等を通じ、相談体制の強化を図るほか、相談窓口の周知等を進めるとともに、各共催団体等において、都道府県、市区町村とも連携し、多重債務の無料相談会を実施することとなっています。

本キャンペーンの期間中は、各地の多重債務相談窓口の連絡先や、無料相談会の実施予定について、金融庁ウェブサイトで情報提供を行っています。


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