「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」の概要

1. 制定の趣旨

昨年10月に署名されたテロ資金供与防止条約(本年7月発効済)の要請を踏まえ、現在、銀行、証券会社、保険会社等の金融機関が、業界の自主ガイドライン等により行っている顧客の本人確認及び記録の保存を、法律上の義務として位置づけ、内容の明確化及び充実を図った。その際、テロ資金・マネーロンダリング対策に関してこれまで積み重ねられてきた国際的議論を参考とし、また、現行の疑わしい取引の届出制度との整合性にも留意した。

2. 法律の内容

  • (1)本人確認

    金融機関が、顧客との間で預金口座の開設や大口現金取引等(注)を行う際、顧客の氏名・住所・生年月日(顧客が法人の場合は名称・本店等の所在地)を、運転免許証等の公的証明書の提示を求める等の方法により確認しなければならない。(第三条第一項~第三項)

    顧客に対し、本人確認に当たって虚偽を申し立てることを禁止する。(第三条第四項)

    金融機関は、本人確認に係る記録を作成し、顧客との取引関係の終了時から7年間保存しなければならない。(第四条)

    • (注) 大口現金取引における本人確認の対象は、本人確認未済の顧客との200万円超の取引とする。(施行令第三条第一項第二十一号)

  • (2)取引記録の保存

    金融機関は、顧客との間で行った取引に係る記録を作成し、7年間保存しなければならない。(第五条)

  • (3)その他

    • 郵便貯金、簡易生命保険等、郵政官署の行う金融取引につき、本法の本人確認等の規定を準用する。(第七条)

    • 金融機関が、本人確認に応じない顧客との取引に応じないことができる旨の規定を設ける。(第六条)

    • 所要の監督・検査権限に関する規定を設け、同権限を有する行政庁は、各金融機関の業法に規定する主務大臣等とする。(第八条~第十一条、第十四条)

    • 金融機関の是正命令違反、虚偽報告、検査忌避等に罰則を課す。また、本人確認の際、隠ぺい目的で虚偽を申し立てた顧客に罰則を課す。(第十五条~第十八条)

    • 必要な経過措置を政令で定める。(第十三条)

※ 本法は、平成15年1月6日から施行。

(以上)


別紙 金融機関等一覧(本法2条各号に規定)
参考 PDFテロ資金対策関連法案について(条約・安保理決議への対応)

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