【金融ここが聞きたい!】

  • このコーナーは、大臣の記者会見における質疑・応答(Q&A)などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。

    もっとたくさんご覧になりたい方は、是非、金融庁ホームページの「記者会見等」のコーナーにアクセスしてください。

【みすず監査法人関係】

Q: みすず監査法人が業務の大半を他の監査法人に移管することを発表しましたが、大臣のお考えをお聞かせください。

A: みすず監査法人におきましては、同法人を取り巻く状況の下で本年3月期の決算について確実に監査業務を遂行する、また将来的に証券市場の混乱を防止するという観点に立って、今般、他の3監査法人との間で7月末を目処とした社員の移籍に向けた協議を開始すること等について、合意し発表されております。金融庁といたしましては、企業等が監査を受けられないといった事態が生ずることのないように、業界団体等を含めて関係者において適切に対応されることが必要と考えておりまして、今後の動向については十分注目してまいりたいと考えております。

平成19年2月23日(金)閣議後記者会見 抜粋

【日興コーディアル関係】

Q: シティグループが日興コーディアルグループに対してTOBをかけた上で子会社化するとの報道についての事実関係の把握と、事実とした場合、それが日本の証券市場に与える影響について、大臣のご所見をお聞かせください。

A: 報道は承知しておりますが、何ら決定、発表された事実はございません。金融庁としてのコメントは、現段階では差し控えさせていただきたいと思っております。次に三大証券の一つが、いわゆる外資の傘下に入る、或いは経営の主導権を握られるということでありますが、かつてサッチャーが言われましたように、「英国企業を守るのではなくて、英国市場を守りたい」という観点に、私は立っておりますので、これをきっかけに証券業界の新たな動き、そしてむしろ活性化する市場へと転換することを望んでおります。

平成19年3月6日(火)閣議後記者会見 抜粋

Q: 東証が昨日、日興コーディアルグループ株の上場維持の判断を示しましたが、判断についてのご所見と、東証では不正を組織的とは言えないとの説明があり、日興グループの特別調査委員会では組織的と認めるとしており、その報告に違いがありますが、大臣のお考えをお聞かせください。

A: 上場維持の決定についてでございますが、取引所関係規則に基づいて証券取引所において判断された事柄でありまして、コメントを差し控えたいと存じます。いずれにいたしましても、証券市場は資本主義を支える重要なインフラであり、市場の透明性、公平性が確保されることが重要と考えております。
 また、当初におけます説明の中で、上場を維持するための判断の中に、組織的関与という問題があろうと思いますが、まずは課徴金の支払い命令についての証券取引等監視委員会の認定した事実は行政処分の認定事実でございます。また、東証が判断した事実は、これは上場廃止・維持の上場審査についての基準の判断でございまして、その2つの物差しは、それぞれのスケールのおいて異なるものでございますので、一見、判断が異なるように見えますけれども、それぞれの立場からの検討でございまして、私は矛盾しているとは思っておりません。

平成19年3月13日(火)閣議後記者会見 抜粋

【上場廃止基準関係】

Q: 上場廃止の基準ですが、専門家の中にも東証の廃止・維持の基準は分かりにくい、もっと明確にするべきだという意見がありますが、これについて金融庁として何らかのヒアリングを行う考えはありますか。

A: 今回の決定は、取引所関係規則に基づいて証券取引所において判断された事柄で、それそのものについてのコメントは差し控えたいと思いますが、あくまで、一般論として、先ほどのご質問にお答えするとすれば、例えば上場廃止基準について、債務超過、破産手続きの開始等要件が具体的に定められているものがある一方で、あらゆる場合を想定して詳細な規定を設けておくことは困難であることから、例えば、影響が重大といった定性的要件を設けることも一定の合理性があるものと考えております。従って、個別銘柄に係る上場の取扱いについては、様々な観点から総合的に審査を行い、取引所関係規則に照らして適切に判断されるべきものであると考えております。ただし、そうした基準に基づく個々の判断については、証券取引所に一定の説明責任が求められているものと考えるところでございます。いわば、プリンシプルを定めていると考える、総合的判断がいる場合を網羅した規定だという意味では必ず必要な条項ではないかと思っております。

平成19年3月13日(火)閣議後記者会見 抜粋

【損保処分関係】

Q: 損保10社に行政処分が出されて、うち6社には業務停止という厳しい処分を下されましたが、この処分に対する大臣のご所見をお聞かせください。

A: 今般、第三分野商品に係る不適切な不払いが判明しました。その損保会社10社に対し、業務改善命令を発出致しました。6社はそれに加えて一部業務の停止命令を発出したところでございます。保険金の支払いというのは、保険会社の基本的、かつ最も重要な責務の一つでありまして、多数の損害保険会社におきまして、第三分野商品に係る不適切な不払いが判明したことは極めて遺憾でございます。各社におきましては、今回の処分を厳正に受け止めていただき、まずはこのような事態が生じた原因等について徹底的に分析していただいた上で、契約者の立場に立って、適時適切な保険金支払いを行うよう、抜本的な業務の改善に努めていただきたいと願うところでございます。

平成19年3月16日(金)閣議後記者会見 抜粋

Q: なぜこの10社に対して行政処分を下すという事態になったと思われるか、そこには業界の体質的な問題があるのではないかという指摘もありますが、大臣のご所見をお聞かせください。

A: 損保会社の主軸になる商品というのは、およそ自動車保険、火災保険等々あるわけですが、そうした今まで慣れていた商品と全く違う種類の商品であったということが第一の特徴であろうというように思っております。そこにおける利用者、或いは契約者との窓口に、或いは営業に当たられる方々の熟練、そして研修をして十分な知識を持っていたかどうかというようなことが、まずは以前と違うところということになろうかと思います。
 次に、保険会社と代理店という関係、特に代理店制度自体が特徴的なことでありますし、今後代理店が、広く銀行も、或いはその他自由に代理店契約が結べるような時代が来て参りましたので、そういった意味も含めて、こうした保険会社と代理店の関係というのを強く意識してもらわなければならないという点があろうかと思っております。

平成19年3月16日(金)閣議後記者会見 抜粋

【その他関係】

Q: 足利銀行の受皿に関して、昨日栃木県選出の国会議員が大臣に要望書を手渡しましたが、その中で特に外資に対する懸念を訴える議員が多かったと思うのですが、それについて大臣はどのように受け止められましたか。

A: ワーキンググループでのヒアリングにおきましても、「長期的・安定的な経営を目指す受皿であること」という重要要望事項を福田知事から受け取りました。これは、ひいては外資に対する懸念というものであろうと思います。ただお話を十分お伺いしておりますと、外資だから駄目というより、短期的な投資利益のみを目的として受皿となってしまうということについて、いわば、地元資金仲介機能ということにおいて、また、足利銀行の職員の皆様の確保、或いは安定感、地域経済に与える影響というものに対するご懸念があるというように受け取りました。従いまして、また、そうした問題を離れて、外資だからというような理由は、他には見当たらないわけでありまして、その意味において、しっかりとした計画について、深い洞察力でこの問題をうまく解決してほしいという要望であるというように思っております。再三に亘って地元の皆様にも内外無差別という原則論は徹底してきておりますので、その上でのお話でございますので、いわば金融庁に対して、しっかりとした地元経済への影響、負の影響の無いようにというメッセージである、そう理解しております。

平成19年2月27日(火)閣議後記者会見 抜粋

Q: 会計士法の改正案で課徴金の案が示されました。最大で報酬の1.5倍、これよりもっと重く制裁的にすべきという考え方と、もう少し軽くすべきという考え方があると思いますが、この水準について大臣のご所見をお聞かせください。

A: 虚偽記載に対する公認会計士の積極的・能動的な加担を抑止するために必要な水準として、1.5倍を適正としたわけであります。課徴金の性格論につきましては、ご存知のとおり、不当利得返還、或いは制裁という二つの考え方がありますが、どちらから見ても中庸の中で調和をしたという結論になっているように思います。

平成19年3月2日(金)閣議後記者会見 抜粋

Q: 三菱東京UFJ銀行が社内処分を発表しましたが、責任の取り方として十分適切なものであったかどうか、大臣のご所見をお聞かせください。

A: 今回の処分は、旧UFJ銀行の営業拠点において長年に亘って継続されてきた事案であること、また、三菱東京UFJ銀行発足におきましても十分な対応が行われてこなかったことといった経緯を踏まえつつ、同行としまして経営の責任の所在の明確化を図ったものであろうと思っております。いずれにしましても、三菱東京UFJ銀行におきましては、業務改善計画の趣旨について同行の内外の理解を求めつつ、旧行の如何に係わらず、一体となって業務の改善に取り組むことが重要であると考えております。

平成19年3月20日(火)閣議後記者会見 抜粋

Q: 地価がバブル的ではないかという指摘がある点については、どのようにお考えでしょうか。それに対して、金融当局として金融機関にどのようなことを指導・助言されていく考えでしょうか。

A: 金融庁としましては、地価動向をどう評価するかについて、細かく分析する立場にはございませんけれども、地価動向全体について、もう一度整理して申し上げますと、昨年1月に三大都市圏の商業地の地価が、15年ぶりに上昇に転じました。この傾向は、7月時点の地価を調査した都道府県地価調査でも確認されております。また、地価の水準自体は、50年代前半のバブル期以前の水準に止まっております。そしてまた、バブル期のように一様に地価が上昇するのではなくて、高度商業地を中心とした、一部地域での地価動向が生じているというように考えております。このような状況にある不動産市場には、様々な金融機関が関与しております。そのため、金融庁といたしましては、不動産市場の動向も踏まえつつ、不動産の価格形成に当たって、関係当事者のデュープロセスや情報開示が適切に確保されているか、金融機関のリスク管理が適切に行われているかという点に留意する必要があろうと考えております。金融庁では、不動産ファンドを巡る状況について、金融機関等からヒアリングを行い、その結果を昨年末、監督指針に付記する形で明らかにしたところでございますが、今後とも不動産市場を巡る金融機関の動向等を十分に注意してまいりたいと考えております。しっかりと、こうした証券化についての金融機関のあり様を注視していくことが大事であろうと思っております。

平成19年3月20日(火)閣議後記者会見 抜粋


次のページ

 

 

 

サイトマップ

ページの先頭に戻る