「金融専門人材に関する研究会」の開催について

我が国金融・資本市場の競争力強化を実現するためには、市場の発展を担う人材の確保・育成が急務となっています。また、市場参加者においても当局においても共通のコンプライアンス感覚を有する人材が確保されることは、より良い規制環境(ベター・レギュレーション)の実現に資するものと考えられます。

こうした観点から、昨年11月に「金融専門人材に関する研究会」を設置し、現在ご議論を進めていただいているところです(これまでの開催実績は、こちら新しいウィンドウで開きますをご覧ください)。

今後「金融・資本市場競争力強化プラン」で示されたとおり、本年春頃を目途に基本的なコンセプト案を策定、パブリックコメントに付した上で、夏頃を目途に論点の取りまとめを行い、制度設計に取り組んでいきます。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表関係」及び金融庁 金融研究研修センターウェブサイトから、「第1回金融専門人材に関する研究会議事要旨」新しいウィンドウで開きます及び「第1回金融専門人材に関する研究会」新しいウィンドウで開きます(いずれも平成19年11月30日)にアクセスしてください。


平成19事務年度保険会社等向け監督方針について

金融庁では、保険会社等を監督する際の基本的考え方や着眼点等を明らかにした「保険会社向けの総合的な監督指針」等を策定しています。

これに加え、本事務年度においては、行政対応の予測可能性を向上させ、監督の質的向上を図る観点から、保険会社等の監督に当たっての重点事項を明確化した「平成19事務年度保険会社等向け監督方針」を新たに策定しました(平成19年11月19日)。以下では、その概要を説明します。

1. 基本的考え方

  • 監督の質的向上

    金融庁では、これまで、利用者保護・利用者利便の向上の観点から、保険商品の多様化と価格の弾力化の推進、保険商品の販売・勧誘ルールの整備、保険金支払管理態勢の改善・整備の促進などの取組みを進めてきました。これに対応し、各保険会社においても、約款の平明化・簡素化、契約時の説明義務の徹底、支払管理態勢の抜本的見直しなどに取り組んでいます。今後についても、こうした取組みの定着・深化を図っていく必要があります。

    また、金融規制・監督の質が金融・資本市場の競争力を左右するとの認識の下、我が国金融・資本市場の活性化や国際競争力の強化が優先的な政策課題とされています。

    保険会社等に対する監督においても、このような金融行政の置かれた局面を踏まえ、その質的向上を図るため、以下の4点に重点的に取り組むこととしています。

    • ルール準拠の監督とプリンシプル準拠の監督の最適な組合せ

    • 行政資源の有効活用による優先課題への対応

    • 保険会社等のインセンティブの重視・自助努力の尊重

    • 行政対応の透明性・予測可能性の一層の向上

    なお、その際には、「保険会社等との対話の充実」、「情報発信の強化」、「海外当局との連携」、「調査機能の強化による市場動向の的確な把握」、「職員の資質向上」を図ることにより、その実効性の確保に努めることとしています。

2. 重点分野

保険会社等を巡る状況をみますと、利用者ニーズの多様化・高度化、保険募集形態の多様化、コングロマリット化の進展、ソルベンシー評価及び保険負債評価を巡る国際的な動向など様々な変化が生じています。

これを踏まえ、本事務年度においては、

  • (1)一層の業務改善に向けた保険会社等の組織一体的な取組の促進

  • (2)保険会社等の業務規模・態様に応じた監督対応

  • (3)リスク管理の高度化の促進

  • (4)保険市場への参加者(ステークホルダー)との十分な意思疎通の確保

の4点を重点分野と捉えています。そして、監督の質的向上を図りつつ、厳正で実効性のある監督行政の効率的な遂行に取り組むこととしています。

  • (1)一層の業務改善に向けた保険会社等の組織一体的な取組の促進

    保険会社等が業務の適切性を確保していくためには、適切な経営管理の下、自主的な業務改善に組織一体となって取り組むことが重要です。

    これを踏まえ、業務改善に向けた各社の自主的な努力を尊重しつつ、適切かつ自律的な業務改善プロセスが構築されているか検証し、必要に応じ改善を促していくこととしています。また、その際には、業務改善に向けたインセンティブも重視することとしています。

    具体的には、以下の点について重点的に監督を行っていくこととしています。

    • 適切な保険金等支払管理態勢の構築

    • 適切な保険募集体制の確立

    • 相談・苦情処理態勢の充実

    • 契約者等の個人情報管理態勢の整備

  • (2)保険会社等の業務規模・態様に応じた監督対応

    保険会社等の業務規模は、金融コングロマリットのような大規模のものから、少額短期保険業者のような総じて小規模のものまで多様なものとなっています。また、保険募集の形態も、募集人・代理店中心のもの、広告中心のものなど多様であり、各社によって重点の置き方に特色があります。

    これを踏まえ、保険会社等の現状や課題について対話を通じて十分に把握し、業務規模・態様に応じ、以下の点に重点をおいた監督対応を行っていくこととしています。

    • 特定保険業者への対応

    • 少額短期保険業者への対応

    • 保険持株会社・コングロマリットへの対応

    • 保険募集形態の特色に応じた対応

  • (3)リスク管理の高度化の促進

    消費者等のニーズの多様化・複雑化や市場環境の変動の中で、保険会社が様々なリスクを適切に把握し、契約者等に対する責任を的確に果たすためには、リスク管理の高度化等による財務健全性の確保や財務情報の適切な提供が必要です。

    これを踏まえ、リスク管理態勢については資産負債を一体として経済価値で評価する態勢を各社がとることを念頭に置いた監督を行うこととしています。また、その際には、各社の現状や課題について、対話を通じて十分に把握することとしています。

    具体的には、以下の点について重点的に監督を行っていくこととしています。

    • 資産負債管理及びリスク管理の高度化

    • 財務情報開示の充実

    • 適正な責任準備金積立水準の確保

    • 参考純率及び付加保険料の検証

  • (4)保険市場への参加者(ステークホルダー)との十分な意思疎通の確保

    保険業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保し、保険契約者等の保護を図っていくためには、金融庁と保険会社、保険募集人、保険代理店、保険仲立人、消費者及びそれらの関係団体等が有する経験と知見を互いに十分共有することが重要です。

    このため、監督当局としては、上記の保険会社、関係団体等をはじめとする保険市場への参加者(ステークホルダー)との意見交換を積極的かつ定期的に行い、経験・知見の共有と意思疎通の確保に努めていくこととしています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から、「平成19事務年度保険会社等向け監督方針について」(平成19年11月19日)にアクセスしてください。


外国為替証拠金取引業者に対する一斉点検の結果について

1. はじめに

金融庁では、昨今の経済環境の変動を踏まえ、いわゆる外国為替証拠金取引を行う金融商品取引業者(以下「外国為替証拠金取引業者」といいます。)に対し、リスク管理の状況等に関する調査を行い、平成19年12月7日に調査結果の概要を公表しました。

以下、本コーナーにおいては、外国為替証拠金取引業者に対する一斉点検の調査結果の概要について説明します。

2. 調査の内容

調査では、外国為替証拠金取引を行う金融商品取引業者126社を対象として、

(1) 区分管理の状況

(2) 自己勘定取引におけるリスク管理の状況

(3) 相場急変時のリスク管理の状況

(4) 顧客及びカバー取引先との取引の状況

等について質問票を送付し回答を得ました。

3. 調査結果の概要

  • (1)区分管理の状況

    顧客が預託した保証金と業者自身の財産とは、預金口座、金銭信託又はカバー取引先への預託等のいずれかの方法で区分管理することとされています。

    カバー取引先への預託によって管理されている場合、カバー取引先で顧客口座と業者口座とが分けて管理されているケースもあれば、同一の口座で業者の保証金と渾然一体となって管理されているケースもあります。

    後者のケースでは、業者の帳簿で適切な管理が行われている必要があり、仮にそれがなされていない場合には、区分管理が徹底されているといえません。区分管理の不徹底は、仮に業者が破綻した場合等に、顧客の預託した保証金が返金されない事態を招き、投資者に損害が発生する可能性があります。

    調査の結果、各方法を採用している業者の割合は、「預金口座」が76%、「金銭信託」が50%、「カバー取引先で口座を分けて管理」が27%、「カバー取引先で同一口座で管理」が41%でした。(合計が100%を超えているのは、複数の方法を採用している業者があるためです。)

  • (2)自己勘定取引におけるリスク管理の状況

    自己勘定取引(業者が自らのリスクで行う取引)を行っている業者と、カバー取引以外の自己勘定取引は行わない業者があります。

    一般的に、自己勘定取引を行っている場合には、相場の急変や取引の失敗などのリスクを業者が負うことになり、結果的に業者に損失が発生することがあります。

    調査の結果、自己勘定取引を行っている業者が11%、行っていない業者が89%でした。

  • (3)為替相場が急激に変動した場合のリスク管理の状況

    為替相場が急激に変動した場合の対応策として、業者において自己勘定取引を停止する、あるいはカバー取引先との取引ができない場合には顧客からの受注をストップする、などの対応策を行っている業者と、行っていない業者があります。

    一般的に、為替相場急変時の対応策がないと、相場の急変などのリスクを業者が負うことになり、結果的に業者に損失が発生することがあります。

    調査の結果、相場急変への対応策がある業者が89%、ない業者が11%でした。

  • (4)顧客及びカバー取引先との取引の状況

    • 顧客との取引形態について

      業者と顧客が取引を行う方法としては、電話によるものとシステムによるものがあります。

      一般的に、カバー取引を行うまでに時間差が生じると、相場の急変などのリスクを業者が負うことになり、結果的に業者に損失が発生することがあります。

      調査の結果、顧客から注文を受ける方法は、「電話」が48%、「システム」が90%でした。

      (合計が100%を超えているのは、電話とシステムを併用している業者があるためです。)

    • カバー取引に係る業者のリスク管理について

      顧客と取引を行った業者が、カバー取引を行う方法としては、個別取引ごとに即座に行うもの、一定時間又は一定額が集まるまでの間業者がポジションを保有し顧客との取引から時間をおいて行うもの、業者の判断に基づいて行うものがあります。

      一般的に、顧客との取引とカバー取引とに時間差が生じたり、カバー取引を業者が自ら判断して行ったりすると、相場の急変などのリスクを業者が負うことになり、結果的に業者に損失が発生することがあります。

      調査の結果、各方法を採用している業者の割合は、「個別取引ごと」が79%、「一定時間又は一定額ごと」が13%、「業者の判断」が8%でした。

      また、顧客から受けた指値・ロスカット注文の執行に係るカバー取引の執行基準としては、業者の判断によらずカバー取引先が自動的に行うものと、業者が相場の気配等から独自に判断して行うものがあります。

      一般的に、カバー取引を業者自らが判断する場合には、判断の誤りや相場の急変などにより、結果的に業者に損失が発生することがあります。

      調査の結果、各執行基準を採用している業者の割合は、以下のとおりでした。

      • (ア)指値注文:「カバー先が自動的に執行」が71%、「業者の判断」が29%、

      • (イ)ロスカット注文:「カバー先が自動的に執行」が76%、「業者の判断」が24%

      なお、業者とカバー取引先との間でシステムトラブルが発生して、カバー取引が行えない場合には、その間の相場変動のリスクを業者が負うことになり、結果的に業者に損失が発生することがあります。

4. おわりに

外国為替証拠金取引業者は、取引において業者自身に損失が発生する場合があり、破綻に至った場合には、投資者に不利益が生じる可能性があります。

取引業者を選定する際には、これらの調査結果の概要も参考にし、外国為替証拠金取引業者についての情報を収集することが重要です。

なお、金融庁からは、個社の業務の具体的状況についてお教えすることはできませんので、お取引先業者に関する調査結果の事実関係については、お取引先に直接お問い合わせください。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「外国為替証拠金取引業者に対する一斉点検の結果について」(平成19年12月7日)にアクセスしてください。
 また、金融庁ウェブサイト上では、「一般のみなさんへ」の項目中の「投資を行っている方へ」において、「いわゆる外国為替証拠金取引について」を掲載して、外国為替証拠金取引において注意すべきポイントを解説していますので、こちらも併せてアクセスしてください。


  • カバー取引とは、業者が、顧客との取引により発生し得る損失を減少させるために、他の業者等(カバー取引先)を相手方として行う取引をいいます。顧客取引とカバー取引との間に時間差があれば、その間の相場変動のリスクを業者が負うことになります。▲戻る

  • ロスカット注文とは、損失額を一定の額に収めるために、顧客との間であらかじめ交わした契約に基づいて執行される売買注文をいいます。ロスカット注文に係るカバー取引を業者が独自の判断で行う場合には、業者自身がリスクを負うことになります。顧客の側においても、契約内容を確認してロスカットに関するルールを十分理解した上で、取引を行うことが重要です。▲戻る


「集団投資スキーム(ファンド)連絡協議会」の設置について

平成19年12月4日、「集団投資スキーム(ファンド)連絡協議会」を設置し、同日、第1回を開催いたしました。

近年、一般の消費者から広く金銭を集め、何らかの事業・投資を行い、その収益を出資者に分配する仕組み(いわゆる「集団投資スキーム」)を利用した詐欺的な事件による消費者被害が多発しています。こうした仕組みを利用する悪徳な業者は、刑法、出資法、特定商取引法等の各種法令に加え、本年9月30日に施行された金融商品取引法に照らし、法令違反行為を行っている可能性が高いと考えられます。

そのため、今般、同協議会を設置し、これら法律を所管する各省庁、関係機関が連携し、定期的に情報交換・意見交換を行い、こうした事案における利用者被害の発生防止、被害の拡大防止等に取り組むこととしました。

なお、同協議会に参加している省庁、関係機関は、内閣府、公正取引委員会、警察庁、証券取引等監視委員会、経済産業省、国民生活センター、金融庁です。


主要行の平成19年度中間決算について

主要行の平成19年度中間決算発表を受けて、金融庁では、各行の発表した計数等を集計し、11月22日(木)に公表しました。

以下、主要行の平成19年度中間決算の概要について説明します。

《主要行の中間決算》

  • 1. 収益の状況

    銀行の本業の儲けを表す実質業務純益は平成19年9月期1.6兆円となり、概ね前年同期並みとなりました。これは、利ざやの改善は僅かにとどまり、貸出残高は横ばい、手数料収益も横ばいとなり、人員増などにより経費が増加したことによるものと考えられます。

    当期純利益は平成19年9月期0.8兆円となり、平成18年9月期対比0.8兆円の減益となりました。これは、今回の決算では貸倒引当金の戻り益の剥落、ノンバンク関連の損失のほか、大口貸出先や小口貸出先ともに償却・引当費用が増加したことなどが影響したものと考えられます。

    なお、サブプライム・ローン関連の損失は、9月末時点では限定的なものでしたが、その後も相場が変動しており、注視していく必要があります。

  • 2. 財務の健全性の状況

    不良債権比率は、平成19年9月期1.5%となり、概ね平成19年3月期並みで低水準となりました。

    自己資本比率については、平成19年9月期12.9%となり、平成19年3月期対比0.2ポイントの微減となりました。

    このように、主要行の財務面をみると、不良債権比率が低水準で安定していることや、自己資本の状況等を踏まえれば、引き続き健全と考えられます。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「主要行の平成19年度中間決算について《速報ベース》」(平成19年11月22日)にアクセスしてください。


地域銀行の平成19年度中間決算について

地域銀行の平成19年度中間決算発表を受けて、金融庁では、各行の発表した計数等を集計し、12月7日(金)に公表しました。

以下、地域銀行の平成19年度中間決算の概要について説明します。

《地域銀行の中間決算》

  • 1. 損益の状況

    実質業務純益は、預貸金利鞘がほぼ横這いで推移するなかで、役務取引等利益の増加などにより、18年9月期に比べ357億円増加して9,903億円となりました。

    中間純利益は、不良債権処分損や株式関係での損失の増加などにより、18年9月期に比べ281億円減少して3,747億円となりました。

  • 2. 自己資本比率の状況

    自己資本比率は、引き続き上昇し、19年3月期に比べ0.1ポイント上昇の10.5%となりました。

  • 3. 不良債権の状況

    不良債権比率は、19年3月期に比べ0.1ポイント低下の3.9%で、ピーク時(14年9月期8.3%)の半分以下の水準となっています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「地域銀行の平成19年度中間決算の概要(速報集計値)」(平成19年12月7日)にアクセスしてください。


  • 平成19年9月期は地方銀行64行、第二地方銀行45行、埼玉りそな銀行の110行、平成18年9月期は地方銀行64行、第二地方銀行47行、埼玉りそな銀行の112行。▲戻る


平成20年度機構・定員及び予算について

1. はじめに

平成19年12月24日に閣議決定された19年度政府予算案における金融庁関連の機構・定員及び予算の概要について説明します。

金融庁の任務を引き続き的確に果たすため、69名(グロス)の増員(44名の純増)及びリスク対応参事官(仮称)の設置等の体制整備、並びに総額約194億円の予算が認められました。

2. 機構・定員

【定員の推移】 (単位:人)
平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度
増員(A) 110 109 64 64 69
削減等(B) ▲ 9 ▲ 17 ▲ 18 ▲ 31 ▲ 25
純増(A-B) 101 92 46 33 44
年度末定員 1,202 1,294 1,340 1,373 1,417

(注) 平成20年度の削減等には、計画削減▲18のほか、検査官の時限到来(19年度末)による減等が含まれています。

  • (1)金融・資本市場の国際競争力の強化(9人)

    金融・資本市場競争力強化プランの推進体制の整備を図り、職員の資質向上や規制監督の透明性・予測可能性の向上等に必要な体制の整備を図ることとしました。

  • (2)証券取引等監視委員会等の市場監視体制の強化(32人)

    我が国市場の公正性・透明性の一層の向上に向け、課徴金調査の的確な実施を含め、証券取引等監視委員会の体制整備等をはじめとする幅広い市場監視体制の強化を図ることとしました。

  • (3)市場動向等の的確な把握と効果的な行政対応(7人)

    市場関係者や内外の関係機関との対話・連携も図りつつ、金融システムに内在するリスクを早期に認識・抽出し、フォワード・ルッキングな行政対応を行うことができるよう、リスク対応参事官(仮称)の設置を含む体制の充実・強化を図ることとしました。

  • (4)消費者保護施策等の推進(20人)

    保険会社への検査・監督体制等の強化、郵便保険監督参事官(仮称)の設置を含む郵便貯金銀行及び郵便保険会社への検査・監督体制の強化、並びに多重債務問題改善プログラムの推進等のための監督体制の強化等を図ることとしました。

3. 予算

  • (1)予算については、海外当局との連携強化、情報発信の強化、調査機能の強化、及び職員の資質向上のための経費を含め、総額で約194億円(対前年度比▲26.3億円(うち前年度限りの経費:新庁舎移転関係経費▲15.5億円、EDINET開発経費▲11.0億円)、伸び率▲12.0%)が認められました。

  • (2)なお、預金保険機構に係る政府保証枠については、金融システムの安定を引き続き揺るぎないものとするとの考え方に基づき、43兆円が認められました。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「平成20年度機構・定員及び予算について」(平成19年12月25日)にアクセスしてください。


「決済に関する論点の中間的な整理について」の公表について

金融庁金融研究研修センター新しいウィンドウで開きます(センター長:吉野 直行 慶應義塾大学教授)では、平成19年7月以降、「決済に関する研究会」(座長:岩原紳作 東京大学大学院法学政治学研究科教授)を計12回の会合を重ね、12月18日に、それまでの議論を踏まえ、「決済に関する論点の中間的な整理について」をとりまとめました。

このとりまとめでは、決済を巡る環境変化を踏まえ、利用者保護、決済システムの安全性・効率性・利便性の向上やイノベーションの促進の観点から、いわゆる電子マネー等の決済に関する新しいサービス、全銀システム等の資金決済システム、証券決済システムについて、幅広く論点の整理が行われています。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」または、金融庁 金融研究研修センターウェブサイトから「決済に関する研究会『決済に関する論点の中間的な整理について』(金融庁金融研究研修センター)」(平成19年12月18日)新しいウィンドウで開きますにアクセスしてください。


利用者の満足度向上に向けた各金融機関の取組みについて(平成18年度)

1. 金融改革プログラム

平成16年12月24日公表の「金融改革プログラム」において、利用者の満足度の高い活力ある金融システムを創造するため、利用者が理解し納得して取引ができる枠組みを整備するための施策の1つとして、「利用者の満足度を重視した金融機関経営の確立」を掲げました。

2. 利用者満足度向上に向けた各金融機関の取組みの公表

平成18年8月に、利用者満足度アンケート等の各金融機関の選択する手法により把握した利用者の意見・苦情等を踏まえて、平成18年度に経営改善を実施するように努め、当該実施項目等について平成19年6月末日までに公表するよう、また、当該取組み内容について報告するよう要請を行いました。

その結果、預貯金取扱金融機関、保険会社、証券会社等、貸金業者の合計1,208社から報告があり、当該報告内容についてとりまとめたものを公表しました。

(参考)  本件については、昨年度も公表を行っており、その内容については、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「利用者の満足度向上に向けた各金融機関の取組みについて(平成17年度)」(平成18年10月26日)にアクセスしてください。
 また、「利用者の満足度向上に向けた各金融機関の取組みについて(平成17年度)」については、アクセスFSA第48号にも掲載していますのでご参照下さい。

3. 公表内容

  • (1)利用者の満足度(CS)向上に向けた各金融機関の取組みについて(平成18年度)

    • 利用者の声を把握する取組み、利用者の声を踏まえた経営改善の取組みの実施率・公表率

      各金融機関の利用者満足度向上に向けた取組みについて、当庁への報告書の提出状況をみると、概ね各業態とも高い提出率となっています。また、報告書の提出のあった金融機関数は平成17年度から139社増加し、1,208社となっています。

      利用者の声を把握する取組み(アンケート、苦情相談の集計等)をみると、当庁へ報告書を提出した金融機関のうち、82.3%の金融機関が当該取組みを実施しています。また、取組みを実施した金融機関のうち、アンケート結果等を公表した金融機関は60.7%となっています。これを、平成17年度と比較すると、取組みの実施率は前年の87.1%から4.8%ポイント低下したものの、公表率は前年の52.3%から8.4%ポイント上昇しています。

      利用者の声を踏まえた経営改善の取組みをみると、当庁へ報告書を提出した金融機関のうち、71.9%の金融機関が当該取組みを実施しています。また、取組みを実施した金融機関のうち、実施した取組み内容を公表した金融機関は73.0%となっています。これを、平成17年度と比較すると、取組みの実施率は前年の64.6%から7.3%ポイント上昇し、公表率は前年の70.8%から2.2%ポイント上昇しています。

      このように、各金融機関の「利用者の声を把握する取組み」及び「利用者の声を踏まえた経営改善の取組み」にかかる実施状況と公表状況をみると、平成17年度と比べ、取組みを実施していない金融機関からの報告書提出数が増加したため、利用者の声を把握する取組みの実施率が低下したものの、それ以外の実施率・公表率は上昇しており、金融機関がそれぞれの利用者の満足度の向上に向けた取組みを推進している状況となっています。

      今後も各金融機関が、より積極的に利用者の満足度向上のための取組みを実施し、公表していくことが期待されます。

    • 利用者の声を把握する手法

      利用者の声を把握する手法としては、平成17年度同様にアンケート等によるものや電話やインターネットによる受付けが多くみられたほか、平成18年度は「お客様ポストの店頭設置」といった取組みも多くみられました。内部担当者による集計に関しては平成17年度と同じく「苦情相談等内部情報の集計」が多くみられました。また、平成18年度は外部調査会社委託による取組みをした金融機関も一部みられました。

    • 利用者の声を踏まえた経営改善の具体的取組み内容

      <預貯金取扱金融機関>

      平成17年度同様に、ATM・ネットバンキング等のセキュリティ対策、店舗のバリアフリー化等の店舗設備改善、インターネット取引の内容充実等についての取組みが多くみられました。また、土日等に開催する投資や住宅ローンの相談会の開催、高齢化・年金制度の変更に伴う、新しい融資関連商品や預金・投資関連商品の取扱いなども多くみられました。

      <保険会社>

      生命保険会社… 平成17年度同様に、「契約内容の説明の強化」や「保険金・給付金の支払に関する顧客対応」に対する取組みが多くみられました。また、「顧客相談窓口の整備」や「顧客の要望を広く把握」する取組みや「新しい保険商品の開発」などが多くみられました。
      損害保険会社… 平成17年度同様「情報提供の改善」、「契約内容の説明強化」及び「契約後の顧客対応(特に事故発生時の初期対応に配慮した取組み)」が多くみられました。また、「顧客相談窓口の整備」や「顧客の要望を広く把握」する取組みも多くみられました。

      <証券会社>

      平成17年度同様、セミナーや勉強会等を多く開催し情報提供の充実を強化するとともに、平成18年度については、2009年の株券電子化に向けた顧客対応や目論見書等の電子交付サービスなど、インターネット関連の取組みが多くみられました。また、社員の知識やマナー向上の為の研修実施等の取組みも多くみられました。

      <貸金業者>

      消費者金融大手7社は、17年度に引き続き、多重債務問題への自主的な取組みとして、健全な家計管理の支援、安全な利用のための情報発信等を実施しています。

      また、大手の消費者金融業者、クレジットカード会社などは、改正貸金業法の施行よりも前倒しで利息制限法以下への金利の引下げや低金利商品の発売を実施しています。

  • (2)利用者の満足度(CS)向上に向けた各金融機関の取組み事例集(平成18年度)

    PDF利用者満足度向上に向けた各金融機関の取組み事例集を公表しておりますので、ご覧ください。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「利用者の満足度向上に向けた各金融機関の取組みについて(平成18年度)」(平成19年11月14日)にアクセスしてください。


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