アクセスFSA 第66号(2008年5月)

【法令解説等】

「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」等の概要について

金融庁では、(1)「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」、(2)「特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」及び(3)「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」について、平成20年3月12日から平成20年4月14日にかけて広く意見の募集を行い、

(1)については4の団体から延べ6件のご意見、(2)については1の個人及び3の団体から延べ8件のご意見、(3)については7の団体から延べ38件のご意見をいただきました。

パブリックコメントの結果については、4月28日及び5月30日にそれぞれ公表するとともに、これらの結果等を踏まえて修正のうえ、(1)及び(2)については4月28日に、(3)については5月30日にそれぞれ公布されました。

これらの改正府令による改正の概要は以下のとおりです。

  • 1. 適格機関投資家制度の弾力化(「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」による改正)

    適格機関投資家となるための届出を行う機会は、これまで年2回(1月と7月)でしたが、今回の改正により、年4回(4月と10月を追加)としました。また、届出後、届出内容のうち「商号」、「本店所在地」などに変更があった場合には、これらの変更に係る変更届出を行わなければならないこととしました。

    なお、改正府令の附則において、これまで適格機関投資家の届出を行った者について、平成20年5月1日時点で商号や本店所在地等が変更となっているなど一定の場合には、遅滞なく変更届出書を提出することが必要となっておりますのでご留意ください。

    (1) 金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(適格機関投資家制度の弾力化)
    現 行 改正後
    • 適格機関投資家の届出は年2回(1月と7月)
    • 変更届はなく、届出時点の情報を2年間公告
    • 届出を年4回に増やす(4月と10月を追加)
    • 商号や本店所在地などに変更があった場合に変更届が必要
        施行日 平成20年5月1日 
    (注)旧届出者も変更があった場合は変更届等が必要
  • 2. 財形信託の開示書類の簡素化(「特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」による改正)

    勤労者財産形成促進法に基づき、従業員の財産形成のため企業が信託金を拠出する信託(財形信託)に係る開示内容については、その商品性等にかんがみ、(1)企業グループ集団により共同で委託者となっている場合は、主たる企業1社のみの開示をすればよい(2)連結財務諸表やキャッシュ・フロー計算書の作成を免除する(3)導入初年度の財務書類に関する事項は1年分(通常は2年分)とするなどの改正を行いました。

    (2) 特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令(財形信託の開示書類の簡素化)
    財形信託=勤労者財産形成促進法に基づき、従業員の財産形成のため企業が信託金を拠出する信託
    • 委託者=企業又は基金、受託者=信託銀行、受益者=企業の従業員
    • 金融商品取引法の施行により、第2項有価証券に該当
    改正後
    • 導入初年度の財務書類に関する事項は1年分(通常は2年分)とする経過措置を規定
    • 企業グループ集団により共同で委託者となっている場合は、主たる企業(=通常は親会社)1社のみの開示、連結財務諸表やキャッシュ・フロー計算書の作成を免除するなど負担を軽減
    施行日 平成20年4月28日
  • 3. 英文開示の対象拡大等(「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」による改正)

    • (1)英文開示の対象有価証券の拡大

      改正前は、英文開示の対象有価証券については外国ETF(株価指数連動型上場投資信託)のみでしたが、外国会社等(外国政府、外国ファンドを含む)が発行するすべての有価証券に拡大しました。

    • (2)英文開示の対象書類の拡大

      改正前は、英文開示の対象開示書類は有価証券報告書及び半期報告書のみでしたが、四半期報告書、確認書、内部統制報告書及び親会社等状況報告書等も追加することとしました 。

    • (3)英文開示の提出要件の緩和

      改正前は、英文開示の要件として、直前に提出する開示書類に、その後に提出する有価証券報告書等に代えて外国会社報告書等を提出する旨をあらかじめ記載することが求められていましたが、この要件を廃止しました。

    • (4)英文開示の記載内容の簡素化

      英文による開示を行う場合、日本語による要約等(補足書類)の添付が義務づけられていますが、今回の改正においては、日本語による訳文が必要な部分を大幅に見直しました。

    英文開示の対象範囲の拡大
  • 4. 施行日

    上記「1.適格機関投資家制度の弾力化」につきましては平成20年5月1日に、「2.財形信託の開示書類の簡素化」につきましては平成20年4月28日に、「3.英文開示の対象拡大等」につきましては、平成20年6月1日に、施行しております。

※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」または「パブリックコメント」から「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果について(平成20年4月28日及び平成20年5月30日)にアクセスしてください。


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