アクセスFSA 第81号(2009年11月)
「中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置」に基づく貸出条件緩和の状況について
金融庁では、金融機関が借り手に対する貸出条件の緩和に柔軟に応じることができるよう、昨年11月7日に、各監督指針及び金融検査マニュアル別冊[中小企業融資編]を改定しました(「中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置」)。
本年6月5日公表(平成21年1~3月期)に引き続き、9月11日に同措置に基づく金融機関による中小企業向け融資の貸出条件緩和の状況(平成21年4~6月期)を公表しました。
今回の調査・集計では、金融機関が中小企業に対して貸出条件の緩和を行った債権は、主要行等、地域銀行及び信用金庫・信用組合全体で、平成21年4~6月期において36,550件(1兆6,743億円)となり、前回の集計結果と比べて若干の減少は見られるものの、先般の措置以前の平成20年7~9月期と比較すると、件数ベースで30.6%(金額ベースで40.0%)の増加となっています。
また、貸出条件の緩和を行った債権のうち、経営改善の見込みがあり、不良債権に該当しなかった債権は、平成21年4~6月期において14,360件(8,339億円)となり、これを平成20年7~9月期と比較すると、件数ベースで14.0倍(金額ベースで21.7倍)となっています。
金融庁においては、昨年11月の措置を実効あるものにすべく、金融機関や中小企業に対する周知・広報等に取り組んできました。今回の調査結果から、こうした取組みにより、この措置の効果が浸透しつつあることが伺えると考えています。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「中小企業向け融資の貸出条件緩和が円滑に行われるための措置」に基づく貸出条件緩和の状況について(平成21年4~6月期)(平成21年9月11日)にアクセスしてください。
「外国監査法人等に対する検査監督の考え方」の公表について
平成20年4月より施行された改正公認会計士法において、わが国に上場する外国会社等から提出される有価証券報告書等の監査証明を行う外国監査法人等について、原則として、わが国当局への届出義務が課せられるとともに、指示、報告徴収、立入検査等の制度が整備されました。
金融庁及び公認会計士・監査審査会(以下、「審査会」)は、外国監査法人等に対する検査監督の方針等、具体的な実施手続や留意事項等を定めていくため、「外国監査法人等に対する検査監督の考え方(案)」について、広く意見の募集を行い、平成21年9月14日に「外国監査法人等に対する検査監督の考え方」を公表しました。
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○ 検査監督の基本的考え方について
金融庁及び審査会は、(1)外国監査法人等の所属する国の監査制度や監査人監督体制がわが国と同等であり、(2)情報交換等に係る取極め等により、必要な情報が得られ、かつ、(3)相互主義が担保される場合には、当該国当局が行う報告徴収又は検査に依拠することとし、原則として、当該国の外国監査法人等に対する報告徴収及び検査は行わないものとする。
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○ 検査監督の実施について
上記の条件のいずれかが満たされず、相互依拠によることができない場合には、金融庁及び審査会が、以下を基本として報告徴収及び検査を実施することとする。
1.報告徴収:審査会は、届出書等として提出された情報に加え、原則として3年に1度、当該国当局に通知した上で、必要と認められる情報の提出を報告徴収により求める。
2.検査対象先の選定等:審査会は、徴収した情報等の分析を行い、外国監査法人等における監査証明業務に相当すると認められる業務が適切に行われているか等について、検査により確認することが必要と認められる場合には、当該外国監査法人等を検査対象先として選定する。
3.検査の実施:審査会は、外国監査法人等に対して検査を通知する前に、原則として、当該国当局に検査を行う旨を通知する。検証対象に関しては、個別監査業務についてはわが国の金融商品取引法の規定により提出される財務書類に係るものに限定し、検査の効率化と外国監査法人等の負担軽減に努めながら、業務管理体制等の検査を実施する。
4.検査結果の通知、フォローアップ:審査会は、日本語を原本として検査結果を通知し、英語による翻訳文を参考として添付する。さらに、金融庁は、検査結果の指摘事項に関する改善計画の報告徴収や、改善の進捗状況の確認及び必要かつ適切な場合における指示を行うことを基本とする。
5.行政処分:外国監査法人等の監査証明業務に相当すると認められる業務の運営が著しく不当と認められる等の場合には、金融庁は、原則当該国当局に通知した上で、業務改善指示を発出することを基本とする。
<考え方の概要>
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「「外国監査法人等に対する検査監督の考え方」の公表について」(平成21年9月14日)にアクセスして下さい。
預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について
平成15年9月12日、金融庁は、預金口座を利用した悪質な事例が大きな社会問題となっていることを踏まえ、当局が預金口座の不正利用に関する情報提供を受けた場合には、明らかに信憑性を欠くと認められる場合を除き、当該口座が開設されている金融機関及び警察当局への情報提供を速やかに実施する旨事務ガイドライン(現監督指針)を改正したところであり、その情報提供件数等について、四半期毎に公表しています。
これによると、調査を開始した平成15年9月以降、本年9月30日までに、金融庁及び全国の財務局等において、24,555件の預金口座の不正利用に係る情報提供を行いました。
また、金融機関としても、預金口座の不正利用と思われる情報があった場合には、直ちに調査を行い、本人確認の徹底や、必要に応じて預金取引停止、預金口座解約といった対応を迅速にとっていくことが肝要であり、本年9月30日までに、当局が情報提供を行ったものに対し、金融機関において、13,131件の利用停止、9,321件の強制解約等を行っています。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「「預金口座の不正利用に係る情報提供件数等について」(平成21年10月30日)」にアクセスしてください。
「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等について
(期間:平成21年7月1日~9月30日)
金融サービス利用者相談室(以下「相談室」)に寄せられた利用者からの相談件数や主な相談事例等のポイント等については、四半期毎に公表しています。平成21年7月1日から9月30日までの間における相談等の受付状況及び特徴等は、以下のとおりです。なお、今回の公表分とは別に、金融円滑化「大臣目安箱」情報として受け付け、大臣に直接届けられたものがあります。
1.平成21年7月1日から9月30日までの間に、11,167件の相談等(詳細については、「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等(平成21年10月30日)をご参照ください。)が寄せられています。1日当たりの受付件数は平均180件となっており、21年4月1日から6月30日までの間(以下「前期」)の実績(203件)と比べて減少しています。
2.分野別の受付件数としては、預金・融資等に関するものが3,541件(32%)、保険商品等に関するものが2,729件(24%)、投資商品等に関するものが3,366件(30%)、貸金等に関するものが1,294件(12%)、金融行政一般・その他が237件(2%)となっています。
3.分野別の特徴等としては、
(1)預金・融資等については、個別取引・契約の結果に関する相談等が減少したこと等から、前期に比べて減少しています。
(2)保険商品等については、個別取引・契約の結果に関する相談等がやや減少したこと等から、前期に比べてやや減少しています。
(3)投資商品等については、行政に対する要望等に関する相談等が大幅に減少したこと等から、前期に比べて減少しています。
ただし、未公開株に関する相談等は増加しています。
(4)貸金等については、個別取引・契約の結果に関する相談等が減少したこと等から、前期に比べて減少しています。
4.なお、受け付けた相談等の中には、検査・監督上参考となる情報(注)も寄せられており、利用者全体の保護や利便性向上の観点から、金融機関に対する検査における検証や監督におけるヒアリング等、金融行政を行う上での貴重な情報として活用しています。
(注)検査・監督上参考となる情報の例
(1)預金取扱金融機関によるリスク性商品等の販売時における顧客への説明態勢及び広告等の不適正な表示に関するもの
(2)預金取扱金融機関における説明を求めた際の不適切な顧客対応に関するもの
(3)預金取扱金融機関が借り手に対する優越的な地位を利用して行った金融商品の販売に関するもの
(4)預金取扱金融機関の個人情報の取扱いに関するもの
(5)いわゆる貸し渋り・貸し剥がしに関するもの
(6)保険会社等の不払い等に関するもの
(7)保険募集人等の不適正な行為(重要事項の不十分な説明、手続に関する不適切な案内・対応、不告知の教唆、無断契約、名義借り等)に関するもの
(8)損害保険会社の火災保険の保険料過徴収に関するもの
(9)損害保険会社の不払い等(付随的な保険金の支払漏れ、第三分野商品に係る保険金の不払い等)に関するもの
(10)保険募集人等の不適正な行為(保険料の立替)に関するもの
(11)貸金業者による法令違反のおそれのある行為(取立行為規制違反、帳簿の不当な開示拒否等)に関するもの
(12)貸金業者による顧客への不適切な説明に関するもの
(13)システム障害に関するもの
(14)外国為替証拠金取引業者とのインターネット経由での取引きに関するもの
(15)外国為替証拠金取引業者の不適正な行為に関するもの
(16)金融商品仲介業者の顧客からの金銭の預託の受入れに関するもの
(17)無登録営業に関するもの
(18)証券会社の高齢者に対する勧誘に関するもの
(19)金融商品取引業者の不適正な行為(ホームページを閉鎖し電話に出ない等)に関するもの
(20)金融商品仲介業者による不適正な行為(兼業規制違反のおそれ)に関するもの
また、預金口座の不正利用に関する情報については、金融機関及び警察当局へ27口座の情報提供を行っています。
さらに、前期における情報の活用状況は以下のとおりです。
(1)監督において行った275金融機関等に対するヒアリング等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。
(2)金融庁が着手した17金融機関の検査等に際して、相談室に寄せられた情報を参考としています。
5.寄せられた相談等のうち利用者の皆様に注意喚起する必要がある事例等について、「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」として周知しています。今回、新たに追加又は改訂する「利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等」の項目・相談事例等は、以下のとおりです。
□保険商品等
○保険内容の顧客説明に関する相談等
【相談事例(指定代理請求制度)】
保険会社から手続きの案内が届いたのですが、指定代理請求制度とはどのような制度でしょうか。
【アドバイス等】
被保険者本人が保険金を請求できない特殊な事情がある場合、あらかじめ指定された指定代理請求人が、被保険者の代理人として保険金を請求できる制度のことです。
例えば、「特定疾病保障保険」や「リビング・ニーズ特約」など、被保険者本人が受取人であり、かつ生前に保険金を受け取れる契約をしている場合に、「本人が余命もしくは病名(ガンなど)を知らされていない」、または「本人が心神喪失の状況にある」などの事情があると、本人からは保険金が請求されないケースがありますが、このような場合、指定代理請求人を指定しておけば、指定代理請求人が本人に代わって保険金を請求することができます。
基本的に請求時において、被保険者と同居又は生計を一つにしている被保険者の戸籍上の「配偶者」または「三親等内の親族」であれば、指定代理請求人として指定することができます。
□投資商品等
○未公開株式の取引に関する相談等
【相談事例等(金融庁や財務局等を騙る業者)】
数年前に上場確実と言われ購入した未公開株について、業者から株式の交換により救済措置を図ると別の未公開株を送りつけられたが、応じずに放置していたところ、当該業者から、金融庁等から指導されてしまうので、送った未公開株の代金の支払いをするよう文書が届きました。
【アドバイス等】
金融庁等が、未公開株の取引等に関して、何らかの業務を外部へ委託することはありません。また、金融庁や証券取引等監視委員会の職員が、電話で未公開株の上場時期について言及したり、未公開株の買取交渉を行ったりすることもありません。このような連絡があった場合には、詐欺的な商法であると考え、一切関わりにならないようにしてください。
□貸金等
○総量規制に関する相談等
【相談事例等】
専業主婦は収入がないため、借入れが出来なくなるのですか。
現在、年収等の3分の1を超える借入れをしているが、総量規制の導入後は年収等の3分の1を超える部分について、一括で返済を求められるのでしょうか。
【アドバイス等】
収入の無い専業主婦については、当該配偶者の同意を前提に、配偶者と合算した年収を基準とし、総量規制が適用されることとなります。
なお、当該同意が真正なものであるか否かについては、各貸金業者において、慎重な判断が求められることになると考えられます。
総量規制が施行された場合には、貸金業者に対して、借入れをしようとする人の年収等の資力や信用状況、借入状況の調査が義務付けられます。また、借入総額が年収の3分の1を超過している場合には、利用限度額が減額され、新たな借入れが制限されることになります。
既存の借入れについては、約定通りの返済を行っていれば、直ちに一括返済を求められることはないのではないかと考えられます。
※ その他、金融庁のウェブサイト(「一般のみなさんへ」)では、金融サービスを利用する皆様にご注意いただきたい情報を掲載しています。
【法令解説等】
「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について
金融庁では、「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」、「投資信託及び投資法人に関する法律施行規則の一部を改正する内閣府令(案)」、「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」及び「金融商品取引法等に関する留意事項について(案)」について、平成21年6月19日から7月21日にかけて広く意見募集を行い、9月9日にパブリックコメント結果を公表しました。改正内閣府令は、同日公布・施行されました。また、金融商品取引法等に関する留意事項について(金融商品取引法等ガイドライン)及び改正後の金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針についても同日から適用を行っています。
改正の概要は、以下のとおりです。
(1)損失補てんの事故確認について、金融商品取引業協会による確認により財務局の確認を代替できることとしました。
従来、業者が損失補てんを行う場合には、原則、補てんに係る損失が事故に起因するものであることにつき、財務局の確認が必要とされていましたが、弁護士又は司法書士が顧客を代理している和解であって、損失が1,000万円(司法書士の場合140万円)を超えないもの等については、財務局の確認を要せずに損失補てんができる例外が設けられていたところです。
今般、この例外を追加し、金融商品取引業協会内の弁護士又は司法書士を含む委員会により確認した場合であって、損失が1,000万円(司法書士のみからなる委員会の場合140万円)を超えないものについては、財務局の確認を金融商品取引業協会内の委員会の確認で代えることができることとしました。
(2)登録金融機関における証券取引に係る総合口座貸越を一定の要件の下で可能としました。
具体的には、以下の要件を満たす登録金融機関における総合口座貸越による証券取引を可能としました。
○1月以内に完済するものであること
○累積投資契約に係る取引であること
○信用供与の上限額を10万円とすること
(3)投資信託の運用報告書等の電子交付の方法を追加しました。
従来、目論見書の電子交付については、書面交付後5年間、投資家の請求に応じて電子メール等により交付することができる態勢を整えれば、常にホームページに掲載することは不要であるとされていますが、投資信託の運用報告書・投資信託約款の電子交付には同様の規定がありませんでした。
この点について、投資信託の運用報告書・投資信託約款についても目論見書と同様の方式を可能としました。
(4)契約締結前交付書面における認定投資者保護団体に係る記載事項を見直しました。
従来、対象事業者となっている認定投資者保護団体を契約締結前交付書面に記載することとされており、業者が複数の団体に加盟している場合、全て記載する必要がありました。
この点について、契約を締結しようとする取引に関し、対象事業者となっている団体を契約締結前交付書面に記載することとしました。
(5)有価証券又は金銭の受渡しを伴わない取引に係る取引残高報告書の取扱いを見直しました。
従来、媒介等により顧客との有価証券又は金銭の受渡しを伴わない取引についても、四半期の間に取引があれば取引残高報告書を交付することが義務付けられていたところ、これを不要としました。
(6)従業員持株会を通じた株式所有スキームの金融商品取引法等における取扱いを明確化しました。
従業員持株会を通じた株式所有スキームのうち一定の要件を満たすものについて、内閣府令において引受業に係る適用除外を設けるとともに、「金融商品取引法等に関する留意事項について」を新設し、集団投資スキームに該当しないことや投資信託及び投資法人に関する法律第7条に反しないことを明確化しました。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について(平成21年9月9日)にアクセスしてください。
「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について
株式会社企業再生支援機構法(平成21年法律第63号)(以下「機構法」という。)は、6月26日に公布、9月28日に施行されました。
機構法の施行に係る金融庁関係府令の整備を行うため、7月24日から8月24日にかけて広く意見募集を行いました。改正された府令等については9月24日より公布し、機構法の施行日と同日に施行されています。
改正内容の概要は以下のとおりです。
1. 府令
(1)金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令
:株式会社企業再生支援機構(以下「機構」という。)を適格機関投資家に追加しました。
(2)銀行法施行規則等
:機構が支援決定をした対象会社に係る議決権保有株について、銀行及び保険会社等の投資専門子会社を通じた議決権保有制限(いわゆる5%(保険会社等は10%)ルール)の例外措置の対象としました。
2. 告示
(1)整理回収機構による資産買取価格に係る告示
:整理回収機構による金融再生法第53条買取りを決定する際の基準として、機構から買い取る債権が破綻懸念先以下であることを規定しました。
(2)銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準等
:支援対象事業者が金融機関からの資金の借入れに際し、機構により債務保証されたエクスポージャーについて、そのリスクウエイトを10%とすること等を規定しました。
「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」及び「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について
金融庁では、「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」及び「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)について、平成21年7月24日から平成21年8月24日にかけて、広く意見の募集を行い、先般9月24日にパブリックコメントの結果を公表し、各監督指針の改正を行いました。
改正の概要について、以下のとおりです。
○ 「株式会社企業再生支援機構法」の公布に係る改正
株式会社企業再生支援機構法(平成21年法律第63号)の公布を踏まえ、貸出条件緩和債権に該当しないための「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」の策定主体として、同機構を明記しました。
銀行法施行規則等の改正により、銀行等の議決権保有制限の例外に株式会社企業再生支援機構が支援決定をした対象会社が追加されることに伴い、所要の改正を行いました。
改正後の監督指針については、「株式会社企業再生支援機構法」の施行日(平成21年9月28日)から適用しています。
※ 詳しくは、金融庁ウェブサイトの「報道発表資料」から「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」及び「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について(平成21年9月24日)にアクセスしてください。
【金融ここが聞きたい!】
このコーナーは、大臣の記者会見における質疑応答などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。
もっとたくさんご覧になりたい方は、金融庁ウェブサイトの「記者会見」のコーナーにアクセスしてください。
Q1: 会計の話なのですけれども、以前もお伺いしたかもしれないのですが、国際会計基準の関係で、今のところ、2012年をめどに、上場企業、割合大きな会社だと思うのですけれども、そこを対象に国際会計基準を適用するか決めると。3年後ですけれども、そういうスケジュール感はあるのですが、これについては、今のところは変えないのか。それとも、そもそもそれも変えようというお考えなのか。
A1:これは、今はグローバルな時代ですから、理想で言えば、世界中の会社が同じような会計基準でやったほうが便利であることは間違いないです。しかし、それぞれの国の経済には、個性もあれば歴史的な経緯もある中で会社を営んでいるわけですから、そういう意味で、金太郎飴のようにピシッと日本の企業の企業会計を合わせていかなければならない、ということではないと私は思うのです。時間をかけて、世界で、日本だけを合わせるというのではなく、世界も合わせなければいけないわけでしょう。世界中が一つの方向にまとまっていくということは良いことですけれども、何か世界のものがあって、日本がそれに合わせていけば良いというものではないので。逆に言うと、世界の企業会計基準を日本が引っ張っていくぐらいの経済力が日本になければいけないのです。
Q2: その議論の中で、要するに、適用するなり、(議論の)中に入って日本基準に引っ張ってくるぐらいの勢いで交渉するというやり方と、そもそも全く受け入れない、「日本基準でいきます」というやり方と、2種類あるような気がするのですけれども。
A2:2種類って、単にきちんと大根を切るみたいに分けるものでもないけれども、これは、「日本だけが特別な道を歩みますよ」というわけにはいかないですね。もう国際取引もして、いろいろなこともやっているわけですから。そうはいかないけれども、もう短絡的に外国に切り目を合わせていけば良いというものでもない。
Q3: 今のところは、2012年とまだ先の話なのですが、今、出ているそのスケジュール自体を白紙にするという考えではない…。
A3:そういう気はありません。だから、それは日本だけのひとり相撲ではないですからね。