ジェームズ・フラーティ カナダ財務大臣と会談(4月4日) 入庁式の模様(4月2日)
ジェームズ・フラーティ カナダ財務大臣と会談(4月4日) 入庁式の模様(4月2日)
目 次
【トピックス】
 地域密着型金融の取組みについての評価と今後の対応について
 ソルベンシー・マージン比率の算出基準等について
 主要行等及び中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針等の一部改正及び広告表示を含めた顧客説明に係る取組みに関する要請文の発出について
 個人保証に過度に依存しない融資の推進にかかる要請について(再チャレンジ支援策)
 「金融改革プログラム」の終了にあたって
 日EU金融ハイレベル協議について
 第2回日EU会計基準・監査の動向に関するモニタリング会合とその背景について
 中学・高校生向け副教材「わたしたちの生活と金融の働き」の改訂について
 「利用者満足度アンケート」の取りまとめ結果の公表について
 ヘッジファンド調査(2006)の結果の公表について
 金融検査マニュアルの改訂について
 「金融検査評定制度」の一部改正及び「金融検査評定制度に関するQ&A」について
 第1回監査監督機関国際フォーラム(東京会合)について(公認会計士・監査審査会)
 中小規模監査事務所の監査の品質管理の公表について (公認会計士・監査審査会)
 金融行政体験制度(インターンシップ)について
 入庁式の開催について

【特  集】
 「金融機関におけるITの戦略的活用の推進に関するシンポジウム」の開催について

【金融ここが聞きたい!】

【お知らせ】
 「株券電子化」に関しての政府広報番組について
 証券市場における不正・違法行為に関する情報を受け付けています(証券取引等監視委員会)
 証券税制の軽減税率の適用期限が延長されました!
 金融庁の名を悪用した新たなヤミ金融の手口にご注意!
 電子申請・届出窓口のリニューアルについて
 新着情報メール配信サービスへのご登録のご案内

【3月の主な報道発表等】

【トピックス】

地域密着型金融の取組みについての評価と今後の対応について
- 地域の情報集積を活用した持続可能なビジネスモデルの確立を -
金融審議会 金融分科会 第二部会報告

地域密着型金融に関する平成19年4月以降の枠組みについては、「リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループ」(座長:堀内昭義(中央大学総合政策学部教授))において精力的な議論が重ねられ、その成果が、19年4月5日、金融審議会金融分科会第二部会報告書「地域密着型金融の取組みについての評価と今後の対応について‐地域の情報集積を活用した持続可能なビジネスモデルの確立を‐」としてとりまとめ、公表されました。以下、同報告書のポイントについてご紹介します。

◇ 基本的考え方

これまでの実績や新たな環境変化を踏まえ、地域密着型金融の基本的考え方として、以下の事項が示されています。

  •  まず、中小・地域金融機関が、地域密着型金融のビジネスモデルを確立・深化していくことが必要であること。
  •  特に、地域密着型金融の取組みが収益につながり持続可能なものとなるよう、顧客ニーズを踏まえ「選択と集中」を徹底・深耕することが必要であること。
  •  今後の重要な課題である地域の面的再生についても、地域の情報ネットワークの要である地域金融機関には、資金供給のみならず、情報、人材面でも果たせる役割があること。

◇ 具体的取組み

さらに、具体的取組み内容・推進体制として、以下のとおり示されています。

  • (1)今後、地域金融機関に共通して取組みを求める内容としては、地域密着型金融の本質に係わる以下の3点に限定されています。

    • (a)ライフサイクルに応じた取引先企業の支援の一層の強化

    • (b)事業価値を見極める融資手法をはじめ中小企業に適した資金供給手法の徹底

    • (c)地域の情報集積を活用した持続可能な地域経済への貢献

  • (2)行政に求められる推進体制としては、金融機関の自由な競争、自己責任に基づく経営判断の尊重を前提として、地域密着型金融が深化、定着するような動機付け、環境整備を図ることを基本とすべく、具体的には、以下の対応が適当との方向性が示されています。

    •  中長期的な視点も踏まえ、時限的なアクションプログラム方式から恒久的な枠組みへと移行することとし、監督指針に必要な事項を盛り込む。
    •  金融機関の競争を促すべく画一的な計画策定は義務付けず、自主的に策定する経営計画の内容及び進捗状況を通常の監督の中の定期的なヒアリング等によりフォローアップする。
  • (3)なお、制度、特性、主な取引先(小規模事業者)等が銀行とは異なる協同組織金融機関については、ガバナンスの強化をはじめとする経営力強化に引き続き力点を置きつつ、取引先(小規模事業者)のニーズが乏しい事項について公表や報告の簡素化を図る等、推進内容にメリハリがつけられています。

地域金融機関におかれては、本報告書を踏まえ、積極的に地域密着型金融を推進していくことが期待されます。


ソルベンシー・マージン比率の算出基準等について

金融庁が平成16年12月に公表した「金融改革プログラム」において、保険会社の財務体質の強化やリスク管理の高度化を図る観点から、ソルベンシー・マージン比率の見直しを行うことが、取り組むべき項目の一つとして挙げられています。

これを受け、昨年11月より、学識経験者等からなる「ソルベンシー・マージン比率の算出基準等に関する検討チーム」(座長 米山高生 一橋大学大学院 商学研究科教授)において検討を重ね、4月3日に「ソルベンシー・マージン比率の算出基準等について」を取りまとめ、公表しました。

今回の検討は、平成8年にソルベンシー・マージン比率を導入して以降、同比率に関する総括的な議論を行う初めての機会でした。そこで、検討チームにおいてはソルベンシー・マージン比率の算出方法のみならず、ソルベンシー評価のあり方、保険会社のリスク管理の高度化、消費者に対する周知のあり方なども含めて、包括的、網羅的な議論が幅広く行われました。

検討チームの主な取りまとめ内容としては、以下のとおりとなっています。

当庁としては、この取りまとめ内容を踏まえ、今後、具体的な見直しの実施及び経済価値ベースのソルベンシー評価の実現に向けて検討を行っていくこととなります。

1.総論

  • ソルベンシー・マージン比率の意義付け

    保険会社

    リスク計測・管理手法の高度化、特にALMの実施へのインセンティブを与え、経営陣の意識改革を促す。

    消費者

    理解向上のための取組みとして、保険会社のディスクロージャー等を通して比率の数値そのものの意味の周知を図る。

  • 信頼性の向上

    •  今般の見直しにおいて、金融市場実勢の反映や信頼水準の向上により、200%(早期是正措置のトリガー)の信頼性を向上させる。
  • ソルベンシー評価の方向性

    •  経済価値ベースでの資産価値と負債価値の差額(純資産)自体の変動をリスク量として認識し、その変動を適切に管理するソルベンシー評価を目指す。

2.具体的見直しの実施に向けての考え方

経済価値ベースの評価手法が導入されるまでの間は、現在の評価手法を改善しつつ運用。

  • 具体的見直しの考え方

    •  直近の市場実勢を反映するため、リスク係数の算出根拠となるデータを直近の状況を踏まえ置き換える。また、単にデータの洗替えを行うだけでなく、その数値の算出方法が一般に説明でき、納得が得られる必要がある。
    •  ソルベンシー・マージン比率の信頼性の向上のため、リスク係数の信頼水準の引き上げを検討していく必要がある。段階的な取組みの一歩として、例えば95%程度に向上させることが適当。
  • (具体的見直し)
  • リスク

    予定利率リスク

    最新のデータに基づいた現行のリスク係数の見直しなど。

    価格変動等リスク

    信頼水準及び計測期間を再検討した上で最新のデータに基づき検証。

    分散投資効果

    各社の資産構成割合を基に計算する方法を検討。

  • マージン(支払余力)

    繰延税金資産・税効果相当額・将来利益

    一定の適正化に向けて検討が必要。

3.経済価値ベースのソルベンシー評価を実現するための取組み

平成22年(2010年)を見据えて不断の作業を進める。

  • (具体的取組み)
  • 経済価値ベースでの負債評価に向けた取組み

    •  責任準備金の最良推計(ベストエスティメイト)のための作業への着手。
  • 標準的リスク計測手法の高度化への取組み

    •  各社のALMを反映した金利リスク等の測定に関する標準手法の開発を目指す。

※ 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「ソルベンシー・マージン比率の算出基準等について」の公表について(平成19年4月3日)または、「金融庁の政策」から金融改革プログラムにアクセスしてください


  1. 保険金等の支払能力。
  2. 経済価値ベースの評価とは、市場価値と整合的な資産・負債のキャッシュフローの評価。
  3. 価格変動等リスクについては、現在90%の信頼水準。
  4. 欧州において経済価値ベースのソルベンシー評価実現のための節目の年となると見込まれている。

主要行等及び中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針等の一部改正及び広告表示を含めた顧客説明に係る取組みに関する要請文の発出について

1.はじめに

金融庁は、本年3月30日、「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」及び「金融コングロマリット監督指針」を改正しました。

具体的には、

  • (a)顧客への説明態勢について(デリバティブ取引を組み込んだ預金商品(以下、「仕組預金」と言う。)に係る説明態勢など)

  • (b)規制緩和要望に係るもの(第三者割当増資を行う際の内部管理態勢の構築状況等係る届出義務の一部免除等)

  • (c)その他(金融機関が策定する業務継続計画に係る監督上の着眼点の改正等)

について、改正を行いました。なお、当該改正内容は、本年3月30日(公表当日)より、実施されております。

また、本年3月28日に、仕組預金の広告表示が不当景品類及び不当表示防止法において禁止されている有利誤認に該当するとして、一部の金融機関が公正取引委員会から排除命令を受ける事案が発生いたしました。そこで、当該事案や上記(a)の改正の趣旨を踏まえて、広告表示を含めた顧客説明に係る取組みについて、各金融機関や全国銀行公正取引協議会に対して、要請文を発出いたしました。

本コーナーにおいては、その中でも、消費者の皆様のご関心も特に高いと思われる、(a)について、監督指針改正の経緯・概要について説明いたします。

また、各金融機関及び全国銀行公正取引協議会に対する要請文を発出するに至った経緯及びその概要についても併せて説明いたします。

2.監督指針改正の経緯及び概要

仕組預金は、金利オプションや通貨オプションなどのデリバティブ取引を組み込んだ預金商品などを指し、例えば、満期まで保有すれば一般の定期預金に比較し高金利となる一方、仮に中途解約した場合には、デリバティブ取引の再構築コストを預金者が負担することから、これにより元本割れする可能性が高くなる仕組みのものがあります。仕組預金を含めたリスク商品等の販売(広告表示を含む)・説明態勢等については、金融庁では、平成18年8月に策定した「平成18事務年度 主要行等向け監督方針」において「説明態勢及び相談、苦情処理機能の充実強化」を重点事項として掲げ、顧客が、商品のリスクや特性について十分に理解した上で取引できるよう、十分に説明がなされているか、等について監督を行っているところです。

しかしながら、仕組預金の中途解約時の取扱に係る情報・苦情等が、金融庁金融サービス利用者相談室に寄せられたこと等も踏まえ、利用者保護ルールの徹底と利便性の向上の観点から、今般、次のような監督指針の改正を行いました。

  • (1)仕組預金に係る説明態勢について

    仕組預金について、銀行法第12条の2第1項及び同法施行規則第13条の3の規定の趣旨を踏まえて、預金者等の求めの有無にかかわらず、顧客の知識、経験及び財産の状況等から見て問題がない場合を除き、次の点について書面を交付して説明する態勢が整備されているか、を監督上の着眼点とすることとしました。

    • (a)中途解約時に、デリバティブ取引の解約精算金によって元本割れの可能性がある場合には、その解約精算金の計算方法(説明時の経済情勢において合理的と考えられる前提での解約精算金の試算額を含む。)。

    • (b)満期日を選択できる権利や払戻時の通貨等を選択できる権利を銀行が有している場合には、権利行使によって預金者等が不利となる可能性があること。

    また、仕組預金を組成した金融機関が、預金商品に係る提携契約等に基づき、提携金融機関に対して、販売・説明態勢等に係る助言等を行う場合には、当該商品のリスクや商品性等に関する情報を適切に提供しているかという点についても併せて監督上の着眼点として追加しています。

  • (2)銀行法第13条の3(禁止行為)に係る監督上の着眼点の追加

    平成18年4月の銀行法の改正により、顧客に対し虚偽のことを告げる行為といった銀行の業務に係る禁止行為が規定されたことを踏まえ、「預金・リスク商品等の販売・説明態勢及び相談・苦情処理機能」において、例えば、顧客を誤解させるおそれのある表示と行うなどの禁止行為に該当する疑義がある場合について、報告を求めるなどの監督上の対応を検討すべき対象に追加しています。なお、「与信取引(貸付契約及びこれに伴う担保・保証契約)に関する顧客への説明態勢及び相談・苦情処理機能」についても同様の改正を行っております。

3.各金融機関及び全国銀行公正取引協議会に対する要請文の発出について

今般、説明態勢について監督指針の改正を行った仕組預金については、今後、金融商品取引法における「広告等の規制」、「契約締結前の書面の交付」、及び「適合性の原則等」などの行為規制が適用されることとされています。

また、本年3月28日に、仕組預金の広告表示において不当景品類及び不当表示防止法において禁止されている有利誤認に当たる表示が行われていたとして、一部の金融機関が公正取引委員会から同法に基づく排除命令を受ける事案が発生しました。金融機関の広告表示については、昨年8月にも一部の金融機関が公正取引委員会から警告を受けたことを踏まえ、金融庁から全預金取扱金融機関に対し、「顧客が誤認するおそれのない分かりやすい広告表示等の徹底」を行ったが、再度、今般のような事態に至ったことを金融庁としても非常に重く受け止めているところです。

これらを受けて、金融庁では、監督指針の改正と同日の3月30日に、全預金取扱金融機関に対し、顧客保護及び利用者利便の観点から、広告表示を含めた顧客への説明態勢のより一層の充実・強化を図るよう要請を行いました。また、併せて、「銀行業における表示に関する公正競争規約」を制定している全国銀行公正取引協議会に対し、顧客が誤認するおそれのない分かりやすい広告表示を行うための基準のより一層の充実・強化を図るよう要請を行いました。


個人保証に過度に依存しない融資の推進にかかる要請について
(再チャレンジ支援策)

国民ひとりひとりがその能力や持ち味を十分発揮し、努力が報われる公正な社会を構築していくことは、国政の重要な課題であるとの認識のもと、平成18年3月29日、内閣に「多様な機会のある社会」推進会議(再チャレンジ推進会議)が設置されました。同年12月25日には、必要な施策の実効性・効率性を高めるため、第7回再チャレンジ推進会議において「再チャレンジ支援総合プラン」新しいウィンドウで開きますが決定されました。さらに、翌26日の関係閣僚会合で同プランが了承され、再チャレンジ支援を一体的かつ総合的に推進することとされました。

これを受け、平成19年3月26日、金融庁は、「再チャレンジ支援総合プラン」に盛り込まれた施策を実施するため、以下の内容について各業界団体および各金融機関に要請文を発出しました。

  • 1.  業界団体に対し、個人保証に過度に依存しない融資の取組状況についてアンケートを実施・公表するよう要請

    各業界団体に対し、傘下金融機関における個人保証に過度に依存しない融資の取組状況にかかるアンケートを実施し、公表することを要請しました。アンケートの実施項目は、以下に示す各融資手法について、期末残高、その純合計および各金融機関における特徴的な取組事例等としています。

    • (a)動産・債権譲渡担保融資(ABLを含む)

    • (b)知的財産担保融資

    • (c)コベナンツを活用した融資

    • (d)スコアリングモデルを活用した融資

  • 2.  金融機関に対し、個人保証に過度に依存しない融資の取組状況を公表するよう要請

    各金融機関における個人保証に過度に依存しない融資の取組状況(例えば、動産・債権譲渡担保融資(ABLを含む)、知的財産担保融資、コベナンツを活用した融資、スコアリングモデルを活用した融資についての決算期末残高、年間実績、特徴的な取組事例等)を適切に情報開示するよう要請しました。

金融庁としては、再チャレンジ支援総合プランに基づき、引続き適切な取組みを行っていく予定です。各金融機関等においても、再チャレンジ支援の趣旨を十分ご理解いただき、個人保証に過度に依存しない融資の推進等に前向きに取り組まれることを期待します。

※ 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から、「個人保証に過度に依存しない融資の推進にかかる要請について(再チャレンジ支援策)」(平成19年3月26日) にアクセスしてください。


「金融改革プログラム」の終了にあたって

平成17年4月からの2年間を対象期間とする「金融改革プログラム」は、我が国金融行政が不良債権問題への対応から脱却し、将来の望ましい金融システムを目指す局面へ移行する過程で重要な役割を果たしました。この間、金融商品取引法制や改正貸金業法等が成立し、市場監視機能の強化が実現する等、「金融改革プログラム」の目標は概ね達成されたと考えております。

金融庁としては、今後とも、利用者のニーズや社会経済の動向、金融環境の変化等に応じ、不断に新たな課題に取り組んでいく必要があると考えております。今後の主な課題としては、

  • (a)我が国金融・資本市場の国際競争力の一層の強化、

  • (b)利用者保護の徹底と利用者利便の向上、

  • (c)地域密着型金融の推進、

  • (d)金融機関におけるガバナンスの強化やコンプライアンスの徹底、

  • (e)金融行政の信頼性の更なる向上と人材の強化、

が挙げられます。

「金融改革プログラム」は終了しますが、金融庁においては、今後とも、利用者満足度が高く、地域経済に貢献し、国際的にも魅力のある金融・資本市場の実現とともに、透明で信頼される金融行政の確立を目指してまいります。

なお、金融庁は、これまでの2年間における諸施策を取りまとめた実施状況を公表しました。実施した主な施策は以下のとおりです。

実施時期 主な施策
平成17年
6月
金融コングロマリットの監督、業態横断的な問題への対応として、グループとしてのリスク管理態勢等に係る監督上の着眼点・留意点を明確化した「金融コングロマリット監督指針」の策定・公表(24日、18年5月1日・7月31日・19年3月30日改訂)
7月 金融機関の経営改善に向けた動機付けとして、検査結果を段階評価する「預金等受入金融機関に係る検査評定制度について」の公表(1日)
金融サービス利用者からの質問・意見・相談等に一元的に対応する「金融サービス利用者相談室」の立上げ(19日)
9月 「金融監督の原則と監督部局職員の心得(行動規範)」の策定・公表(2日)
10月 多様で良質な金融商品・サービスの提供に向けた制度設計への対応として、銀行法等を改正して銀行等の代理店制度を見直し(26日)
「主要行等向けの総合的な監督指針」の策定・公表(28日、18年3月31日・5月1日・19年1月23日・3月13日・3月30日改訂)
平成18年
3月
バーゼルII・第1の柱(最低所要自己資本比率)に関する告示を制定(27日)
6月 投資者保護のための包括的・横断的法制の整備として、金融商品取引法制が成立(7日)
信頼される証券市場を構築する上で、証券会社が担うべき市場仲介機能等の適切な発揮へ向けて求められる取組みについての検討結果として「証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会 論点整理」を公表(30日)
わが国市場をアジアの金融拠点にするための方策についての共同研究の成果として、「アジア金融資本市場とわが国市場の発展に関する共同研究会」論点整理を公表(30日)
7月 課徴金制度及び執行体制の強化のため、証券取引等監視委員会事務局を2課3室体制から5課1官体制に再編(1日)
12月 信託機能の利用を更に促進するための法制として、信託業法の見直しを含む「信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が成立(8日)
多重債務問題の解決等への対応として、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立(13日)
バーゼルIIに対応した金融検査マニュアルの改訂(26日)
平成19年
1月
我が国の金融・資本市場の国際金融センターとしての魅力向上について、金融審議会金融分科会「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」において議論を開始(30日)
3月 公認会計士・監査法人制度の充実・強化を図るため、「公認会計士法等の一部を改正する法律案」を第166回通常国会に提出(13日)
事業者の資金調達の円滑化等を図るため、電子記録債権に関する私法上の規律および電子債権記録機関に対する監督等について必要な事項を定める「電子記録債権法案」を第166回通常国会に提出(14日)
バーゼルII・第3の柱(市場規律)に関する告示を制定(23日)
バーゼルIIの実施(31日)

※ 詳しくは、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「『金融改革プログラム』の終了にあたっての所感および進捗状況の公表について」(平成19 年3月30日)にアクセスして下さい。


日EU金融ハイレベル協議について

  • 1.  平成19年3月26日午後、日本の金融庁庁舎内において、「日EU金融ハイレベル協議」が開催されました。この協議は、日EU双方がお互いの金融規制に関する情報を共有し、必要があれば双方の立場を調整する場として機能しています。本年は、日本から丸山金融庁審議官等が、欧州委員会からはデルソー域内市場総局F局長等がそれぞれ出席しました。

  • 2.  まず金融庁からは、本年3月末からのバーゼルIIの実施に向けた準備作業や昨年成立した金融商品取引法の主な内容や実施の詳細スケジュールなどについて説明しました。

  • 3.  欧州委員会からは、本年11月に施行予定の金融商品市場指令(MiFID)の導入に向けた、技術的な実行措置や進展状況について説明がありました。また、投資ファンドにおける費用対効果と投資家保護に関する最新の検討状況についての説明もありました。さらに、信用格付け機関に関しては、現時点では、現行のEUの法的枠組みで十分であり、同委員会は、欧州証券規制当局委員会(CESR)と協力しながら、格付け機関がIOSCO(証券監督者国際機構)の規範を遵守しているかを監視していくとの考えを示しました。

  • 4.  また、協議では、最近注目が高まっているヘッジファンドや先進的な金融手法の出現等も含めて、これらが近年、金融システムの効率化に大いに寄与してきたこと、ヘッジファンド産業及び商品が著しく拡大する中で、一層の警戒と注意が必要との見解で一致しました。金融庁は、2006年に行った日本のヘッジファンドに関する第二回調査結果(2007年3月15日公表)について説明しました。

  • 5.  以上の他、(a)欧州委員会が2007年7月に指令を採用することとしているソルベンシーII、及び(b)高度化された財務情報の開示手段であり、現在金融庁が導入に向けて取り組みを行っているXBRL(eXtensible Business Reporting Language)について、双方から取り組み状況等の説明及び意見交換がなされました。

なお、協議の翌日、日EU双方の合意に基づき、会議の概要を示すプレスリリースが公表されています。プレスリリース内容については、金融庁ホームページの「報道発表資料」から「日EU金融ハイレベル協議について」(平成19年3月27日)にアクセスしてください。

※ 次回の協議は、ブリュッセルで開催される予定です(時期未定)。


第2回日EU会計基準・監査の動向に関するモニタリング会合とその背景について

第2回 日EU会計基準・監査の動向に関するモニタリング会合が、2007年3月23日及び26日に東京で開催されました。本稿では、その背景となる、欧州連合(EU)による会計基準の同等性評価及び監査の同等性評価について御紹介します。

I.欧州連合(EU)による会計基準の同等性評価について

1.概要

EUでは、発行開示にかかる「目論見書指令」(2003年12月採択)及び継続開示にかかる「透明性指令」(2004年12月採択)により、EU市場に上場する域内企業について、2005年1月からIFRS(国際会計基準)の使用が義務付けられています。

EU市場に上場する第三国企業についても、国際会計基準又はこれと「同等」の基準の使用が義務づけられる予定であり、欧州委員会(EC)は、これまで日米加等の会計基準に対する同等性評価の作業を進めてきています。ECは、当初2007年1月からの適用開始を予定していましたが、2006年12月、国際的なコンバージェンスが進展していること等を踏まえ、適用開始を2年間延期するとともに、同等性評価を2008年6月までに実施することを決定したところです。

2.EUによる会計基準の同等性評価を巡る最近の動向

EUによる会計基準の同等性評価を巡る最近の動向は、以下の通りです。

● 2005年7月 欧州証券規制当局委員会(CESR)が、会計基準の同等性評価に関する「技術的助言」を公表。日本基準については、全体として同等としつつも、26項目の差異を指摘。
● 2006年4月 ECが同等性評価の2年間延期を提案。
● 2006年7月 企業会計審議会・企画調整部会が、意見書「会計基準のコンバージェンスに向けて」を公表。
● 2006年10月 企業会計基準委員会(ASBJ)が、「我が国会計基準の開発に関するプロジェクト計画について―EUによる同等性評価等を視野に入れたコンバージェンスへの取組み―」を公表。
● 2006年11月 金融庁は、ECと、第1回会計基準・監査の動向に関するモニタリング会合を開催。
● 2006年12月 ECが、同等性評価の2年間延期を決定。
● 2007年3月 第2回会計基準・監査の動向に関するモニタリング会合を開催。

3.今後のスケジュール

EUによる会計基準の同等性評価にかかる今後の具体的なスケジュールは以下のとおりです。

○ 2007年4月まで… ECは、日米加等の会計基準について、当該国の会計基準当局による作業工程表に関する最初の報告書を策定し、欧州証券委員会と欧州議会に報告
○ 2007年5月まで… CESRは、同等性の評価メカニズムに関し、欧州委員会に助言
○ 2008年1月まで… ECは、同等性の定義及び評価メカニズム決定
○ 2008年4月まで… ECによる欧州証券委員会と欧州議会に対する最終報告
○ 2008年6月まで… ECは、同等性評価決定
○ 2009年1月から… 国際会計基準又は同等の基準の適用開始

II.欧州連合(EU)における監査の同等性評価について

1.概要

EUでは、2006年6月に法定監査指令が採択されました。同指令は、2008年6月末以降、EU域内において監査人が法定監査を実施するための要件を定めています。具体的には、監査人としての資質要件、監査に当たって監査人が遵守すべき監査基準及び独立性規則、監査事務所による開示義務、当局による検査・監督などが定められています。

他方、EU市場に上場する第三国企業を監査する第三国の監査事務所等についても、(a)EU加盟国当局に登録した上で、当該当局による監督に服すること、または、(b)第三国において、EU指令で定められているものと「同等」な監督に服することが定められており、欧州委員会(EC)は、現在、同等性評価の作業を進めています。

なお、各EU加盟国は、2008年6月末までに同指令で定められている要件を法制化することが求められています。

2.EUによる監査に関する同等性評価を巡る最近の動向

EUによる監査に関する同等性評価を巡る最近の動向は、以下の通りです。

● 2004年3月 ECが法定監査指令案公表
● 2006年6月 ECが法定監査指令採択
● 2007年1月 ECが法定監査指令45-47条の実施細則に関する協議資 料公表。
● 2007年3月 我が国から、上記協議に対し、コメント・レターを送付。

※ 詳しくは金融庁ホームページの「報道発表資料」から、「第2回日EU会計基準・監査の動向に関するモニタリング会合について」(平成19年3月27日)にアクセスしてください。


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