アクセスFSA 第248号

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Contents

「Japan Fintech Week 2024」及び「FIN/SUM 2024」の開催

Japan Fintech Week 2024特設サイトのロゴマーク

1.「Japan Fintech Week 2024」開催概要

金融庁は日本のフィンテックの魅力を世界に発信し、フィンテックの更なる発展に向けたビジネス機会を創出するため、新たな試みとして「Japan Fintech Week 2024」を初開催しました。本年3月4日(月曜日)~8日(金曜日)をコアウィークとし、今回で8回目の開催となる「FIN/SUM 2024」を中核イベントとしつつ、前後週も含めて各種団体(官・民)が開催する多彩なフィンテック関連イベントと連携し、国内外のフィンテック事業関係者が一堂に会す場とすることを目指しました。

期間中は、延べ12,900人以上が参加し、50を超える国と地域からフィンテック事業関係者が集まり盛況となりました。

延べ参加人数:12,900人以上、参加・地域:50以上、満足度:85パーセント、関連イベント数」49

イベント詳細については特設ページ新しいウィンドウで開きますよりご覧いただけます。

Japan Fintech Week 2024における主な関連イベント及び主催者

2.「FIN/SUM 2024」開催概要

金融庁と日本経済新聞社は、国内最大級のフィンテックカンファレンスである「FIN/SUM 2024」を、本年3月5日~8日の4日間、開催しました。2016年から開催され8回目となった今年の「FIN/SUM 2024」では岸田総理の挨拶(ビデオメッセージ)を皮切りに、生成AI、デジタル資産、地域、保険などをテーマに様々な視点から議論が実施されました。

岸田総理挨拶(ビデオメッセージ)の写真
写真:岸田総理挨拶(ビデオメッセージ)

ユニーク来場者数は前回から倍増の約2,700名(うち海外参加者1割程度、延べ参加者数は約4,100名)となり、Japan Fintech Week 2024との同時開催の効果もあって、過去最大規模の参加者数になりました。

FIN/SUM2024における新たな取組
  • 金融庁が20セッションを担当(昨年の倍)
  • 4日間の開催日ごとにテーマを設定
  • 地域コンテンツを大幅に拡大
  • 試行的にラウンドテーブルを複数実施
  • 金融庁パーカーを作成
井林副大臣による初日閉会挨拶の写真
写真:井林副大臣による初日閉会挨拶
金融庁担当セッション(抜粋)
  • 岸田総理挨拶(ビデオメッセージ)
  • 鈴木大臣挨拶(当日は栗田長官代読)
  • 対談: EUデジタル資産規制の進展
  • パネル:AIが描く金融の未来:リスクを超えて
  • 井林副大臣挨拶
  • デジタル・マネーと決済・送金の未来
  • 伝統的金融×トークナイゼーションの可能性:イノベーションとコンプライアンスの両立を目指して
  • 地銀×イノベーション拠点としてのシリコンバレー
  • テクノロジーで拓く地域の未来
栗田長官登壇セッションの様子の写真
写真:栗田長官登壇セッションの様子
主なラウンドテーブル
  • Roundtable on Fintech and Innovation for Central Bankers in Asia powered by Bank of Japan(BOJ)
  • FSA Blockchain Round-Table 2024
  • 地域金融機関と国内外フィンテック事業者等との連携によるイノベーションの実現
  • 地域金融機関によるスタートアップへの資金供給の在り方

様々なテーマで開催されたラウンドテーブルでは、ステークホルダーの建設的な議論促すためチャタムハウスルールを採用し、ラウンドテーブルでは率直かつ自由な議論が行われました。

ラウンドテーブルの様子の写真
写真:ラウンドテーブルの様子

3.主な関連イベント

Japan Fintech Festival
  • 日時:3月4日~8日(計5日間)
  • 場所:神田明神
  • 主催者:Elevandi(星政府/MASからスピンアウトしたNPO)
  • 主なプログラム:Global Leaders Dialogue(パネルディスカッション), Strategic Industry Roundtables, The Founders Day, Digital Asset Summit, Power Roundtables等
神田政務官による基調講演の写真
写真:神田政務官による基調講演
デジタルバンキング展
  • 日時:3月14日~15日(2日間)
  • 場所:ステーションコンファレンス東京
  • 主催者:日本金融通信社(ニッキン)
  • 主なプログラム:講演、パネルディス カッション、セミナー
柳瀬審議官による基調講演の写真
写真:柳瀬審議官による基調講演
テーマ別関連イベント
※〔 〕内は主催者
■ デジタル資産、Web3.0
  • ・デジタル証券(セキュリティトークン)シンポジウム〔東京都〕
  • ・BGIN Block#10 〔 BGIN 〕
  • ・ブロックチェーン・ラウンドテーブル〔金融庁〕
■ AI・データ利活用
  • ・「金融×スタートアップEXPO 2024」〔FinGATE×金融IT協会〕
  • ・生成AI Meet Up 〔AWS〕
  • ・第2回金融データ活用チャレンジ表彰式〔金融データ活用推進協会〕
■ 地域
  • ・SARBLABツアー「Fintechカルチャーを学ぶ」〔第二地方銀行協会 SARBLAB〕
  • ・Osaka Fintech Workshop〔大阪府、大阪市、都市活力研究所〕
  • ・Fukuoka FinTech Meetup〔福岡県〕
■ インシュアテック
  • ・生成AIラウンドテーブル〔アフラック、日本経済新聞社〕
  • ・ホケンノミライ〔Guardtech〕
  • ・ITC Japan 2024〔Plug and Play〕
■ ピッチイベント
  • ・FINOPITCH〔4F〕
  • ・インパクトピッチ〔日本経済新聞社〕
  • ・UK FinTech Mission to Japan 2024〔英国大使館〕

Japan Fintech Week 2024開催期間中は上記関連イベントの他、様々なネットワーキングも開催されました。

金融庁、Fintech協会主催レセプションの様子の写真
写真:金融庁、Fintech協会主催レセプションの様子

4.FinTechサポートデスク出張相談

金融庁では2015年よりフィンテックに関する一元的な相談・情報交換窓口「FinTechサポートデスク」を設置しています。当デスクでは、フィンテックをはじめとした様々なイノベーションを伴う事業を営む、または新たな事業をご検討中の皆様から、具体的な事業・事業計画等に関連する事項をはじめとした様々な点について、幅広く金融面等に関する相談を受け付けています。

Japan Fintech Week 2024中、FIN/SUM会場(丸ビル)やJapan Fintech Festival会場(神田明神)の一部に相談ブースを設けて出張相談を実施。規制に係る事項の相談だけでなく、事業に関する一般的な意見交換も行われました。海外事業者からクロスボーダー送金事業に係る相談などが寄せられ、ライセンスの類型、登録要件、登録までの流れ、登録に係る期間等を案内しました。

出張相談の様子の写真
写真:出張相談の様子

通常は電話にてご相談を受け付けております。下記の連絡先まで、金融庁FinTechサポートデスク担当宛にお電話ください。

受付時間:平日9時30分~18時15分

電話番号:03-3506-7080

来年も開催決定!ぜひご来場ください!

Japan Fintech Week 2025

2025年3月3日~7日(コアウィーク)

FIN/SUM 2025

2025年3月4日~7日


 「討議された内容を外部で話すことはできるが、発言者や所属を特定する内容については伏せなければならない」というルール


四半期開示制度の見直しに伴う監査人による必要な対応に関する議論
~企業会計審議会総会における神田政務官への意見書の手交~

本年3月12日、企業会計審議会総会※1を開催し、「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂及び監査に関する品質管理基準の改訂(以下、「期中レビュー基準等」)」及び「開示・会計・監査を巡る最近の動向」について議論が行われました。

1.期中レビュー基準等について

金融商品取引法に基づく四半期報告制度について、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告において、法令上の四半期開示義務を廃止し取引所規則に基づく四半期決算短信に一本化し、監査人によるレビューを一律に義務付けず企業の判断に委ねるなどの方向性が示されたことを受け、金融商品取引法の改正案を取りまとめ、令和5年11月20日に「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(令和5年11月29日法律第79号)が成立しました。

こうした中、四半期開示の見直しに伴う監査人のレビューに係る必要な対応については、令和5年4月に開催した企業会計審議会総会の議論を踏まえ、監査部会において、同年9月より審議を開始し、四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂案等が取りまとめられました。

監査人によるレビューに関する基準の改訂

今回の改訂案では、改正後の金融商品取引法における中間財務諸表に対するレビューに加えて、一本化後の四半期決算短信におけるレビューも含め、年度の財務諸表の監査を実施する監査人が行う期中レビューの全てに共通するものとして、四半期レビュー基準を期中レビュー基準に名称変更するとともに、これまでの適正性に関する結論の表明の形式に加えて、準拠性※2に関する結論の表明の形式等を導入することとしました。この改訂により、期中レビューが、一般に公正妥当な監査の基準である期中レビュー基準に従って実施されることが明確になり、レビューや開示情報に対する信頼性の確保につながると考えられます。

本総会では、堀江監査部会長より、期中レビュー基準等の策定経緯・概要についての説明が行われた後、企業会計審議会総会として期中レビュー基準等に係る意見書が取りまとめられました※3

堀江監査部会長から神田政務官へ当該意見書を手交し、神田政務官より、

  • 「新しい資本主義」の下、資産運用立国を実現していくためには、企業情報が適時適切に開示されるとともに、我が国の金融・資本市場に対する内外の投資家の信頼性を確保することが必要不可欠であること
  • 我が国の会計・監査等の制度インフラについて、企業会計審議会で議論いただきながら、不断に整備を進めていくことが重要である旨をご挨拶いただきました。
堀江監査部会長から神田政務官への意見書の手交の写真
写真:堀江監査部会長から神田政務官への意見書の手交

2.開示・会計・監査を巡る最近の動向について

併せて、開示・会計・監査を巡る最近の動向※4について事務局より説明した後、議論が行われ、「継続企業の前提や不正に関する国際監査基準の改訂を踏まえた対応」について、今後、監査部会で審議することが承認されました。


※1 議事次第及び配布資料

※2 レビューには、財務諸表が表示のルールに準拠しているか評価する準拠性結論と、さらに財務諸表が利用者の適切な理解のために全体として適切に表示されているかまで評価する適正性結論があります。四半期レビュー基準の対象は、適正性結論のみであったところ、期中レビュー基準では準拠性結論も対象にすることとしました。

※3 本年3月27日公表 「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂に係る意見書」及び「監査に関する品質管理基準の改訂に係る意見書」の公表について

※4 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関する検討、国際会計基準への対応、会計基準を巡る国際的な動向及び国際監査基準等における主な改訂について事務局より説明しました。


第13回 日本証券サミット
~有泉金融国際審議官登壇~

3月6日、英国ロンドンのマンションハウスにて、日本証券業協会、日本取引所グループおよび国際資本市場協会(ICMA)が共催する「第13回 日本証券サミット」が開催されました。

日本証券業協会によりますと、ロンドンでの対面開催は5年ぶりであり、約300名の現地の金融機関関係者や機関投資家等が参加しました。

サミットの冒頭に岸田総理によるビデオメッセージが流され、その後木原誠二衆議院議員より「日本への投資のチャンスを逃さないように」というメッセージの下、資産所得倍増プランや資産運用立国に向けた取組みなど新しい資本主義の実現に向けた施策に関する基調講演がなされました。

金融庁からは有泉金融国際審議官が、”Promoting Japan as a Leading Asset Management Center”というテーマでリードスピーチを行いました。スピーチ冒頭ではGDP、CPI、ROEなどの各種マクロ経済指標のデータを使用し、日本経済の現状分析を客観的に示しました。その上で、日本の資産運用立国実現に向けた施策を包括的かつ詳細に示しました。具体的には、新NISA制度の開始、金融機関の顧客本位の業務運営の法制化、コーポレートガバナンス改革、金融資産運用特区、アセットオーナー原則などについて説明しました。

有泉金融国際審議官のリードスピーチに使用した資料は、金融庁ウェブサイトで公表しております。

有泉金融国際審議官のリードスピーチの模様の写真
写真:有泉金融国際審議官のリードスピーチの模様
パネルディスカッションの模様の写真
写真:パネルディスカッションの模様

有泉金融国際審議官のリードスピーチに続いて、「日本市場の活性化に向けた諸施策について」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションには、司会にエコノミスト・グループのアナ・ニコール氏(ディレクター・オブ・インダストリー・アナリシス)、パネリストとして、有泉金融国際審議官の他、ステファニー・ドゥルーズ氏(日興アセットマネジメント代表取締役社長)、池田雄之輔氏(野村証券市場戦略リサーチ部チーフ・エクイティ・ストラテジスト)、ジェームズ・ゴートリー氏(シュローダーグローバル・エクイティ・ポートフォリオ・マネージャー)が参加しました。

担当所感:総合政策局総務課国際室国際証券係・課長補佐 名古屋 智寛

今回、日経平均株価(終値ベース)が、日本証券サミットの開催直前の2月下旬にはバブル期の最高値を34年ぶりに超え、前々日の3月4日には4万円を超えました。

こうした背景もあり、会場では「日本の株価が好調なのはバブルのように一時的なものなのか、それとも今後も続いていく良い兆しなのか」といった点について海外機関投資家等から関心を集め、またそれに関連し日本政府の資産運用立国実現に関する施策についての質問も集中しておりました。

多くの登壇者からは、今後の日本企業への投資拡大等についてポジティブな意見が聞かれ、日本のマーケットに対する関心の高さがうかがえました。


\Japan Weeks 2024の開催/
(コアウィーク:2024.9.30~10.4)

Japan Weeksのロゴマーク

政府は、国際金融センターや資産運用立国の実現に向けた取組を推進しています。

こうした取組の一環として、昨年秋に初めての「Japan Weeks」を開催し、海外の投資家や資産運用会社等が参加する様々なイベントが開かれました。

引き続き、海外投資家等とのコミュニケーションを強化するため、本年秋に2回目となる「Japan Weeks」を開催いたします。

9月30日から10月4日をコアウィークとし、前後の週を含め、様々なイベントが開催される予定です。

このコアウィーク中の10月3日には、「資産運用フォーラム」の立ち上げイベントが開催されます。「資産運用立国実現プラン」に関する意見交換に加え、新興運用業者やサステナブルファイナンスの促進などが議論される見込みです。

今後特設ページを開設し、情報発信してまいりますので、ぜひご注目ください!

「Japan Weeks」のイベント連携にご関心のある方は、japan_as_ifc@fsa.go.jp宛にご連絡ください。

昨年のJapan Weeksについては、特設ページ新しいウィンドウで開きますをご覧ください。


 Japan Weeks 2024の開催(3月22日公表)


先月の金融庁の主な取組(令和6年3月1日~3月31日)

編集後記

今月号では、日本と英国のそれぞれで、日本の金融の魅力を発信する行事の模様を紹介しています。また、金融に携わる海外の方が日本にいらっしゃる機会も、暖かくなるに連れて増えている印象を持っています。日本の魅力を世界にどのように発信していくか、メッセージ作りを考える毎日ですが、同時に海外はどのように発信を行っているのかも研究し、世界に届く発信を心がけていきたいと思っています。

さて、新年度を迎え、朝の駅では爽やかな装いの新社会人の方々や、新しい制服を身にまとう学生さんたちの姿を見かけることが多くなり、私自身も気を引き締められる思いです。私たちの政策発信もどのような姿がいいのか見つめ直すため、メッセージだけでなく、その発信方法も検討しています。より多くの方々のご意見を踏まえ、新たな装いを検討していますので、どうぞご期待ください。

  • 金融庁広報室長 矢野 翔平

    編集・発行:金融庁広報室

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