アクセスFSA 第94号(2011年4月)
【金融ここが聞きたい!】
このコーナーは、大臣の記者会見における質疑応答などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。
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Q:保険のことなのですけれども、この被害、特に被災地の被害がどんどん分かってくる中で、株式市場でも保険関係の株価は下落したりしています。
保険会社の経営とか、財務の健全性に対する懸念というのが高まっていると思うのですが、それに対する影響をどういうふうにご覧になっているかということと、あとこれは阪神大震災以上とも言われているのですけれども、保険金の支払い等がどのくらいになるかというような想定を現時点でお持ちだったら教えてください。
A.今回の地震の被害について、現在、保険会社において現状の把握に努めているところでございまして、したがって、亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げると同時に、被害に遭われた方、災害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます。現段階では、具体的に保険金の支払額や保険会社の経営への影響を申し上げることはできません。
いずれにいたしましても、生損保会社においては、当該地震に関連し被災した保険契約者に対して迅速な支払いを行うなど、契約者保護の観点に立った対応が重要であり、金融庁としても、しっかり監督をしてまいりたいというふうに思っております。
今回の地震による被害については、現在、損保会社から被災地への損害調査のための職員を派遣するなど今回の地震による被害の状況について、生命保険会社も損害保険会社もその被害の把握に努めているところでございます。したがって、現時点では具体的な保険金の支払い額を申し上げることはできませんが、各保険会社に関していえば、適切な準備金や資本金等を有してございまして、保険金の支払いについて、直ちに保険会社の経営に深刻な影響があるとは考えておりません。
一例挙げますと、阪神・淡路大震災における生命保険会社の支払金が8,396件でございまして、金額にいたしまして483億円でございまして、生保会社46社でございますけれども、平成21年度の決算でも純利益が9,423億円出ておりますので、そういった意味でも、経営に直ちに深刻な影響があるというふうには考えておりません。
それから、損保のことについては、地震・津波を原因とする被害については、火災保険での支払いは免責とする一方、火災保険に附帯される地震保険でカバーすることになっております。こうした仕組みのもとで火災保険の約款においては、地震・津波等による被害については保険金を支払わない旨、明確に規定されており、災害死亡保険金(生命保険)とは事情が異なるというふうに認識をいたしております。
ご存じのように、これは地震保険というのは国家が再保険をしておりますので、そういった意味でも利用者保護の立場に立って、きちんとやっていけるというふうに私は認識をいたしております。
Q:大臣は「株式市場を開け続ける」と明言されていましたが、昨日、参院議長の西岡さんとかは、「一定期間、閉めるべきだ」みたいな発言もされていて、これはこの間のお考えにお変わりないでしょうか。
A.私の変わらぬ不動の信念として、こういうときこそ、やはり冷静沈着にマーケットを開け続けるということが大事だと思いまして、そういう意味でも、一寸たりとも動揺いたしておりません。確かに(株価が)最初633円下がって、その次が1,000円下がって、1,648円下がりましたが、しかし、確かウォール・ストリート・ジャーナル・アジア、それからフィナンシャル・タイムズなどの海外メディアも、日本経済そのものが持つ潜在力を高く評価してくれています。また、私は何回か申しましたけれども、本当にお気の毒でございますが、何万人という方が命を落とされ、今も何十万人という方が被災しておられますけれども、そのような中で災害のときに日本の社会が、秩序正しくきちんとやっていることを、あらゆる海外のメディアが高く評価しております。そういった意味を含めて、日本社会が持つ地震災害からの復興のための経験、知識、技術は高く評価されてしかるべきですし、また、今朝、開催されたG7でも、「日本の経済と金融セクターの強靱性への信任を表明する」ということになったわけです。そういった意味で、(株価も)最初の月曜日には、500円下がって、次に1,000円下がって、500円戻し、一昨日はプラス488円になりました。また、緊急のG7、財務大臣・中央銀行総裁会議を開催しまして、今、255円戻しているということでございますから、金融庁としては、今後の市場の動向については高い関心を持って、動揺することなく冷静に対処していきたいということは、私の強い決意です。
【3月の報道発表】
【3月のアクセス数の多いページ】
このコーナーは3月の「報道発表」から特にアクセス数の多かったページを掲載しています。
なお、過去のアクセス数の多いページをご覧になりたい方は金融庁ウェブサイトのアクセス数の多いページ(過去の情報等)にアクセスしてください。
- 資金決済法に基づく払戻手続実施中の商品券の発行者等一覧
- 金融庁が検査実施中の金融機関
- 平成23 年(2011年)東北地方太平洋沖地震にかかる災害に対する金融上の措置について
- 中小企業等に対する金融円滑化対策について
- 免許・許可・登録等を受けている業者一覧
- 今般の震災についての金融庁・財務局・金融機関の対応状況
- 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震にかかる災害等を踏まえた年度末金融の円滑化について
- 自見金融担当大臣談話(平成23年3月13日)
- 義援金等を装った詐欺にご注意!
- 「主要行等向けの総合的な監督指針」及び「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表について
以上