金融庁広報誌
アクセスFSA
No.277


Contents


会議等

岩田前内閣府副大臣の米国出張概要

岩田前内閣府副大臣(金融担当)は、本年9月7日から9月12日にかけて、米国(ワシントンD.C. )に出張しました。今回の出張では、金融当局や業界団体、シンクタンクとの間で、AI、デジタル金融、スタートアップ、地政学リスク等について意見交換を行いました。

写真:アーリントン墓地での献花

SEC (証券取引委員会)ポール・アトキンス委員長、マーク・ウエダ委員との面会

写真:ポール・アトキンス委員長(中央)、マーク・ウエダ委員(左)との記念撮影

日米の資本市場の活性化や日本の暗号資産にかかる取組等について意見交換を行いました。

ヴァージニア工科大学ランス・コリンズ教授、ルイス・ダ・シルバ教授、エリック・バーカー教授、松尾真一郎教授との面会

写真:(右から)ランス・コリンズ教授、ルイス・ダ・シルバ教授、松尾真一郎教授、エリック・バーカー教授との記念撮影

産学官が連携したサイバーセキュリティ人材育成への取組や目下のサイバー・AI関連リスク等について意見交換を行いました。

IMF (国際通貨基金)ダン・カッツ筆頭副専務理事との面会

写真:ダン・カッツ筆頭副専務理事との記念撮影

日本の成長戦略の取組やデジタル資産等について意見交換を行いました。

SIFMA(証券業金融市場協会)ケネス・ベンセンCEOとの面会

写真:ケネス・ベンセンCEOとの記念撮影

日本の資産運用立国の取組や日米の資本市場の動向等について意見交換を行いました。

その他、米財務省、MITRE(サイバーセキュリティ分野の政府研究機関)とも意見交換を行いました。


金子前内閣府大臣政務官のフィリピン・マレーシア出張概要

金子前内閣府大臣政務官(金融担当)は、本年8月31日から9月4日にかけて、フィリピン及びマレーシアに出張しました。

今回の出張では、「Investment for Growth(成長投資)」をテーマとして、両国の金融当局や金融機関との間で、資本市場育成、スタートアップ・中小企業への成長資金供給、資産形成促進、AI・デジタル金融等について意見交換を行いました。

1.フィリピン・マニラ

リム フィリピン証券取引委員会委員長、レモロナ フィリピン中央銀行総裁との面会

写真:リム委員長との記念撮影

写真:レモロナ総裁との記念撮影

資本市場の発展や投資家育成、スタートアップ・中小企業への資金供給の拡大について意見交換を行うとともに、日本のNISAや金融経済教育の取組に関する知見も共有しました。

 
2.マレーシア・クアラルンプール

ファイズ マレーシア証券委員会委員長、ザイラニ マレーシア中央銀行副総裁との面会

写真:ファイズ委員長との記念撮影

写真:ザイラニ副総裁との記念撮影

スタートアップや成長企業への資金供給、官民協調投資、デジタル金融及びトークン化技術の活用等について意見交換を行い、両国当局間の協力深化を確認しました。

リューチントン マレーシア財務副大臣、オマール HSBCマレーシア頭取との面会

写真:左から、オマール頭取、リューチントン財務副大臣、金子前政務官、四方駐マレーシア特命全権大使

日ASEAN協力、金融市場の発展及び金融犯罪対策等について意見交換を行いました。

 

その他、フィリピン、マレーシアにおいて、現地金融機関とも面会し、現地でのビジネス現況等について意見交換を行いました。


「第57回金融審議会総会・第45回金融分科会合同会合」の開催
8月31日開催

写真:挨拶をする岩田前内閣府副大臣

本年8月31日、第57回金融審議会総会・第45回金融分科会合同会合が開催されました※1。今回の合同会合では、岩田前内閣府副大臣の挨拶の後、新たに2つの諮問が行われました。

各諮問事項の概要は以下のとおりです。今後、金融審議会の傘下にワーキング・グループが設置され、具体的な検討が進められる予定です。

(1)成長企業への資金供給の在り方等に関する検討

「強い経済」の実現に向けた17の戦略分野等への成長投資や、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するためには、金融機関の資金供給・成長支援機能の強化が必要と考えられます。大型M&A等に取り組む成長企業の大規模な資金需要を満たすための資金供給主体の多様化等について検討するべく、以下の諮問が行われました。

諮問

「日本成長戦略」(令和8年7月21日閣議決定)における戦略分野等への成長投資や、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するため、社会情勢の変化も踏まえつつ、資金供給主体の多様化等を図る観点から、事業者向け貸付けに係る貸金業の規制の柔構造化等について検討を行うこと。

(2)保険制度の在り方に関する検討

近年、自然災害の頻発・激甚化、パンデミックの発生、人口減少・少子高齢化の進展、地政学リスクの高まりや金融市場の急変など、企業や家計を取り巻く不確実性が高まっています。企業のリスクマネジメントの高度化や成長投資の後押しを図るとともに、国民に安全・安心なセーフティネットを持続的に提供していくため、再保険キャプティブ制度の創設、生命保険のセーフティネット制度の在り方の2点について検討するべく、以下の諮問が行われました。

諮問

近年の企業や家計をとりまく不確実性の高まりを踏まえ、企業の成長投資を後押しするとともに、国民生活の安全安心を確保するための保険機能を強化する観点から、再保険キャプティブ制度の創設や、生命保険のセーフティネット制度の在り方について検討を行うこと。

写真:金融審議会総会の様子①

写真:金融審議会総会の様子②



財務局長会議の開催
~岩田前内閣府副大臣の挨拶~
9月3日開催

写真:挨拶をする岩田前内閣府副大臣

令和8年9月3日(木曜)、今事務年度1回目となる財務局長会議※を開催し、岩田前内閣府副大臣(金融担当)が参加者に向け挨拶をいたしました。冒頭には、令和8年熊本地震及び令和8年8月千葉豪雨で亡くなられた方へのお悔みと、被災された方へのお見舞いを申し上げました。

<岩田前内閣府副大臣挨拶概要>

九州財務局は7月29日に、関東財務局は8月14日に、金融機関に対し、預金通帳を紛失した場合の柔軟な対応、保険金支払い等の迅速化などを含む金融上の措置要請を発出した。また、被災地のニーズを踏まえ、金融機関の被災状況や営業状況等についても、迅速な情報収集及び情報発信・周知を実施した。金融庁は、熊本地震への対応として、7月31日、官民金融機関に対し、改めて、災害の影響を受けた事業者に対するきめ細かな対応等を徹底するよう、関係省庁連名での要請を行った。また、既往債務が負担となり、事業再建に必要な資金調達が困難になる、いわゆる多重債務問題に対応するため、地域金融機関とも協議の上、地域経済活性化支援機構(REVIC)等を活用したファンドを含む様々な金融ツールを検討したい。

前国会で、「金融機能強化法等の一部を改正する法律」及び「金融商品取引法及び資金決済法の一部を改正する法律」が成立した。「金融機能強化法等の一部を改正する法律」は、人口減少等の環境変化の中で、地域金融機関等が経営基盤の強化を図り、地域経済に貢献する役割を十分に発揮していくための環境整備の一環として、自己資本の充実を図る地域金融機関等に国が資本参加を行う制度と、合併や経営統合を実施する地域金融機関等に対し、国が資金交付を行う制度について、申請期限の延長や制度の拡充などの措置を講ずるもの。次に、「金融商品取引法及び資金決済法の一部を改正する法律」は、我が国の金融・資本市場の変化に対応しつつ、成長資金供給を拡大するとともに、市場の公正性・透明性及び投資者保護を確保するため、暗号資産取引に係る規制の見直し、企業のサステナビリティ情報の開示と保証に係る制度の整備、スタートアップ企業への成長資金供給の拡大に係る開示制度の見直し及び不公正取引に係る課徴金の算定方法の見直し、などの措置を講ずるもの。制度運用にあたっては、財務局ともしっかり連携していく。

7月21日に「日本成長戦略」が閣議決定された。金融分野については、同日、包括的な政策パッケージである「成長投資を促進するための金融戦略」を公表した。金融戦略は、これまでの「資産運用立国」の取組をさらに発展させた4つの柱から構成される。

  • 1つ目は、「金融機関・市場の機能強化」。官民金融機関による資金供給・成長支援機能の強化を後押しするほか、多様な商品が取引される厚みのある金融市場の実現に向けた取組を進めていく。また、地域金融機関が地域経済の「要」として、地域企業の価値向上と地域課題の解決に貢献できるよう、地域金融力を強化する。
  • 2つ目は、「企業の成長投資を促進するためのガバナンス改革」。企業・機関投資家の双方が、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を強く意識し、必要な成長投資が実施されていくよう、コーポレートガバナンス改革を進める。
  • 3つ目は、「国民が経済成長の成果を最大限享受するための環境整備」。アセットオーナーの機能向上や資産運用サービスの高度化を図ると共に、家計の安定的な資産形成を促進するための環境整備を進めていく。
  • 4つ目は、「金融システムを支えるインフラへの投資」。ブロックチェーンを活用した物流・商流・決済の一体化の実装・普及に向けた環境整備に取り組むほか、AI脅威に対する金融分野でのサイバーセキュリティ対策強化について、官民連携で取り組む。今後、金融戦略に盛り込まれた施策を強力に推進していくことにより、金融の力で「強い経済」の実現に貢献していく。

地域金融機関が、地域の「要」として、スタートアップを含む地域企業の価値向上と地域課題解決に貢献できるよう、地域金融力を強化する必要がある。このため、「地域金融力強化プラン」も踏まえ、関連する施策を推進しており、企業価値担保権やベンチャーデットについても、持続可能なスタートアップ金融市場の形成に向けた一助となることを期待している。金融庁としては、活用事例の把握・周知等を通じて、金融機関職員の専門性向上を支援するので、財務局においてもご協力願いたい。

写真:財務局長会議の模様

財務局長会議では、前副大臣からの挨拶のほか、財務局長と金融庁幹部が、金融行政の当面の課題や金融庁の取組み等について意見交換を行いました。こうした課題等について、財務局長と認識を共有するとともに、引き続き金融庁・財務局が一体となって取り組んでいくことを確認しました。


  • ※金融庁では、法令に基づき、地域の民間金融機関等の検査・監督に係る権限の一部を全国11の財務省財務(支)局等(内閣府沖縄総合事務局を含む)に委任しているところ、金融庁と財務(支)局等との間で十分な連携を図る観点から、3か月に一度、財務(支)局長等及び金融庁幹部が集まり、会議を開催している。


政策解説

2026事務年度 金融行政方針

総合政策課 課長補佐 中山 健

係長 友藤 詩帆

係員 渡邉 有希人

金融行政方針の公表に当たって

金融庁は、本年9月15日に、2026事務年度の金融行政方針を公表しました。これは、金融庁が本事務年度において、重点的に実施する施策を明確化するものです。これにより、金融行政の透明性が一層高まり、当局と金融サービス利用者、金融機関、市場関係者等との間で認識の共有が図られ、建設的な対話を通じて、より良い金融行政の実現につながることを目指しています。金融庁では、金融行政方針へのご意見を随時受け付けております。今後の参考として活用させていただきますので、ウェブサイト受付窓口(https://www.fsa.go.jp/opinion/新しいウィンドウで開きます)までご意見をお寄せください。

2026 事務年度の取組

2026事務年度の金融行政方針では、金融戦略に掲げられた施策の着実な具体化・実行、金融システムの安定と金融への信頼の確保、金融行政の更なる進化に取り組みます。以下では、それぞれの主なポイントを紹介します。

金融戦略 主な施策一覧

成長投資を促進するための金融戦略 - 資産運用立国のアップグレード -(1.金融機関・市場の機能強化 2.企業の成長投資を促進するためのガバナンス改革等 3.国民が経済成長の成果を最大限享受するための環境整備 4.金融システムを支えるインフラへの投資)

1.金融戦略に掲げられた施策の着実な具体化・実行

政府は、2026年7月に「成長投資を促進するための金融戦略 - 資産運用立国のアップグレード -」(以下「金融戦略」といいます。)を策定しました。金融戦略の詳細は、(https://www.fsa.go.jp/policy/financialservicesstrategy2026/index.html)からご覧ください。

金融戦略には、成長投資を強力に促進し、日本企業の事業再構築・再編を支える資金の好循環を創出するため、金融機関・市場の機能発揮の促進、コーポレートガバナンス改革等を通じた企業の成長投資の促進、国民が経済成長の成果を最大限享受できるようにするためのアセットオーナーの機能向上や資産運用サービスの高度化等、オンチェーンの決済手段の実装・普及に向けた環境整備や金融インフラへの投資の促進等の施策が盛り込まれており、これらの施策の着実な具体化・実行に取り組みます。

2.金融システムの安定と金融への信頼を確保

金融が成長投資への資金供給や国民の安定的な資産形成を支えるためには、金融システムの安定、金融機関の適切な業務運営、資本市場の公正性・透明性、そして利用者が安心して金融サービスを利用できる環境の確保が不可欠です。

個別金融機関と金融システム全体の双方を捉えたモニタリングを行うため、業態別のモニタリングと業態横断的なモニタリングを連携させ、個別金融機関と金融システム全体の双方を捉えた実効性のある監督・検査を行います。また、金利の上昇や企業の資金需要の増加等の金融・経済環境の変化に対する個別金融機関の対応状況や、新たな金融サービスの動向を把握するとともに、複数の業態に共通する課題や、個々のリスクの蓄積が金融システム全体に及ぼす潜在的な影響についてもモニタリングします。

金融機関における不正事案については、経営陣の姿勢、組織文化、内部牽制等を含めて真因を分析し、重大・悪質な事案には厳正に対応するとともに、内部監査機能の高度化を促します。保険会社については、不適切な事案に厳格に対応するとともに、保険会社と保険代理店との継続的な対話の充実を促し、保険代理店の規模や業務特性に応じた顧客本位の業務運営の確立と徹底を図ります。暗号資産交換業者等についても、安全な取引環境の整備に向けたモニタリングや無登録業者への対応に取り組みます。

特殊詐欺や不正アクセスによる不正取引等については、警察庁をはじめとする関係省庁や民間事業者と連携し、金融犯罪による被害の発生・拡大の防止等に取り組みます。

自然災害の対応として、令和8年熊本地震等の被災者に対しては、生活やなりわいの再建に向けた金融上の支援を進めます。

資本市場の信頼確保として、デジタル技術の高度化やグローバル化等による市場の変化に的確に対応し、潜脱的な大量保有・買付等を含め、法令違反が疑われる場合には厳正な調査・検査を行います。監査法人についても、その規模、業務の状況やリスクに応じたモニタリングを行い、虚偽証明等の疑義がある場合には必要な検証を行います。

3.AIによる業務改革と人材・組織の強化を通じた金融行政の更なる進化

金融を取り巻く環境や行政課題が急速に変化する中、将来にわたって質の高い金融行政を提供するため、生成AIの利活用を進めるとともに、その活用を前提として、政策立案、監督・モニタリング、市場監視等の業務プロセスの改善を進めます。

また、アカデミアとの連携を強化するとともに、検査官やモニタリング人材を体系的・中期的に育成するなど、職員の専門性と政策立案・実行能力の向上に取り組みます。


「令和8事務年度 証券モニタリング基本方針」について

証券取引等監視委員会事務局証券検査課 課長補佐 曽根原 翼

企画係長 北野 盛也

企画係員 蛭川 眞衣

証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」といいます。)は、令和8年7月31日に「令和8事務年度 証券モニタリング基本方針1」(以下「基本方針」といいます。)を公表しました。本稿では、その概要を紹介します。

  •  基本方針は、証券モニタリング2を実施するにあたり、昨事務年度の証券モニタリングを通じて判明した事項、金融商品取引業者等(以下「金商業者等」といいます。)を取り巻く環境、金商業者等を取り巻く規制の枠組み等の変更を踏まえつつ策定しており、令和8事務年度における基本方針は、「業態横断的な検証事項」、「規模・業態別の主な検証事項」、「証券モニタリングの進め方」、「関係機関との連携・検査結果の情報発信」の4つのパートで構成されています。

○業態横断的な検証事項

業態横断的な検証事項(着眼点)として、次の4つを掲げています。

  • ① 顧客の最善の利益を勘案した業務運営や、適合性原則を踏まえた適正な投資勧誘状況等(複雑又はリスクが高い商品の販売に係る対象顧客設定、顧客属性やデジタル・リテラシーに応じた情報提供、合理性のない短期の乗換勧誘の防止等)

  • ② システムリスク管理の対応状況(フロンティアAIによる脅威変化を含むサイバーセキュリティ対策及びシステムリスク管理態勢の整備状況等)

  • ③ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に係る内部管理態勢の定着状況

  • ④ 内部管理態勢の実効性確保に係る取組状況(経営陣による内部管理態勢の確立・整備、ガバナンスの有効性、内部監査及び自主規制機関の監査等で指摘された事項への対応状況等)

○規模・業態別の主な検証事項

規模・業態別の主な検証事項(着眼点)を【図1】のとおり取りまとめました。詳細については基本方針を参照してください。

【図1】

【規模・業態別の主な検証事項】
※第一種金融商品取引業者 「大手証券会社グループ」:国内外の業務展開を支えるガバナンスやリスク管理態勢の整備状況:売買審査態勢や法人関係情報の管理態勢、引受審査態勢等の内部管理態勢の整備状況 「外資系証券会社」:バックオフィス業務の海外委託の進展等に対応した内部管理態勢やシステムリスク管理態勢の整備状況:我が国金融機関等向けに提供する金融商品の販売管理態勢の整備状況 「ネット系証券会社」:サイバーセキュリティ対策、取引時確認等の措置に関する内部管理態勢や売買管理態勢の整備状況等:金融商品仲介業者を活用した対面営業の拡大等に対応した外部委託先の管理態勢や、ビジネスモデルの変化を踏まえた業務運営態勢の整備状況 「準大手証券、地域証券会社等」:持続可能なビジネスモデルの構築に向けた取組状況:業容の変化に応じた内部管理態勢の構築、新商品導入時の適切な審査やその後のモニタリング、適合性原則への対応等 「外国為替証拠金取引業者」:広告規制、販売・勧誘における適正な内部管理態勢の整備状況:ストレステストの実施を含めた決済リスク管理の状況
※投資運用業者:忠実義務違反行為の有無や利益相反管理態勢の整備状況:運用の実態把握、運用管理態勢等の状況
※投資助言・代理業者:虚偽等の説明による勧誘行為・広告手法:助言を受けた顧客が行う取引に関する情報を利用した取引等、忠実義務違反行為等の有無
※第二種金商業者、特例業務届出者:高利回りを掲げたファンドや出資対象事業の実在性
※登録金融機関:投資勧誘等の適正性:適合性原則への対応が適切に図られているか等の内部管理態勢の整備状況
※金融商品仲介業者等:投資勧誘等の適正性:所属金融商品取引業者による管理態勢の十分性
※無登録業者:裁判所への違反行為の禁止命令等の申立てに係る調査権限の積極的な活用、無登録業者の名称・代表者名・法令違反行為等の公表、SNS上の広告等への警戒を更に高め、注意喚起を含めた情報発信を一層強化、クロスボーダー事案について、外国当局と連携し重点的に対処、金融庁関連部局、財務局等、捜査当局及び消費者庁等との一層強固な連携

○証券モニタリングの進め方

  • 証券モニタリングの対象業者について、金融庁関連部局等と連携し、金商業者等におけるリスクの特定・評価を行い、リスクベースで検査対象先を選定、以下のような状況である場合を中心に検査を実施します。
    • ① 個別の法令違反や業務運営態勢に懸念があり、早期に深度ある検証が必要な状況(無登録業者が業務に直接的又は間接的に関与しているおそれがある場合を含む。)

    • ② モニタリングでは業務運営等の実態が必ずしも把握できない状況(検査未実施先や長期未実施先、買収等によりビジネスモデルや業務運営態勢を変更した先など)

    • ③ 取扱金融商品のリスクや分別管理の適切性などについて実態把握が必要な状況

  • 検査では、実質的に意味のある検証に努め、必要に応じて営業店への機動的な検査を実施します。また、問題が認められた場合には、その根本原因を究明し、実効性のある内部管理態勢の構築等を促すことにより、再発防止・未然防止につなげます。さらに、問題が顕在化していないものの、業務運営態勢等について改善が必要であると認められた場合には、証券監視委の問題意識を検査対象先と共有し、実効性ある内部管理態勢の構築等を促していきます。

○関係機関との連携・検査結果の情報発信

令和7事務年度
証券モニタリング概要・事例集(令和8年7月)

令和7事務年度 証券モニタリング概要・事例集(令和8年7月)表紙画像

  • 各財務局等との間で、モニタリングや検査の計画策定から緊密に連携し、必要に応じて合同検査や検査応援を行うことにより、人材の効果的な活用、ノウハウの共有化を図ります。
  • 自主規制機関とは引き続き緊密に連携するとともに、更に連携の拡大・深化を図り、検査・監査等で検知した内容・問題意識やそれらのフォローアップ状況をタイムリーかつ双方向に共有します。
  • 捜査当局及び消費者庁等との間で、無登録業者に係る情報提供や、人事交流・講義実施等により、連携を強化します。
  • 検査で把握した問題点や根本原因等を、必要に応じて、金商業者等にフィードバックを行うとともに、その監査関係者及び社外取締役に対しても講評時等に共有し、改善に向けた自主的な取組を促します。
  • 証券監視委の問題意識等が対外的にも的確に伝わるよう、「証券モニタリング概要・事例集3」等により、具体的で分かりやすい情報発信に努めます。


お知らせ

金融経済教育全国キャラバン
~ワニーサと学ぶ 未来のためのお金の教室、日本全国ごあいさつの旅! vol.17~



09.12大阪イベントの模様

写真:イベントの様子①
写真:イベントの様子② 写真:イベントの様子③
写真:イベントの様子④ 写真:イベントの様子⑤

ワニーサが行く日本全国ごあいさつの旅

前回に引き続き、 ワニー参事官(ワニーサ)が全国の知事や金融関係者のもとへ出向き、金融経済教育のさらなる充実に向けた連携強化をお願いしております!

随時ワニーサ公式Xアカウント(@Wa_nisa_FSA新しいウィンドウで開きます)にて配信中!

西脇 京都府知事を訪問(8月17日配信新しいウィンドウで開きます)

これまでたくさんの地域で
金融経済教育推進の活動をしてきたよ!

ワニー参事官の名刺画像

つみたてNISA公式Xアカウント(新しいウィンドウで開きます)

先月の金融庁の主な取組(令和8年8月1日~8月31日)


金融庁職員による寄稿等

金融庁では、当庁施策の紹介や説明を含め、その活動状況等について、各種刊行物等への執筆を行っており、ウェブサイト上で公表しています。本稿でもその一部について掲載いたします。

~最近掲載された寄稿等のご紹介~

※執筆者の肩書や組織名は、執筆当時のものを記載しています。

その他の寄稿等についても、金融研究センターウェブサイト新しいウィンドウで開きますを是非ご覧ください。


編集後記

アクセスFSAをご覧いただき、ありがとうございます。今年の夏も終わりに近づいていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 今月は内閣改造が行われ、金融庁としても新たに谷川とむ副大臣、根本拓大臣政務官を迎えることとなりました。新たな体制の下、気持ちを新たにしながら、引き続き金融行政に全力で取り組んでまいります。さて、今月号では、まず岩田前内閣府副大臣の米国出張と、金子前内閣府大臣政務官の東南アジア出張の模様をお届けしています。お二人には金融庁を代表して各国・地域の政府高官や関係当局者との意見交換を精力的に行っていただき、金融庁と海外当局との関係強化に大きく貢献していただきました。
 また、具体的な制度改正に向けた議論も動き始めています。金融審議会では関連する検討がスタートしており、今後の議論の進展にもぜひご注目いただければと思います。
 政策解説では、「2026事務年度金融行政方針」と「令和8事務年度証券モニタリング基本方針」を取り上げています。「2026事務年度金融行政方針」では、本年7月に策定された「成長投資を促進するための金融戦略」に掲げられた施策を着実に具体化・実行していくことに加え、金融システムの安定と金融への信頼確保に向けて、個別金融機関と金融システム全体の双方を視野に入れたモニタリングの高度化などを重点課題として掲げています。解説記事をご覧いただいた後には、ぜひ金融庁ウェブサイトに掲載している本文もご一読ください。
 また、「令和8事務年度証券モニタリング基本方針」では、「顧客本位の業務運営の徹底」「サイバー・システムリスクへの対応」「AML/CFT(マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策)」「内部管理態勢の実効性確保」の4つを重点項目として掲げています。あわせて、業態や規模ごとの特性を踏まえた検証事項も示しており、証券市場の公正性確保と投資者保護に向けた取組を一層進めていくこととしています。
 秋の夜長を迎える季節となりました。今月号もご笑覧いただき、金融庁の施策や取組について、少しでもご関心を深めていただければ幸いです。

金融庁広報室長 小澤 裕史
編集・発行:金融庁広報室

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