アクセスFSA 第90号(2010年12月)
【金融ここが聞きたい!】
このコーナーは、大臣の記者会見における質疑応答などの中から、時々の旬な情報をセレクトしてお届けするものです。
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Q:貸金業に関して、ヤミ金の利用がふえてきたとか、そういう報告というのは今のところ、何もないでしょうか。
A.今のところ、私のところに正式な報告はございませんけれども、フォローアップチームを作らせて頂いておりまして、東副大臣自身からも、特に過払金が高止まりしておりまして、確か大手3社から非常に景気が悪いといいますか、非常に厳しい経常利益等々の状況報告が来ていまして、過払金返還負担額の高止まり状況が続いており、(年換算で約)3,800億円あるということも聞いております。
同時に、私は、完全施行するときの金融(担当)大臣でございましたから、多重債務者の解消ということで20%という(上限)金利を設けて法律をつくったわけでございます。しかし、1,500万人ぐらい貸金業を利用するマーケットがあるわけですから、社会の問題としても大事な問題だと思っておりまして、(法律が完全)施行してすぐフォローアップチームをつくらせて頂きました。多重債務者の問題は大変悲惨でございますので、皆様方も色々注意をして頂きたいと思います。今、言いましたように、小泉さんが行なった新保守主義的なところで非常に所得の少ない人が増え、階層が2分化し、非常に今景気が悪い中、少しは良くなったと言っても、完全失業率5%で、360万人ぐらいの完全失業者がいるわけですから、そういったことをしっかり頭に入れながら政治家としてやっていきたいと思っています。
Q:FSB(金融安定理事会)がシステム上重要な金融機関(SIFIs)について提案しまして、それを先週G20サミットで承認したわけですが、これに対するご評価と邦銀への影響について大臣のご認識をお願いします。
A.いわゆるシステム上重要な金融機関(SIFIs)については、金融安定理事会(FSB)により提案された政策を、今回のソウルサミットで、内容ではなく、今後の作業手順及び日程が承認されたというように聞いております。今後の日程の立て方や、どういうふうにして今後これを各国で検討していくかということが決定されたというように聞いております。
ですから、まだ内容については言及する段階ではないというように思っております。
Q:金融機関の業績なのですけれども、昨日大手行の決算が出そろいましたけれども、これに対するご評価をお願いします。
A.9月期決算では、貸出金利と借入金利の差である資金利益が落ち込む一方、投資信託の販売手数料、役務収益が5倍となっている中、国債の売買益といった市場関連収益が大幅に増加したほか、与信関連費用が大幅に減少したことにより、中間期の純利益でございますが、前年同期比でおおむね増益となっているということでございます。これは国債の長期金利の変動によりまして、国債を今の日本の邦銀が持っておりますので、そこから利益が上がったということです。
しかし、金融業というのは、貸出金利と借入金利の差によって利益を生むのが一番基本ですから、そういった意味では若干危うい点もあるのかなと思っております。引き続き銀行経営の状況についてしっかり注視してまいりたいと思っております。しかし、全体的には大幅増収になっていることは歓迎すべきことだというように思っております。
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