教えて虫とり先生

第3回 虫とりさんはどんな投資をしているのですか?

若手の社会人(1年〜3年目)に対する資産形成のアドバイスをしていただくため、金融庁で開催している個人投資家との意見交換会、つみたてNISA Meetup(略してつみップ)にゲストとして何度もご参加いただいている投資ブロガーの虫とり小僧さんにお越し頂き、金融庁若手(入庁1年〜3年目)との座談会を開催しました。その模様をまとめたもので、今回は第3回目。複数回に分けて掲載予定です。

※ 参加者のコメントは、個人的見解に基づいて書かれたものであり、当庁の見解、意見等を示すものではありません。

マツモ

いろいろと考えられての決断で、投資を始めたということでしたが、今でも投資は必要だと思っていますか。

もちろん必要だと思います。株式を保有するということは、資本家サイドに回るということであり、期待リターンも高いですから。しかも投資信託を使えば、簡単に世界中の一流企業の株式を保有する(オーナーになる)ことができます。それに間接的に外貨を保有することになるので、日本円だけの集中保有から脱却することにもなります。

ただし、リスク性資産なので、当然、短期的には大きな値動きがありますし、一時的には元本が割れることもあるでしょう。

ただ、私の好きな金融庁の資料で、過去の実績に基づいて、仮に5年間投資した場合と20年間投資した場合における元本割れの確率を示したものがあります。スタンダードな国際分散投資を20年続けた場合、元本割れしたことはないんですよね。

図(国内外の株式・債券に積立・分散投資した場合の収益率(実績))

(出典)金融庁

積立て投資を長期的に実践することによって、年率の平均リターンはプラス方向に安定する可能性が高いと思います。

(一同 うなずく)

だからこそ、私は淡々と積立てを続けているのです。

人間の欲望を原動力として成長を続ける資本主義の世界に生きていて、簡単に資本家サイドに行ける手段があるのにそれをしないのはもったいない。フランスの経済学者トマ・ピケティさんも言ってるじゃないですか。労働収益よりも資本収益のほうが効率的だって。

直感的に考えて欲しいんですが、どこの企業も、基本的には成長を前提として活動しています。そしてその努力をします。だから、もしもそうでないような状況が訪れた場合、例えば数十年後に(単一国ではなく)世界規模で経済が成長していないなら、投資をしていようがいまいが、どっちにしても普通の日常すら送れないんじゃないか、というくらいに私は考えています。

漫画『北◯の拳』みたいな世界になっているかも。

(一同 静まりかえる)

おっと、この漫画のことは皆さん知らないか。ジェネレーションギャップですね。映画『○ッドマックス』なら分かるかな?

(一同 苦笑い)

マツモ

一応、タイトルだけは知っています。(心の声:ホントは、そんなん知らねーよ、おっさん?)

ちょっと大げさにカッコつけていうと、サラリーマンとしての稼ぎの一部をちょっとずつリスク性資産への投資に回して、自分も働いて、お金にも働いてもらうハイブリッド戦略を私は実践しているのです。

長期、積立て、そして世界中への分散です。

投資対象を株式以外にも広げると、期待リターンをあまり下げずにリスクを下げることが可能になるので、債券やリート(不動産投資信託)などにも投資をしています。

投資信託は株式型だけを買った方が合理的なのですが、将来、何があるかわからないですし、使い勝手がいいので、私は世界中の株式・債券・リートなどにまとめて投資できるバランス型の投信を多めに積立てています。

株式型オンリーがいいのか、それともバランス型がいいのかは、専門家でも議論になるところですので、詳しくは、後ほど改めて、お話しさせてもらいます。

マツモ

つまり、虫とりさんも、積立て投資を実践しているんですね?

最初始めた時は、いくらかまとまった資金があったのですが、今は、基本的に積立て投資ですね。毎月一定額を積立てるようにしています。

積立て投資には色々と初心者に優しいところがあります。

例えば、購入するタイミングを考える必要がないこと。今は高いと思えるから、もう少し待ってから購入しようと考えているうちにタイミングを逃すのは「投資家あるある」ですが、株価などが上がるか下がるかは事前に予測することはできないという前提に立てば、購入時期を積立て投資によって分散することで、タイミングを考える必要がなくなるんです。他にも、暴落を「仕込み時」と歓迎できるなどの心理効果もあったりします。

マツモ

なるほどですね!(心の声:なんか安心!!)

あとは、少しずつ投資額が増えていくので、精神的にも優しいです。いきなり多くの資産をリスク性資産で持つと夜も眠れなくなってしまうかもしれませんが、積立て投資なら少しずつ慣れていくことができます。

マツモ

なるほどですね!(心の声:安心!安心!やっぱ夜は熟睡したい)

実は、資産形成のための投資って、これだけでOKなんです。根拠となる理論や歴史、心構えなんかも、やがて知ってはもらいたいのですが、結論は、世界の株式や債券に分散して、積立て投資を続けること。それだけです。

(一同 うなずく)

とはいっても、虎の子たる自分のお金を元本保証のないリスク性資産への投資に回すことに躊躇するのは当然です。私もそうでしたし。・・このあたりは、また次回以降話し合っていきましょうか。

写真(第3回)

(次回、「だけど、やっぱり投資を始めるのは躊躇する・・・」に続く)

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