金融商品購入時のポイント(案)の検討

第2回 投資ブロガーの皆さんと意見交換

金融庁担当者から金融商品を購入する際のポイントについて、説明しました。(詳細については、第1回目をご覧ください。)

4名の投資ブロガーの皆さん(菟道りんたろうさん、m@さん、虫とり小僧さん、夢見る父さんさん)から下記のような意見を頂きました。

【投資ブロガーの皆さんからの主な意見】

投資にあたっての心構え

  • ・投資信託だけでなく、株式や債券でも、そもそも「投資する」とはどういうことか、大まかな仕組みや意義を知っておく必要があると思います。例えば、株式を買うとはどういうことか、なぜ株価が上昇したり、配当がもらえたりするのか、を理解することがはじめの一歩ではないでしょうか。

  • ・現金であっても、インフレに対するリスクがありますし、リスクが一切ない金融商品はないという認識が必要だと思います。そのうえで、いろいろなリスクと付き合っていくためのツールの一つとして株式、保険商品などの金融商品がある。「投資」は特別なことだと思っている方が多いですが、決してそうではなく、自分の財産をどの場所(現金、不動産、株式など)に置くかという問題です。

  • ・自分で全く勉強せずに金融商品を買いに行くのは良くないので、金融庁のウェブサイトやパンフレットで「投資のイロハを学びましょう」程度は入れてもいいのではないでしょうか。一方、ネット上の情報の中にはアフェリエイト目的の無責任な記事など、質の悪い情報もありますので、注意を促していくことも必要だと思います。

「金融商品購入時のポイント(案)」について

  • ・@〜Hまで全て重要ですが、特にどこに注目してほしいか、強調するなどの工夫もした方がいいと思います。

  • ・@について、複雑な運用の仕組みを活用しているタイプをはじめ、投資信託を買うときには、何に投資しているのか、どういう仕組みで投資しているのかを理解することが重要です。金融機関の担当者も、運用の仕組みについて説明できないことが多いというのが実感です。

  • ・@について、「投資は余裕資金で行う」と書くと、「お金がないから投資しない」となってしまい、「資産形成」に反するのではないでしょうか。例えば、「手元に緊急時の資金を残して置くことも大事」などの書き方にした方が良いと思います。

  • ・どれも重要な内容で既に言われていることですが、Bは目新しさがあると感じました。銀行の窓口で売っている金融商品より、同じような商品で有利なものはたくさんありますから。類似商品をどのように比較するかは、少し難しいかもしれないし、当局の紙でどこまで踏み込めるかも論点かもしれませんね。

  • ・Cのリスクについて、「リスク」は一般に「危険」という意味がありますが、投資における「リスク」には「ブレ幅」の意味があります。このことは、皆が理解しているわけではないので、きちんと説明した方がいいと思います。

  • ・Cのリスクについて、価格変動リスクの裏に様々なリスクが内包されているので難しいですが、為替リスクは初心者でもイメージしやすいのではないでしょうか。一方、専門的な話が難しいから投資信託で運用を任せたいと考える人にとって、リスクを全部理解しないといけない、と迫るのは荷が重いかもしれません。

  • ・Cのリターンについて、誰でも「儲かる商品が良い」と考えますが、国内外の長期金利の状況やマーケットのインデックスの過去の推移と比較すれば、「年利20%」など過大な利回りは現実的な話でないことが分かるはずです。そういった基本的な相場観を持ってもらうことが、本当は大事ですよね。

  • ・Dについて、商品の内容に納得して買うならいいですが、金融機関と利用者の間に利益相反、簡単に言うと、買った人が損したら金融機関が儲かる状況が生じる可能性があることは、大前提として伝えるのが大事だと思います。

  • ・Eについて、大手金融機関でもトラブルが生じている例も多く報道されていますし、重要なポイントですね。解約の際の特約の説明が不足してトラブルになることもありますが、それは@の商品の理解が不十分なまま購入してしまうことが原因だと思います。

  • ・Fについては、適切に金融商品を選んだ上で、その後考えるべきものなので、投資を始めようという人にとって、相対的に優先度は低いのではないでしょうか。また、個人・家庭によって状況が異なり、個別の判断が必要ですので、当局が言えることは限定的になってしまうし、筋から言えば専門のアドバイザーが提供すべきアドバイスではないかと思います。

  • ・Gについて、例えば、テーマ型投信は金融機関の窓口で勧められることが多いですが、趣味性が強く、投資初心者には向かない商品です。本来は、マーケットの規模を確認し、どういった特徴のある商品であるかを確認し、自分に合う商品かをきちんと検討する必要があります。

  • ・Hは基本的なことですが、若者や高齢者の間で頻繁にトラブルが生じていることを考えると、非常に重要なものだと思います。

(以上)

【ご意見・ご感想】

利用者にとって使いやすいものとするため、幅広い方々からご意見を伺っているところ、「金融商品購入時のポイント(案)」についてのご意見・ご感想がございましたら、【nisa2017@fsa.go.jp】までお寄せください。頂いたご意見・ご感想については、担当課内での検討の参考とさせていただきます。なお、個別のご質問にはお答えできかねますので、あらかじめご了承ください。

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