教えて虫とり先生

第5回 結局、どのような投資がいいの?

若手の社会人(1年〜3年目)に対する資産形成のアドバイスをしていただくため、金融庁で開催している個人投資家との意見交換会、つみたてNISA Meetup(略してつみップ)にゲストとして何度もご参加いただいている投資ブロガーの虫とり小僧さんにお越し頂き、金融庁若手(入庁1年〜3年目)との座談会を開催しました。その模様をまとめたもので、今回は第5回。複数回に分けて掲載予定です。

※ 参加者のコメントは、個人的見解に基づいて書かれたものであり、当庁の見解、意見等を示すものではありません。

ヨッシー

自分の考えを金融資産の配分に反映させる必要があることはよく分かりました。では、もし私が投資をするとして、どういった投資をすればいいんですか? どういう投資のやり方が正しいのでしょうか?

ヨッシーさんがどういう投資をすればいいのかは、私には分かりません。それに、絶対的に正しい投資方法なんてないと思いますよ。

ヨッシー

え?(心の声:あれだけ煽っといて、なんなの!)

ヨッシーさんの貯蓄額や毎月の収支、他にもリスク耐性や価値観などが分からないと、なんとも言えないということです。それって、人それぞれですよね?

それに、どんなやり方にもメリットとデメリットがあって、唯一絶対に正しい投資方法なんてものは存在しません。そもそも、どういった方法であろうと、市場を予見することはできないので、儲かるかどうかは事前には分かりません。

マツモ

…………。(心の声:なんか虫とりさんて、上司みたいな返しをしてくるな。ヨッシーさんと同じこと訊こうと思っていたけど、黙っててよかったぁ)

アスカ

でも、主要なインデックスの過去のデータを見ると、積立て方式で国際分散投資を長く続けていれば、それなりのリターンにはなっていますよね。

図(長期・分散投資の効果2)

(出典)金融庁「つみたてNISA Meetup」資料より

そうですね。だから、私も熟考の結果、国際分散投資を積立て方式で実践しています。そういういわゆる「インデックス投資(≒パッシブ投資)」であれば、最初に勉強して理解して、仕組み化さえしてしまえば、ほとんど手間はかからないし、低コストで資産形成を図ることが可能だと思っていますから。

アスカ

・・つまり、人の話を鵜呑みにせず、自分の頭で考えて判断しなさい、ってことですか? 投資するにしろ、しないにしろ、どういう投資スタンスを採用するのかにしろ。

そうそう。投資は自己責任なので、自分はどうしたらいいかなんて、簡単に他人に訊いてはダメです。

(しばしの沈黙)

アスカ

・・じゃあ、虫とりさんが、どういう思考経過で今の投資スタンスにたどり着いたかを教えていただくことは可能ですか?(心の声:やっぱり、ブロガーさんって、独自のこだわりがあって扱いにくいかも)

もちろん、よろこんで!

ヨッシー

ありがとうございます。(心の声:だから、私が訊いてるのもそういうことだっての!)

マツモ

よろしくお願いします。(心の声:最初からそれ話せや、めんどくせーな!)

自分が汗水流して働いて得たお金を、元本保証のない金融市場に投じるのは怖い。かといって、「円」による預貯金だけでもなぁ……と考えた私は、とても悩みました。

円だけでもダメ、ドルだけでもダメ、国内株式だけでもダメ、海外株式だけでもダメ、海外債券だけでもダメ……いったい、どうすればいいのかと。

なにかに一点投資すると、大儲けできる可能性がある反面、大損する可能性もあり、上にも下にも、ものすごくリスク(振れ幅)が大きいものです。

(一同 うなずく)

そこで私は全部食べちゃうことに決めました。

ヨッシー

は?(心の声:なにこの人。意味わからないんですけど)

アスカ

つまり、分散投資をするということですね!

そう。資産形成のための投資なんて、単に「お金の置き場」の問題です。だから、投資信託を利用して、世界中の株式や債券などの主要な資産を、なるべく多く持つことに決めたのです。

将来のことが分からないのであれば、様々な性質の資産を持っておいて、どうなってもそれなりに対応できるようにしておけばいい、と。

マツモ

なるほどですね。(心の声:全部食べちゃうってのは微妙だけど、そういう話なら分かるかも)

ただ、そういう国際分散インデックス投資では、大きな利益は期待できません。年率の期待リターンはせいぜい5%くらいのものでしょう。各資産のほぼ平均値を確実に取りにいくだけですから。

アスカ

でも、幅広く分散できるし、再現性も高い。

写真(第5回)

そう。つまり、誰にでも実践できて、続けてさえいれば初心者でもプロでも同じような結果が得られる。それに、不確実な未来への投資の中で、ほぼ唯一コントロール可能な「コスト」を下げることもできます。

そして、なんといっても、他の投資法に比べて手間がかかりません。相当優秀な人でない限り、努力したところで投資で儲けられるかどうかは分かりませんからね。

ヨッシー

たしかに、プロたちがしのぎを削る投資の世界で、別に本業を抱えながら素人の自分だけが儲けられるとは思えません。インデックスで平均的なリターンがもらえれば充分すぎるような気がします。

私もそう考えました。限りある人生を楽しく過ごすために、投資以外のことに多くの時間を使いたいと思ったのです。

そこそこのお金をそこそこに殖やしつつ守れれば充分。そうすると、消去法で国際分散インデックス投資を積立て方式で実践するしかなかった。それだけなんです。

で、実際そうやって自動化した投資を約13年間続けて、今のところ年率平均で7%くらいのリターンが出ているので、こりゃあもう充分すぎます。まあ、そのうちまたリターンの下がる時期もあるでしょうが。

マツモ

なるほどですね。(心の声:消去法とか言ってる割には、ずいぶんと熱のこもった話しっぷりだな。それに、投資そのものには時間をかけてなくても、「投資ブログ」には時間をかけてるところも味わい深い……)

ヨッシー

でも、そんなに色々な資産ごと?指数ごと?の投資信託を選んだり、組み合わせるのなんて、難しそう……。

いま私が言ったような投資スタンスは、たった一本の投資信託を積立てるだけで実現できちゃったりもしますよ。自動化してしまえば、ほったらかしで世界中に分散投資が可能。

ヨッシー

え、一本だけで!?

はい。つみたてNISAで購入できる投資信託には、何本かそういうバランスファンドもありますね。

つみたてNISAでは、資産形成のための積立て投資にマッチしていて、かつ低コストな商品だけしかないので、どれを選んでも初心者が大火傷をする可能性は低いと思いまっせ。

ヨッシー

あのぅ……。(上目づかいに虫とり小僧を見つめる)

ど、どうしました?(心拍数が上がる)

ヨッシー

あの、その……。(モジモジしている)

は、はい。(心の声:ま、まさか、告白!?)

ヨッシー

・・あの、そもそも、投資信託って、どういうものなんですか?

ワニーサ「つみたては、ニーサ! つみたてNISAに関する最新情報は、ぼくのツイッターを見てね!」

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(次回、「投資信託って、どういうものなの?」に続く)

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