リスク資産と無リスク資産、具体的にはどういうものがあるのでしょうか?
株、債券は値動きがあるのでリスク資産ですね。対して現預金は元本保証があるという意味では無リスク資産に当たりますが、金利がないという点ではリスクだと思っています。やっぱり個人的に推したいのは米国の株、債券ですね。
たぱぞうさん、米国大好きですもんね。
大好きってわけでもないですけど(笑)投資先としてはよくできているんですよね。
皆さんが株とか債券とおっしゃるときに指しているのは、個別銘柄ですか?
パッケージですね。米国株は、今まではパッケージになっている商品がなくて買うのが難しかったのですが、金融庁がつみたてNISAを作ったときにブロガーを呼んでくれて、その時に委託会社の方もいらっしゃっていて、こちらから「どうしてないのでしょう?」を言ったらアメリカで有名なS&P500という指数に連動する商品を商品化してくださったんですよね。
為替リスクはどうなんでしょう?
ないとは言えませんが、1ドル200円や1ドル50円になるかと言えばそうはならないと思っています。購買力平価を見ながら平均回帰的に戻っていくだろうと。
為替リスクはあると思います。でも日本円でずっと現金で持つよりいいと思います。だからと言ってもS&P500に全額つぎ込むのは違うと思いますけど(笑)
それ以外になにかありますか?
やっぱりリスク資産といえば株式、それと不動産、REITですね。あと安全資産だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、債券も投資先の国や会社の信用リスクがあるので、リスク資産ですね。
外国株式の持つ為替リスクについては、株式自体が持っているリスクのほうが為替リスクよりも大きいので、長い目で見ると相殺されるだろうという考え方があります。一方、外国債券の持つ為替リスクについては、債券自体のリスクより為替リスクの方が大きいので、あまりうれしいリスクではないということですね。
そんな為替リスクはあるものの、全世界の株式を買ってみようとする、私のような投資家がいます。どこの国がこれから伸びるかとか、ダメになるかとかはわからないわけじゃないですか。だから、世界全体を丸ごと買って分散しておこうとする考え方になったわけです。どの国にウェイトを置くかというのは各投資家の趣味ですね(笑)
20世紀のころには、日本の普通の人は日本株にしか投資できなかったんですよ。
日本だけじゃなく、アメリカ人もイギリス株買えなかったんじゃない?
アメリカみたいに右肩上がりに成長した国であれば自国だけでも良かったんですけど、日本はそうではなかった。将来の可能性を考えると、広く分散された投資をするのが基本ではないかなと思います。今はいろんな銘柄がありますし、選択肢もたくさんあります。
少し教科書的な話になってしまうんですが、リスク資産はリターンが決まっていないもので、無リスク資産はリターンが決まっているものと分類することができます。例えば学資保険は、得られる金額が決まっているので無リスク資産です。だから、ほとんどの投資商品はリスク資産なんですよ。金(ゴールド)とか不動産とか、もちろん株も債券も。
でも、実はもう一つ考え方があって、リターンは決まってないけど、元本が保証されているものを「無リスク資産」と呼んでいる人もいます。説明を聞くときはその人がどういう意味で使っているか、少し考えたほうが良いですね。
それと、さっきたぱぞうさんも触れたところなんですが、実は無リスク資産は安全だ、と思ってほしくないんです。タンスに100万円を持っていれば20年後も100万円のまま。だから無リスク。これは教科書的な考えですが、実生活ではちょっと違います。
今、日本はインフレ率がほぼゼロなので、20年前の100万円は今の100万円と同じ価値です。でも、アメリカのような他の国ではどうかというと、20年前の1万ドルは今の1万ドルと価値が違うわけです。だから、無リスク資産といっても、現金で持っておくのと、預貯金で置いておくのではだいぶ意味合いが違う。何が違うって、預貯金だと利子が付くから。今でこそゼロですけど、10年前は、ネットの定期預金だと1%は付いたんですよ。仮にもし今後日本がインフレになるとして、現金で持っておくと、あれ?1000万円貯めておけば大丈夫と思ったけど、意外と買えるもの少なくない?という話になっちゃいますよね。
特に学費とか、30年前と比べると、物価は上がってないのに学費だけ上がったりしていますよね。だから学資保険は危険だと思っていて、あれは今の学費を前提に組まれていますから、いざ子供が大学へ行きます、となったときに、今の右肩上がりのまま学費が上がっていくと足りなくなる場合もある気がします。だから、10年後20年後、無リスク資産だったら絶対安泰、というのはちょっと違いますね。
学資保険の場合、その保険会社がつぶれちゃうかも、という信用リスクもありますよね。過去の事例をみても、ゼロにはならないですけどけっこう大きくカットされるケースもあるみたいです。投資信託の場合、信用リスクは分散されますし、1億が9000万、5000万になることはあっても、銀行のペイオフみたいにいきなり1000万にはならないですよね。
リスク商品の代表的なものには株、債券、不動産がありますが、それぞれによってリスクの幅が違う、ということでしょうか。
その通りです。あとは為替とか仮想通貨とか、金とかありますけど、一旦忘れていいと思います。
ありがとうございます。次回は、さらに詳しくリスク資産と無リスク資産について学んでいきましょう!(続く)