金融商品購入時のポイント(案)の検討

第3回 学生投資連合USICの皆さんと意見交換

金融庁担当者から金融商品を購入する際のポイントについて、説明しました。(詳細については、第1回目をご覧ください。)

学生投資連合USIC(※)に所属する3名の学生さんから下記のような意見を頂きました。

※ USIC(Union of Student Investment Clubs)とは、全国22大学の投資サークルからなる学生団体。勉強会やIRプレゼンコンテスト等を開催するなど、学生の金融リテラシーの向上に取り組んでいる。

【学生の皆さんからの主な意見】

学生の投資状況について

  • ・株式や投資信託は、ネット証券を通じて購入しています。金融機関の店舗を訪問して金融商品を購入したことはないですし、周りの学生も同じだと思います。

  • ・投資に関心のある学生の中で、人気があるのは株式とFXです。仮想通貨に手を出す人もいますが、以前ほどの人気はなくなっている印象ですね。また、(投資サークルの中では)株式の中では日本株に投資している人が一番多いです。外国株に比べ財務諸表など企業に関する情報を日本語で入手しやすく、分析しやすいので。

  • ・投資信託(特にインデックス)を購入するときは、手数料の低いものを選ぶようにしています。同じインデックスであれば、商品によって運用パフォーマンスに大きな差がないので、なるべくコストの低いものを選ぶのが合理的と考えています。

  • ・投資に関する情報収集は、ネットの投資情報サイトや四季報等を主に活用しています。経済系の学部では、大学の講義で投資について学べる機会もあり、「金融リテラシー」という講義では投資に関する基礎的な概念を学びました。

  • ・投資サークルに所属していない学生からも、投資をしてみたいとの声をよく聞きます。ただ、実際に商品の購入まで至る人は少なく、最初の一歩を踏み出すことが難しいという印象です。特に未成年の場合、投資には親の同意が必要なので、親を説得することが一つのハードルになっています。親子でお金の話をしてこなかった家庭が多いですし、親の世代では、株式投資に対してネガティブな印象を持っている人が多いと思います。

  • ・投資に対しては、学生の間では、短期間で売買して勝負するものといったイメージが強いと思います。長期間で資産形成していく手段として、預金だけでなく投資という選択肢もあると伝えることが大事ではないでしょうか。

投資の心構えについて

  • ・学生の間で投資詐欺が横行していて、大学を問わず、色々なところで関連の話を聞きます。共通の友人を介して投資のセミナーなどに誘い、そこで商品の勧誘を行うケースが多いらしいです。「この人が言ったから安心」などと考えるのではなく、自分自身でその金融商品について判断できるようになることが、投資詐欺の被害を防ぐうえで重要。「ローリスク・ハイリターンの金融商品は存在しない」といった、基本的な金融リテラシーを持つことが必要だと思います。

  • ・投資初心者に対しては、「一時的に相場が大きく下落することもあるが、その時点で売却してしまうのではなく、長期にわたって積立投資をすることが重要」ということを認識してもらう必要があるのではないでしょうか。

「金融商品購入時のポイント(案)」について

  • ・全体を通じて、誰が読んでも理解できるように難しい用語を省き(「リバランス」など)、重要な点は太字で強調するなど、文字数を減らして分かりやすい文章にした方が良いと思います。絵やグラフ、動画を使い、視覚に訴えることも効果的ではないでしょうか。

  • ・@〜Hの中では、A・C・Dが特に重要ではないかと思います。

  • ・Cについては、リスクが顕在化した際にどのような対応をするべきなのか、あるいはどのようなマインドを持つべきかまで説明してもらえれば、初心者の方も安心すると思います。また、値段の振れ幅など、具体的な数値でリスクを示した方が分かりやすいです。リスクを取らなければリターンは生まれないということが、一般的には認識されていない印象なので。

  • ・Dについて、その商品を買うことで誰が儲かるのか、得するのかを顧客が認識することは大事だと思います。

  • ・Dについて、最近では商品選定に係る顧客へのアドバイスをIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)に委託している先もあると聞きました。こうした動きは望ましいことだと思いますが、ある証券会社のトップページを見た際に、掲載されていたお勧めの投資信託は手数料が高いものが多かったので、必ずしも顧客にとって最善なものを売っていないのではないか、と考えたことがあります。

  • ・Hについては、一般の人が「登録業者」とは何なのか分かりづらいのではないかと思います。「無登録業者」も問題だと思いますが、現実はより分かりやすい詐欺が横行しています。

  • ・証券口座を開設する際、「特別口座」「一般口座」の違いや、源泉徴収の有無について理解に時間がかかりました。こうした点も説明があると良いのではないかと思います。

(以上)

【ご意見・ご感想】

利用者にとって使いやすいものとするため、幅広い方々からご意見を伺っているところ、「金融商品購入時のポイント(案)」についてのご意見・ご感想がございましたら、【nisa2017@fsa.go.jp】までお寄せください。頂いたご意見・ご感想については、担当課内での検討の参考とさせていただきます。なお、個別のご質問にはお答えできかねますので、あらかじめご了承ください。

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